HTCは、Windows Mobile 6を搭載したSIMロックフリーのスマートフォンHTC Advantage X7501をリリースした。価格は11万9800円。
スマートフォンとしてはキャリアからの販売ではなくメーカーからという日本では異例の製品だ。それを実現したのがSIMロックフリー。通信用のSIMのロックを解除したことにより、キャリア限定ではなく、複数のSIMが利用が可能となっている。つまり、日本の対応SIMカード(W-CDMA:HSDPA/W-CDMA)であれば、ソフトバンクモバイルやドコモのカードで通話や通信がきるというわけだ。
■本体をみてみよう
本体は、8GバイトのHDを内蔵し、5インチのタッチスクリーン液晶を搭載する。大きさも幅133.1mm×高さ97.7mm×奥行き16mmとスマートフォンとしては大型のシステム手帳サイズ。通話はキーボードスタンドとドッキングさせてハンズフリー通話やヘッドフォンとなる。
キーボードとのドッキングは、マグネットで固定される方式を採用しており、ケーブルレスで一体化できる。また、キーボード本体もマグネット式が採用されており、両手でキーボードを持って操作することはもちろん、スチール製テーブルや金属の上で固定され安定したキー入力を実現している。
キーは5段で、最上部はダイレクトキーが配置されている。数字キーや記号が青●(FN)キーとの併用となる。キー配列がやや変則なので、キー位置には慣れが必要だろう。また、キータッチは、ストロークが短いので、やや打鍵のフィードバックは弱い。キーボードとしては、そう秀逸とはいえないが、プレートのような薄さやマグネットの仕掛けを考慮すればよく作り込んだともいえる。
背面には、300万画素のオートフォーカスカメラを搭載する。デジタルズームは最大で8倍となる。カメラの起動は右上のカメラボタンでダイレクトに起動することができる。
さて、大きさをX01HTと比べてみた。X7501はシステム手帳サイズだ。
右側面にはVGA出力端子、ボリュームスライダー、充電および同期用のminiUSB端子、ヘッドフォン端子を備える。左側面は、Comm Manager/ボイスレコーダーボタン、カメラボタン、スタイラスを備える。スタイラスは透明な樹脂製。
前面の左端にはスタートボタンとOKボタン、ナビゲーションコントロールボタンを備える。右端にはブラウザボタンを備える。ボタンはオレンジのLEDが光る。
底面には、バッテリー/miniSDメモリーカード/SIMのスロット、キーボード接続接点を備える。各スロットは、カバーを引き下げて開けると現れる。開閉はスムーズで軽く開閉ができる。
カバーを開け、2200mAhのバッテリーを取り出すことで、miniSDメモリーカード、SIMカードを交換できる。バッテリーは金属部でロックされており、金属部を引き下げることでロックが外れて取り出せる。
■搭載機能をみてみよう
さて、X7501を実際につかってみよう。通信の利用にはソフトバンクのX01HTのSIMカードを利用してみた。通信手段は、SIMカードのほかに、無線LAN(IEEE 802.11b/g)、Bluetoothが搭載されている。
●Webブラウザ
インターネットの利用だが、 ブラウザはInternet Explorer(以下IE)とOperaが搭載されているので好きなブラウザを使うことができる。X7501の大きな特徴は、ブラウザでのWeb閲覧で利用できる加速度センサーによるスクロール機能"VueFLO"を搭載していることだ。この機能により、5インチ液晶モデルながら片手でのWeb閲覧が可能となった。
"VueFLO"は、IEまたはOperaを起動することで利用できる。起動したときの傾きを初期値とするので、起動時の傾きから上下左右に傾けると、動かした傾きに対応して画面がスクロールしてくれる。"VueFLO"が有効中は、ブラウザのツールバーにアイコンが表示され、現在の傾き位置が表示される。この"VueFLO"機能により、X7501はスマートフォンやモバイル端末としては大型ながら片手でWebページの端から端まで本体を傾けるだけで閲覧することができる。
"VueFLO"の設定は、スタートメニュー>設定>VueFLOで、適用するブラウザとスクロール速度を調整できる。
●通話
通話は、本体にSIMカードを挿入して起動すると、自動でネットワークを確認し、設定してくれるので、ほぼ手間なしで利用を開始できる。手動による設定は、電話の設定画面を開き行うことができる。
●メッセンジャーと8GバイトHD
Windows Live メッセンジャー機能も問題なく利用ができるため利用しているアカウントがある人は既存のアカウントでログインできるので便利だ。X7501には、本体にマイクロドライブ8Gバイトのストレージが搭載されいる。モバイルのストレージとしては十分な容量だが、転送速度ではマイクロドライブなだけに動画ストリーミングなどで利用する場合は過信してはいけないだろう。
●メモと画像ビュー
Microsoft Windows Mobile 6 Professional搭載のX7501は、手書きによるメモも従来通り利用できる。5インチ液晶のおかげで、まさにリアルなメモ帳風に使えるので快適だ。画像ビュワーとしても5インチ液晶の視認性は十分に威力を発揮する。
■デメリットをメリットに変えたX7501
5インチ液晶搭載した大型タイプのX7501には当初疑問を抱いていた。小型・軽量化が進むスマートフォンで、今更システム手帳サイズの端末に存在を納得できる利便性があるかという点にだ。特に移動時のWeb閲覧において両手が必要となるのはかなりデメリットではないかと懸念していたが、それを払拭したのが"VueFLO"だ。
傾けるだけでブラウザ画面をスクロールできる"VueFLO"は、5インチ液晶のX7501を片手で操作できるため、移動しながらでも大画面でWeb閲覧を利用するという難問に一つの回答を示したともいえるだろう。また、マグネットを利用したキーボードと一体化するシステムは、大型本体をデメリットでなくメリットへと変えている。
もう一つの特徴である。SIMロックフリーだが、国内では複数のキャリアを利用できることでTPOにあわせた小型端末とX7501のスイッチングという端末切り替えができることが、利便性だけでなくユーザーに解放感を与えてくれる。
さらに、海外への出張や渡航が多い人や海外から国内を訪れる機会の多い人には、これほど便利な端末はないだとう。特にネットワークの自動認識・セットアップの簡便さは、まさにSIMロックフリーの未来を感じさせてくれるに十分だ。
ただひとつ残念なのは、端末価格がやや高いという印象をもたれることだ。確かにX7501の価格は、ほかのキャリア製端末に比べて高いのは確かではあるが、これはキャリアのように販売奨励金(インセンティブ)の値引きが適用できないためであり、スマートフォンのとUMPCの中間に位置する新しいカテゴリーの上位モデルとしては適正な価格であるともいえる。海外でのこのクラスの端末を比べれば納得できる価格といってもいいのであろう。
とはいえ、ユーザーにとっては価格は下がってほしいのも事実で、X7501の登場をきっかけに、SIMロックフリー端末のという新たな市場が広がり、結果として価格の低下を実現していってほしいものである。
●主な仕様
CPU:Marvell PXA270 624MHz
OS: Microsoft Windows Mobile 6 Professional
内蔵メモリー: 256MB FLASH ROM、128MB SDRAM、
Microdrive: 8GB HDD
ディスプレイ: 5インチTFT タッチスクリーン
VGA(480×640)
通信方式 W-CDMA (日本:HSDPA/W-CDMA (800/2100MHz)、
ヨーロッパ:2100MHz、米国:850/1900MHz)、GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900MHz)
無線:IEEE 802.11b/g、Bluetooth Ver. 2.0 準拠
カメラ:300万画素CMOS、オートフォーカス、デジタルズーム最高8倍
バッテリー 充電時間:最大4時間、2200mAh
待受時間:300時間(W-CDMA使用時)、300時間(GSM使用時)
連続通話時間:4.5時間(W-CDMA使用時)、5.5時間(GSM使用時)
拡張スロット:miniSDメモリーカード (SDHC対応)
GPS SirF Starlll with Ephemeris Extension対応
その他:HTC VueFLO
サイズ: 幅133.1mm×高さ97.7mm×奥行き16mm
重量: 350g(電池、キーボード、スタイラス含む)
■HTC Advantage X7501 - HTC Nippon
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スマートフォンとしてはキャリアからの販売ではなくメーカーからという日本では異例の製品だ。それを実現したのがSIMロックフリー。通信用のSIMのロックを解除したことにより、キャリア限定ではなく、複数のSIMが利用が可能となっている。つまり、日本の対応SIMカード(W-CDMA:HSDPA/W-CDMA)であれば、ソフトバンクモバイルやドコモのカードで通話や通信がきるというわけだ。
■本体をみてみよう
本体は、8GバイトのHDを内蔵し、5インチのタッチスクリーン液晶を搭載する。大きさも幅133.1mm×高さ97.7mm×奥行き16mmとスマートフォンとしては大型のシステム手帳サイズ。通話はキーボードスタンドとドッキングさせてハンズフリー通話やヘッドフォンとなる。
HTC Advantage X7501 ドッキング状態。 | HTC Advantage X7501 ドッキング状態。 |
キーボードとのドッキングは、マグネットで固定される方式を採用しており、ケーブルレスで一体化できる。また、キーボード本体もマグネット式が採用されており、両手でキーボードを持って操作することはもちろん、スチール製テーブルや金属の上で固定され安定したキー入力を実現している。
キーは5段で、最上部はダイレクトキーが配置されている。数字キーや記号が青●(FN)キーとの併用となる。キー配列がやや変則なので、キー位置には慣れが必要だろう。また、キータッチは、ストロークが短いので、やや打鍵のフィードバックは弱い。キーボードとしては、そう秀逸とはいえないが、プレートのような薄さやマグネットの仕掛けを考慮すればよく作り込んだともいえる。
プレートのように薄いキーボード。 | 液晶カバーとしても機能する。 |
背面には、300万画素のオートフォーカスカメラを搭載する。デジタルズームは最大で8倍となる。カメラの起動は右上のカメラボタンでダイレクトに起動することができる。
さて、大きさをX01HTと比べてみた。X7501はシステム手帳サイズだ。
背面はカメラだけのシンプルさ。 | システム手帳サイズ。 |
右側面にはVGA出力端子、ボリュームスライダー、充電および同期用のminiUSB端子、ヘッドフォン端子を備える。左側面は、Comm Manager/ボイスレコーダーボタン、カメラボタン、スタイラスを備える。スタイラスは透明な樹脂製。
右側面 | 左側面 |
前面の左端にはスタートボタンとOKボタン、ナビゲーションコントロールボタンを備える。右端にはブラウザボタンを備える。ボタンはオレンジのLEDが光る。
前面左のボタン | 前面右のボタン |
底面には、バッテリー/miniSDメモリーカード/SIMのスロット、キーボード接続接点を備える。各スロットは、カバーを引き下げて開けると現れる。開閉はスムーズで軽く開閉ができる。
底面左にバッテリーカバー、右がキーボード接点。 | カバーを開けたところ。 |
カバーを開け、2200mAhのバッテリーを取り出すことで、miniSDメモリーカード、SIMカードを交換できる。バッテリーは金属部でロックされており、金属部を引き下げることでロックが外れて取り出せる。
本体とバッテリー。 | SIMカードスロットとminiSDカードスロット。 |
■搭載機能をみてみよう
さて、X7501を実際につかってみよう。通信の利用にはソフトバンクのX01HTのSIMカードを利用してみた。通信手段は、SIMカードのほかに、無線LAN(IEEE 802.11b/g)、Bluetoothが搭載されている。
TODAY画面。 |
●Webブラウザ
インターネットの利用だが、 ブラウザはInternet Explorer(以下IE)とOperaが搭載されているので好きなブラウザを使うことができる。X7501の大きな特徴は、ブラウザでのWeb閲覧で利用できる加速度センサーによるスクロール機能"VueFLO"を搭載していることだ。この機能により、5インチ液晶モデルながら片手でのWeb閲覧が可能となった。
IEでの表示画面。 | Operaでの表示画面。 |
"VueFLO"は、IEまたはOperaを起動することで利用できる。起動したときの傾きを初期値とするので、起動時の傾きから上下左右に傾けると、動かした傾きに対応して画面がスクロールしてくれる。"VueFLO"が有効中は、ブラウザのツールバーにアイコンが表示され、現在の傾き位置が表示される。この"VueFLO"機能により、X7501はスマートフォンやモバイル端末としては大型ながら片手でWebページの端から端まで本体を傾けるだけで閲覧することができる。
"VueFLO"の設定は、スタートメニュー>設定>VueFLOで、適用するブラウザとスクロール速度を調整できる。
"VueFLO"設定アイコン。 | "VueFLO"の設定画面。 |
●通話
通話は、本体にSIMカードを挿入して起動すると、自動でネットワークを確認し、設定してくれるので、ほぼ手間なしで利用を開始できる。手動による設定は、電話の設定画面を開き行うことができる。
電話画面。 | 電話のオプション設定画面。 |
●メッセンジャーと8GバイトHD
Windows Live メッセンジャー機能も問題なく利用ができるため利用しているアカウントがある人は既存のアカウントでログインできるので便利だ。X7501には、本体にマイクロドライブ8Gバイトのストレージが搭載されいる。モバイルのストレージとしては十分な容量だが、転送速度ではマイクロドライブなだけに動画ストリーミングなどで利用する場合は過信してはいけないだろう。
メッセンジャーでの会話。 | ファイルエクスプローラーでマイクロがドライブを確認。 |
●メモと画像ビュー
Microsoft Windows Mobile 6 Professional搭載のX7501は、手書きによるメモも従来通り利用できる。5インチ液晶のおかげで、まさにリアルなメモ帳風に使えるので快適だ。画像ビュワーとしても5インチ液晶の視認性は十分に威力を発揮する。
メモ帳で手書きメモ。 | 画像ビュワー。 |
■デメリットをメリットに変えたX7501
5インチ液晶搭載した大型タイプのX7501には当初疑問を抱いていた。小型・軽量化が進むスマートフォンで、今更システム手帳サイズの端末に存在を納得できる利便性があるかという点にだ。特に移動時のWeb閲覧において両手が必要となるのはかなりデメリットではないかと懸念していたが、それを払拭したのが"VueFLO"だ。
傾けるだけでブラウザ画面をスクロールできる"VueFLO"は、5インチ液晶のX7501を片手で操作できるため、移動しながらでも大画面でWeb閲覧を利用するという難問に一つの回答を示したともいえるだろう。また、マグネットを利用したキーボードと一体化するシステムは、大型本体をデメリットでなくメリットへと変えている。
もう一つの特徴である。SIMロックフリーだが、国内では複数のキャリアを利用できることでTPOにあわせた小型端末とX7501のスイッチングという端末切り替えができることが、利便性だけでなくユーザーに解放感を与えてくれる。
さらに、海外への出張や渡航が多い人や海外から国内を訪れる機会の多い人には、これほど便利な端末はないだとう。特にネットワークの自動認識・セットアップの簡便さは、まさにSIMロックフリーの未来を感じさせてくれるに十分だ。
ただひとつ残念なのは、端末価格がやや高いという印象をもたれることだ。確かにX7501の価格は、ほかのキャリア製端末に比べて高いのは確かではあるが、これはキャリアのように販売奨励金(インセンティブ)の値引きが適用できないためであり、スマートフォンのとUMPCの中間に位置する新しいカテゴリーの上位モデルとしては適正な価格であるともいえる。海外でのこのクラスの端末を比べれば納得できる価格といってもいいのであろう。
とはいえ、ユーザーにとっては価格は下がってほしいのも事実で、X7501の登場をきっかけに、SIMロックフリー端末のという新たな市場が広がり、結果として価格の低下を実現していってほしいものである。
●主な仕様
CPU:Marvell PXA270 624MHz
OS: Microsoft Windows Mobile 6 Professional
内蔵メモリー: 256MB FLASH ROM、128MB SDRAM、
Microdrive: 8GB HDD
ディスプレイ: 5インチTFT タッチスクリーン
VGA(480×640)
通信方式 W-CDMA (日本:HSDPA/W-CDMA (800/2100MHz)、
ヨーロッパ:2100MHz、米国:850/1900MHz)、GSM/GPRS/EDGE (850, 900, 1800, 1900MHz)
無線:IEEE 802.11b/g、Bluetooth Ver. 2.0 準拠
カメラ:300万画素CMOS、オートフォーカス、デジタルズーム最高8倍
バッテリー 充電時間:最大4時間、2200mAh
待受時間:300時間(W-CDMA使用時)、300時間(GSM使用時)
連続通話時間:4.5時間(W-CDMA使用時)、5.5時間(GSM使用時)
拡張スロット:miniSDメモリーカード (SDHC対応)
GPS SirF Starlll with Ephemeris Extension対応
その他:HTC VueFLO
サイズ: 幅133.1mm×高さ97.7mm×奥行き16mm
重量: 350g(電池、キーボード、スタイラス含む)
■HTC Advantage X7501 - HTC Nippon
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