ニュース番組などでも騒がれている「地球温暖化」。地球温暖化現象は、大気や海の平均温度が平均的に上昇することを意味する。その原因のひとつが大気中の二酸化炭素に代表される「温室効果ガス」で、二酸化炭素の排出量を抑えることが温暖化対策として最重要課題と言われている。



この二酸化炭素は、我々の日常生活を支えている石油などの化石燃料の燃焼が大きな要因となっている。とくに電力を得るための火力発電所は、二酸化炭素を大量に発生させる代表選手でもある。そこで最近注目を集めているのが環境に優しい「風力発電」だ。



今回は大人の科学「風力発電キット」を組み立てて、そんな風力発電の仕組みを学んでみよう。


■風が吹くと、電気代が儲かる?

人間は古くから風の力を利用してきた。真っ先に思い浮かぶのは船の帆だろう。帆船による航海は、貿易による豊かな生活とともに人類に風をコントロールする術を学ばせてくれた。さらに風の力を利用する道具として風車がある。



風車は、製粉や水くみの動力源として現在でも使用されている。風車の歴史は深く、古代中国やエジプトの記録にはすでに風車が登場している。さらにアレキサンドリアには紀元前3,000年の風車の遺跡があるほどだ。



そんな風車を利用した最先端技術が今回紹介する「風力発電キット」だ。世界初の風力発電機は、コペンハーゲン大学の教授だったポール・ラクール氏が1891年に発明した「ラクール式風力発電機」だと言われている。ラクール教授はオランダ型の風車に改良を加え、デンマークのアスコフに風力発電研究所を設立した。風力発電の歴史は意外に浅く、まだ120年にも満たないのだ。



ところで、どうやって風の力を「電気」に変えることができるのだろうか?



風が吹くと風車の羽根(ブレード)に風が当たり、ブレードの回転エネルギーを発電機で電気に変換するのだ。発電機はコイルの中で磁石を回転させて電力を発生する仕組みで、運動エネルギーが電気エネルギーに変わる電磁誘導の現象を利用している。この仕組みは中学校の理科で電流の性質を勉強したときに習った読者も多いのではないだろうか。



■エアコンの風でもピカピカ光る

大人の科学「風力発電キット」は10点ほどのパーツしかないので30分もあれば誰でも組み立てられるだろう。またペットボトルに取り付けられるので、組み立てたあとすぐに実験を楽しめる。大人の科学「風力発電キット」の特徴を説明しておくと、風車本体に尾翼を必要としないダウンウィンド型を採用して本体の小型化を図っている。

「風力発電キット」の中身大人の科学「風力発電キット」
「風力発電キット」の中身大人の科学「風力発電キット」

風がブレードに当たると、強力な磁力をもつ「ネオジム磁石」が0.05mmの極細導線を100mも巻いたコイルの内側で回転して電気を発生させ、高輝度の発光ダイオード(LED)を光らせる仕組みだ。独自開発の高性能な発電機なので、そよ風程度でもLEDをピカピカと光らせる。

発電機とLEDを本体に組み込むブレードを組み立てる
発電機とLEDを本体に組み込むブレードを組み立てる

LEDが点灯しない場合には発電機のコードにLEDがちゃんと繋がっているかを確かめてみよう。発電機の軸を指でまわしてLEDが点滅しなければ、もう一度LEDをコネクタにシッカリとはめ直してみるといい。ブレードがまわらない場合には、ブレードが本体に接触していないかをチェックしよう。ブレードがぶつかっている場合は、ハブを発電機の軸より少しだけ引き出して本体に接触しないように調整すればよい。また支柱が垂直に立っていないと、本体の重さで傾いてしまうのでブレードが風の方向を向かなくなる。

「風力発電キット」が完成エアコンの風で発電中
「風力発電キット」が完成エアコンの風で発電中

応用編だが、市販の発光ダイオードを購入すれば、別の色を楽しむこともできる。またブレードに色や模様を付けたり、好きな形に加工してオリジナリティを出すのも面白いだろう。



製品名:大人の科学「風力発電キット」

価 格:2,300円(税込み)



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大人の科学「風力発電キット」

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編集部:関口哲司

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