ソフトバンクモバイルから、新世代のスマートフォン「X02HT」が発売された。X02HTは、これまでのWindows Mobileを搭載しているスマートフォンとは大きく異なる端末だ。果たして、この新世代の端末は、スマートフォン市場を変えることができるのだろうか?
これまでのスマートフォンは、Windowsに近い操作や機能を最大のセールスポイントとしてきた。いってみれば手のひらサイズの超小型パソコンで携帯電話のような音声通話もできるとうたってきた。この戦略が間違っていたとは言わないが、ハンドヘルド機並のサイズならばパソコンのように両手を必要とする操作性も有効だが、手帳サイズの端末では両手がふさがるデメリットは予想以上に大きいといえるだろう。
また、音声通話機でもあるスマートフォンにとって、携帯電話との操作性におけるギャップも見逃せない。既に片手で操作できる携帯電話とパソコン操作のスマートフォンの溝は決して浅くはなかった。
スマートフォンにおける片手操作の妨げになっていたのが最大の特徴でもあるタッチパネルといえる。X02HTは、国内端末としては初めてスマートフォンのセールスポイントでもあった画面タッチ操作を廃した。この決断によりX02HTは、主要な操作を片手で行えるWindows Mobile Standardのスマートフォンとして登場することになった。
Windows Mobile 6.0は3タイプのデバイスを規定している。
・Windows Mobile Professional
PPC Phone Editionの後継。タッチスクリーンを搭載する。
・Windows Mobile Standard
Windows Smartphoneの後継。タッチスクリーンを搭載しない。
・Windows Mobile Classic
電話機能がないPPCデバイスの後継。
X02HTのハードウェア特徴をみてみよう。
●前面
本体前面には、2.4型QVGA液晶とQWERTY配列キーボードを搭載し、手のひらサイズを実現している。重量は120gと通常の携帯電話よりも軽い。本体の幅は一般の携帯電話の50~55mm前後に比べ63mmと10mmほど広くなっている。
●側面の操作
本体の厚みは13.9mmで、折り畳み型の携帯電話に比べて半分ほどの厚みとなる。この薄さがやや幅のある本体のホールドを安定させるために役立っている。本体が薄いことで、キーボード入力する際に指が側面にかからなくても本体を保持できる。とはいえ、側面に指をかけられないので、55mm前後の携帯電話に比べると入力時の安定度はやや劣る。
●シンプルな上部と底部
上部には、ヘッドフォンと充電および同期兼用のminiUSB端子を備える。端子カバーは樹脂製だが遊びがないので開閉は確実にできる。
底部中央にあるボタンは、電池ふたのロック解除ボタン。電池ボタン左にストラップホールにみえる部分があるが、標準のストラップホールではないので利用する場合は自己責任となる。
●背面
背面の8割ほどは電池ボックスとなっている。底部のボタンで電池カバーを開けることができる。バッテリーは、リチウムイオンポリマー製で、容量は1050mAh。
バッテリーの右上部にはSIMカードスロットが搭載されている。ロックバーは樹脂製。
●カメラ
背面上部には、200万画素 CMOSのデジタルカメラが搭載されている。本体右側面下のカメラボタンでダイレクトに起動することができる。撮影画面でのモニタースルーは滑らかだ。
撮影解像度は、1600×1200、1280×960、640×480、320×240、160×120ピクセル。ズームはデジタル10倍をサポート。動画機能は、174×144、128×96ピクセルで保存形式は MPEG-4、H.263、Motion-JPEG。
X02HTは、ハードウェア面でこれまでの端末と変更が加えられている分、ソフトウェアもX02HTに特化した変更が加えられている。既存のタッチパネル対応アプリケーションとの互換性がほとんどないが、X02HT用のユーティリティも既に公開開始されており、今後の対応も期待できるだろう。
●豊富なメール環境
X02HTの大きな特徴は、豊富なメール機能だ。
もっとも大きな特徴が、S!メール(MMS)[ムービー写メール、写メール、音声メール]の搭載だろう。いわゆるキャリアメールやケータイメールとよばれているPUSH型メールのサポートだ。つまり、ケータイと同じメールのやりとりができるというわけだ。
キャリアメールは、PCメールと異なり自分宛のメールが端末に配信される。ユーザーがPCメールのようにメールサーバにメールチェックを行わなくても受信メールを受け取れるので、モバイルでの少量メールには適している。
もうひとつが、Windows Live メールとメッセンジャーだ。
パソコンでもWindosw Liveメッセンジャーを利用している人も多いと思うが、X02HTではWindosw Liveのメッセンジャーでリアルタイムチャット機能が使えるだけでなく、Hotmailなどのメール機能も利用できる。
このほかに、普段利用しているアカウントが使えるPCメールのOutlookメール、Softbank端末同士で無料で利用できるSMSメールと、メール機能のサポートは非常に強力だ。
●ブラウザ
標準搭載のInternet Explorer Mobileを利用できる。画面表示がQVGAのため、PCサイトの閲覧はやや窮屈だ。スクロールは、前面中央のコントロールキーを利用する方法もあるが、右側面のJOGGRを利用することもできる。JOGGRはスタートメニューから[設定]>[JOGGR]で、[JOGGRを有効にする]にチェックをいれることで利用できるようになる。
JOGGRはスクロールと音量調節が選択できる。スクロールは通常操作ではスクロール機能を利用でき、通話中は音量調節に切り替わる。音量調節を選んだ場合は常に音量調節となる。
JOGGRの操作部は、ボタンというよりパネルに近く、なぞるような操作となる。ボタン風にみえるが押すというクリック感はなく、タッチパネルのような操作となるので慣れがいるだろう。
●文字入力
文字入力は予測変換を搭載。入力の変更は、下段左の[FN]+スペースキー右[文字]で入力選択バーが画面に表示され、そのメニューから選ぶことができる。
キーボードのキーは、小さいながらクリック感もありキーの打鍵反応はよい。X02HTのキーボードは、本体前面に配置されていることから、左端と左下部のキーの打鍵はやや窮屈になる。また、数字キーや記号キーは、[FN]キーと組み合わせとなるため特定のキー入力では両手が必要となる。なお、キーボードバックライトが搭載されているので、暗所でもキーは視認できる。
●ボイスメモ
ボイスレコーダーは、スタートメニュー[オフィス]>[ボイスメモ]で利用できる。ソフトキーで録音を開始すると録音時間が表示されてメッセージが記録される。
X02HTでは、タッチパネルが必要な手書きメモが利用できなくなったが、ボイスレコーダーが使いやすく改善されており、代用として活用できるだろう。
X02HTは、Windows Mobile Standardデバイスとしては国内初の端末となる。既存のパソコン寄りのスマートフォンに比べ、携帯電話に近づいた端末だ。X02HTのターゲットユーザーもモバイルのマニア層というより、既存の携帯電話ユーザーに向けられているといってもよい。
携帯電話より多彩なのメール管理をサポートし、インターネットブラウザの使い勝手も優れているX02HTは、ケータイでのインターネット利用に不満をもっている人には魅力的な端末となるだろう。これまでマニアや法人向けとみられていたスマートフォンとは異なり宇、X02HTは個人ユーザー市場を開拓できる可能を秘めているだけに、X02HTの普及次第でスマートフォン市場の変革もありえるのではないだろうか。
・プロセッサ: Samsung 2442 400MHz
・メモリ ROM:128MB RAM:64MB SDRAM
・OS : Windows Mobile 6
・ディスプレイ
液晶:2.4"カラー透反射形(トランスリフレクティブ)
TFT-LCD(バックライトLED付き)
・液晶表示:320×240、最大65,536色
・カメラ
【静止画】
有効画素数/撮像素子: 200万画素、CMOS
・外部接続
ミニUSB USB(ver2.0 Full Speed)、シリアル、オーディオ、電源接続用
Bluetooth: BluetoothR標準規格Ver.2.0準拠
ワイヤレスLAN: IEEE 802.11b/g
・電池
リチウムイオンポリマー電池、1050mAh
・重さ: 約120g
・サイズ: 約W63×H114×D13.9mm(突起部除く)
■X02HT - Softbank
■X02HT - htc
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■X02HTは何が違うのか?
これまでのスマートフォンは、Windowsに近い操作や機能を最大のセールスポイントとしてきた。いってみれば手のひらサイズの超小型パソコンで携帯電話のような音声通話もできるとうたってきた。この戦略が間違っていたとは言わないが、ハンドヘルド機並のサイズならばパソコンのように両手を必要とする操作性も有効だが、手帳サイズの端末では両手がふさがるデメリットは予想以上に大きいといえるだろう。
また、音声通話機でもあるスマートフォンにとって、携帯電話との操作性におけるギャップも見逃せない。既に片手で操作できる携帯電話とパソコン操作のスマートフォンの溝は決して浅くはなかった。
スマートフォンにおける片手操作の妨げになっていたのが最大の特徴でもあるタッチパネルといえる。X02HTは、国内端末としては初めてスマートフォンのセールスポイントでもあった画面タッチ操作を廃した。この決断によりX02HTは、主要な操作を片手で行えるWindows Mobile Standardのスマートフォンとして登場することになった。
Windows Mobile 6.0は3タイプのデバイスを規定している。
・Windows Mobile Professional
PPC Phone Editionの後継。タッチスクリーンを搭載する。
・Windows Mobile Standard
Windows Smartphoneの後継。タッチスクリーンを搭載しない。
・Windows Mobile Classic
電話機能がないPPCデバイスの後継。
X02HT 片手で操作できるスマートフォン | 片手で操作できる携帯電話 |
■X02HTの特徴をみる
X02HTのハードウェア特徴をみてみよう。
●前面
本体前面には、2.4型QVGA液晶とQWERTY配列キーボードを搭載し、手のひらサイズを実現している。重量は120gと通常の携帯電話よりも軽い。本体の幅は一般の携帯電話の50~55mm前後に比べ63mmと10mmほど広くなっている。
X02HT 本体 | X02HT 手にスッポリと収まるサイズ |
●側面の操作
本体の厚みは13.9mmで、折り畳み型の携帯電話に比べて半分ほどの厚みとなる。この薄さがやや幅のある本体のホールドを安定させるために役立っている。本体が薄いことで、キーボード入力する際に指が側面にかからなくても本体を保持できる。とはいえ、側面に指をかけられないので、55mm前後の携帯電話に比べると入力時の安定度はやや劣る。
左側面には、電源ボタン、microSDスロット、マナーモードボタン | 外部ストレージは、microSD |
右側面には、JOGGRパネル、カメラボタン | JOGGRパネルは、エンター、上下スクロール、キャンセル |
●シンプルな上部と底部
上部には、ヘッドフォンと充電および同期兼用のminiUSB端子を備える。端子カバーは樹脂製だが遊びがないので開閉は確実にできる。
底部中央にあるボタンは、電池ふたのロック解除ボタン。電池ボタン左にストラップホールにみえる部分があるが、標準のストラップホールではないので利用する場合は自己責任となる。
上部のminiUSB端子 | 底部のバッテリーふたロック解除ボタン |
●背面
背面の8割ほどは電池ボックスとなっている。底部のボタンで電池カバーを開けることができる。バッテリーは、リチウムイオンポリマー製で、容量は1050mAh。
バッテリーの右上部にはSIMカードスロットが搭載されている。ロックバーは樹脂製。
電池ふたを開ける | SIMカードスロット |
●カメラ
背面上部には、200万画素 CMOSのデジタルカメラが搭載されている。本体右側面下のカメラボタンでダイレクトに起動することができる。撮影画面でのモニタースルーは滑らかだ。
撮影解像度は、1600×1200、1280×960、640×480、320×240、160×120ピクセル。ズームはデジタル10倍をサポート。動画機能は、174×144、128×96ピクセルで保存形式は MPEG-4、H.263、Motion-JPEG。
背面のカメラ | 撮影モード画面 |
■X02HTに特化したソフトウェア
X02HTは、ハードウェア面でこれまでの端末と変更が加えられている分、ソフトウェアもX02HTに特化した変更が加えられている。既存のタッチパネル対応アプリケーションとの互換性がほとんどないが、X02HT用のユーティリティも既に公開開始されており、今後の対応も期待できるだろう。
●豊富なメール環境
X02HTの大きな特徴は、豊富なメール機能だ。
もっとも大きな特徴が、S!メール(MMS)[ムービー写メール、写メール、音声メール]の搭載だろう。いわゆるキャリアメールやケータイメールとよばれているPUSH型メールのサポートだ。つまり、ケータイと同じメールのやりとりができるというわけだ。
キャリアメールは、PCメールと異なり自分宛のメールが端末に配信される。ユーザーがPCメールのようにメールサーバにメールチェックを行わなくても受信メールを受け取れるので、モバイルでの少量メールには適している。
もうひとつが、Windows Live メールとメッセンジャーだ。
パソコンでもWindosw Liveメッセンジャーを利用している人も多いと思うが、X02HTではWindosw Liveのメッセンジャーでリアルタイムチャット機能が使えるだけでなく、Hotmailなどのメール機能も利用できる。
このほかに、普段利用しているアカウントが使えるPCメールのOutlookメール、Softbank端末同士で無料で利用できるSMSメールと、メール機能のサポートは非常に強力だ。
S!メールリスト | 受信箱 |
Windows Liveメール | Windows Liveメッセンジャー |
●ブラウザ
標準搭載のInternet Explorer Mobileを利用できる。画面表示がQVGAのため、PCサイトの閲覧はやや窮屈だ。スクロールは、前面中央のコントロールキーを利用する方法もあるが、右側面のJOGGRを利用することもできる。JOGGRはスタートメニューから[設定]>[JOGGR]で、[JOGGRを有効にする]にチェックをいれることで利用できるようになる。
JOGGRはスクロールと音量調節が選択できる。スクロールは通常操作ではスクロール機能を利用でき、通話中は音量調節に切り替わる。音量調節を選んだ場合は常に音量調節となる。
JOGGRの操作部は、ボタンというよりパネルに近く、なぞるような操作となる。ボタン風にみえるが押すというクリック感はなく、タッチパネルのような操作となるので慣れがいるだろう。
ブラウザ表示 | ブラウザ メニュー |
表示メニュー | お気に入り画面 |
●文字入力
文字入力は予測変換を搭載。入力の変更は、下段左の[FN]+スペースキー右[文字]で入力選択バーが画面に表示され、そのメニューから選ぶことができる。
キーボードのキーは、小さいながらクリック感もありキーの打鍵反応はよい。X02HTのキーボードは、本体前面に配置されていることから、左端と左下部のキーの打鍵はやや窮屈になる。また、数字キーや記号キーは、[FN]キーと組み合わせとなるため特定のキー入力では両手が必要となる。なお、キーボードバックライトが搭載されているので、暗所でもキーは視認できる。
日本語文字入力の予測変換 | 入力文字選択 |
●ボイスメモ
ボイスレコーダーは、スタートメニュー[オフィス]>[ボイスメモ]で利用できる。ソフトキーで録音を開始すると録音時間が表示されてメッセージが記録される。
X02HTでは、タッチパネルが必要な手書きメモが利用できなくなったが、ボイスレコーダーが使いやすく改善されており、代用として活用できるだろう。
ボイスメモ |
■新時代スマートフォンへ 得たものが大きいX02HT
X02HTは、Windows Mobile Standardデバイスとしては国内初の端末となる。既存のパソコン寄りのスマートフォンに比べ、携帯電話に近づいた端末だ。X02HTのターゲットユーザーもモバイルのマニア層というより、既存の携帯電話ユーザーに向けられているといってもよい。
携帯電話より多彩なのメール管理をサポートし、インターネットブラウザの使い勝手も優れているX02HTは、ケータイでのインターネット利用に不満をもっている人には魅力的な端末となるだろう。これまでマニアや法人向けとみられていたスマートフォンとは異なり宇、X02HTは個人ユーザー市場を開拓できる可能を秘めているだけに、X02HTの普及次第でスマートフォン市場の変革もありえるのではないだろうか。
■主な特徴
・プロセッサ: Samsung 2442 400MHz
・メモリ ROM:128MB RAM:64MB SDRAM
・OS : Windows Mobile 6
・ディスプレイ
液晶:2.4"カラー透反射形(トランスリフレクティブ)
TFT-LCD(バックライトLED付き)
・液晶表示:320×240、最大65,536色
・カメラ
【静止画】
有効画素数/撮像素子: 200万画素、CMOS
・外部接続
ミニUSB USB(ver2.0 Full Speed)、シリアル、オーディオ、電源接続用
Bluetooth: BluetoothR標準規格Ver.2.0準拠
ワイヤレスLAN: IEEE 802.11b/g
・電池
リチウムイオンポリマー電池、1050mAh
・重さ: 約120g
・サイズ: 約W63×H114×D13.9mm(突起部除く)
■X02HT - Softbank
■X02HT - htc
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