混とんとするウクライナ情勢 「世界大戦前夜」の声も【ビジネス塾】

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ウクライナをめぐる情勢は、さらに混とんとしてきた。同国東部では、ロシア系住民が武装して官庁などを占拠、ウクライナ暫定政府がこの鎮圧に乗りだしたが、ロシアは激しく反発している。

中西寛・京都大学教授は、現在の事態を「第一次大戦前と似る」、すなわち「世界大戦前夜」のように述べている。果たして、そのような破局的な事態に至るのだろうか。

■事態は長期化確実か
事態を解決するため、暫定政権と米国、欧州連合(EU)、ロシアによる外相級4者協議が、スイスのジュネーブで開かれた。だが、ウクライナの連邦制化を主張するロシアに対し、米国はロシア系住民の武装解除、ロシアによる「そそのかし」停止などを求めており、今のところ、合意できるメドはない。

ロシアからすれば、旧政権関係者も会合に加えたかったところだろう。それができなくても協議に応じたということは、事実上は「3対1」の構図になるとしても、話し合いに応じることで、戦争を避ける狙いがあるということだ。もちろん、米国やEUもそこまでは臨んでいない。

双方とも戦争を避けたいながら、非難や制裁は止められない。こうなると、可能性が高いのは問題の長期化である。断続的な協議を経ながら、問題は解決せず、ずるずると時間が経つことになるだろう。

■核兵器が抑止力?
米国もロシアも戦争になることはもちろん、極度の関係悪化を恐れている。

米国などの現在の制裁措置も、政府高級幹部に対する資産差し押さえなど「軽度」なものだ。北朝鮮やイランに対して行った金融制裁に比べると、ずいぶんと軽い。資源大国であるロシアへの制裁は、原油価格高騰などの形で、自国に跳ね返ってしまうからだ。ロシアも、資源輸出が全面ストップとなれば、経済はもたなくなる。

もう一つ、世界第一と第二位の米ロが争えば、核戦争になりかねないという事情がある。どの国でも、負けたいと思って戦争はしない。勝とうと思えば、「通常兵器は使うが核兵器は使わない」などというきれいごとは言えない。だから両国とも、戦争それ自身を避ける以外になるのである。

皮肉なことに、双方に「核抑止力」は効いているということになる。中西教授の言う「第一次大戦前夜」という指摘は、この点では、現在の状況を十分には言い当てていない。

こうなると、協議が続いている間にウクライナ内部での武力衝突が激化し、内戦にいたる可能性がもっとも高い。米ロの「代理戦争」だ。世界有数の穀倉地帯で、鉄鉱石など資源も豊富なウクライナの混乱は、穀物や資源価格の上昇として世界経済に影響を与えかねない。この地政学的リスクへの視点を、当面は押さえておきたい。

(編集部)

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