アニソン・特撮ソング・ゲーム音楽といったアキバ系が好む音楽を"クラブ"で楽しむというイベントが最近増えてきています。一見"アキバ系"と"クラブ"は水と油みたいな感じですが、主催者・参加者ともにアキバ系となれば話は変わってきます。DJがトランスアレンジのアニソンをプレイし、VJにシューティングゲームの弾幕映像とかが流れれば、同士達の集まるフロアは大盛り上がり!……というわけです。今回はそんなイベントの模様をご紹介してみます。



紹介するイベント名は仮に「R」としておきます。以前から気になっていたこのイベント。開催されたのは平日の土曜日。13時~19時というタイムスケジュールでした。使われたクラブは普通のハコなので「R」終了後の22時からは普通に(?)FUNKなDJが出演するイベントに戻ります。



ちゃんとしたクラブに出向くのは、今はなき六本木・ヴェルファーレでプロレスの興業(※1)を観にいった時以来、久しぶり。DJイベントというのも、以前とあるBARで開催された漫画家参加のDJイベント(※2)が最後だったのでワクワクです。



(※1)プロレスの興業:イベント名は「RING」。プロレス以外にもダンス、お笑い、ラップといった様々なパフォーマンスが繰り広げられる。ちなみに某主催メンバーのひとりは私の元同僚。機会があれば宣伝してほしいと言われていたのでやってみました(Mさん見てる?)。ちなみに私はこのイベントで、お笑い芸人"桜塚やっくん"のパフォーマンスを生鑑賞したことがあります。やっくんはTVそのまんまの"客いじり芸"を編集なしのリアルタイムでほぼ完璧に演りきっていました。彼は案外できる子。



(※2)漫画家が参加のDJイベント:江口寿史があややをかけてノリノリだったり、山本直樹が踊りにくいダウナーな曲を多用したり、とり・みきの選曲&プレイが妙にCOOLだったりした某イベントのこと。小規模でひっそりとやりたいイベントみたいなので、具体的な名前は伏せておきます。



開始時刻より5分ほど遅れてクラブに到着。入り口にはアキバ系の大好物であるメカ&美少女のイラストが大胆に使用された「R」のフライヤーが飾られていて、なんだかテンションが上がってきます。分厚くて重い鉄製の扉を開けて、いざ入場! DJのプレイは既に始まっていて、フロアは既に客で一杯です。



"ブンブンブンブンブンブンブンブン"という低音ベースを効かしたリミックス曲が大音量でフロアに流れ、客はタテノリで身体を揺らしています。客層はほとんどが男性で、女性は全体の1割程度。年齢層は20代~30代くらいでしょうか(お酒を出す場所なので20歳以上限定)。客は全員がVJ映像の流れるDJブースを向いているので、見えるのは後ろ姿ばかりです。薄暗いフロア内では、詳しいことはちょっと判断がつきません。



とりあえず"踊る場所"というのが影響しているせいか、他のアキバ系イベントに比べてスリムな人が多かった気がしました。カロリーを燃焼させる習慣があるとやっぱり違うんだなあと、妙に感心してみたり(普通に身体の幅が広い人もいましたが)。1人目のDJ(男性)は、意外にもアニソンでもゲーム音楽でもない普通の洋楽中心という展開。ノリはいいんですが、想像していたものと違ったので少々困惑してしまいました。確かにクラブ的ではあるんですが、アキバ系とは違うような……。



2人目のDJ(男性)は「頭狂アンダーグラウンド(天誅)」>「つるぺったん(Silver Forest)」の電波曲コンボでツカミはOK。気持ちが下降気味のところに投下された「ぺったんぺったんつるぺったん」のフレーズは脳髄にグイグイ染みてきて、とてつもない癒し効果を感じました(まさか電波曲で癒されるとは……)。



さらに、仮面ライダー電王のOPテーマ「Climax jump(AAA DEN-O form)」のフレーズ「いーじゃん!いーじゃん!すげーじゃん!」の大合唱で盛り上がるなど、フロアはいきなり大熱狂! 非常にいい感じだったのですが、終盤になって映像スクリーンにいきなりトラブル発生! スクリーンにVJ映像が流れなくなってしまいます。すぐに運営スタッフが原因を探り始めましたが、復旧しないままにDJの持ち時間は終了。



3人目のDJ(女性)は、スターウォーズの曲を大量投入。ジョン・ウィリアムズの名曲がグルーヴアップされてフロアに流れます。ところがやはりVJ映像が流れない影響は大きく、なんとなくノリきれない空気が漂います。やがてスタッフが天井に吊したプロジェクターを直接チェックしたところ、なんとかVJ映像が復活! フロアの客も思わず声を上げて大喝采です。DJもさすがにホッとした表情を見せ、後半は宇宙がモチーフのVJ映像をバックに機嫌良くプレイしていました。



4人目のDJ(男性)に関しては、正直ほとんど記憶がありません。実はこの時点で3時間くらい立ちっぱなしだったので休憩がてら椅子に座ったのですが、そこでいきなり睡魔に襲われてしまいました。多少疲労感があったとはいえ、まさか身体全体が振動するような爆音フロアで眠気を覚えるとは……。同じようなビートの繰り返しが、もしかしたら催眠のような効果を誘発したのかも知れません。フロアはちゃんと盛り上がっていたので、単に音楽の趣味が合わなかった可能性も否定できませんが(謎)。



5人目のDJ(男性)は、泣きゲー(泣けるギャルゲー)メーカー「Key」の曲をかけまくりんぐ。『AIR』や『CLANNAD』の曲がかかった瞬間、フロアから「ホォオーッ!!」「ヒョオォーッ!!」「イェエーッ!!」という魂の叫びが大☆爆発! その反応速度は、高額賞金を賭けたイントロ当てクイズのようでした。どうやら鍵っ子(熱狂的Keyファンの俗称)が大挙して押し寄せていたようです。



他にもアイマス(アイドルマスター)などのツボな曲が、ゲーム画像&映像をミックスしたVJ映像とともに流れて状況は一変! フロアはまさに"アキバ系クラブイベント"と呼ぶにふさわしい、濃厚な空間へと大変貌していきました。イベントは途中までアキバ成分が全体的に控えめだったのですが、ラス前にしてようやく本領発揮です。私もここで本格的にスイッチが入った気がします。



アイドルは2次元に限るという定説を不動のものにしつつあるゲーム『アイドルマスター(写真はアーケード版のムック)』。現実のアイドルがファンの夢を次々にデストロイする昨今、もはやファンタジーはバーチャルに期待するしか……(涙)。



大トリのDJ(男性)は、いきなり「もってけ!セーラーふく(TVアニメ『らき☆すた』OP曲)」のハイスピードリミックスでロケットスタート! 他に「ハッピー☆マテリアル(TVアニメ『魔法先生ネギま!』OP曲)」などもかかり、最後に女性ヴォーカル3人(地下アイドル?)がギャルゲーの曲を歌って終了となりました。



「R」は細かい不満はあったものの、おおむね満足のいく内容のイベントでした。個人的には「もってけ!セーラーふく」がミックス違いで2回流れたり、「冒険でしょでしょ?(平野綾)」のリミックスが爆音で聴けたのが良かったです(超私信)。VJ映像もネタ満載でなかなか面白かったので、タイミングが合えばまた参加するかも知れません。



なお上記のレポートは、イベント終了後に記憶を掘り起こしながら書いたメモを元にしているので、多少事実と違う部分があるかも知れません。まあ、その辺は何卒ご容赦願います(ちなみに帰宅途中のラーメン屋でメモ記入)。





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レッド中尉(れっど・ちゅうい)

プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。


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