オリンパスは、手ぶれ補正機能を搭載した1000万画素デジタルカメラ「E-510」を7月に発売する。ボディのみの価格は、12万円前後が見込まれる。名称的には2005年末に発売された「E-500」の後継機となるが、形状や性能を見るかぎり別物に近く、4月下旬に既に発売されている「E-410」をベースに機能を加えた上位機種と考えたほうがよいだろう。




■OMシリーズを思い出させる軽量・コンパクトなボディ

オリンパスのデジタル一眼といえば、フィルムカメラ時代のPENシリーズを思わせるような軍艦部のないフラットなデザインの300シリーズと、ペンタ部分が突き出た軍艦部を持つもののセンター部ではなくサイド寄りに配置をしている「E-1」があった。しかし、「E-410」「E-510」は、軍艦部をセンターに近いところに配置することによりオーソドックスな一眼レフを思わせるスタイルとなっている。



コンパクトで軽量ということから、フィルムカメラ時代のOMシリーズを思い浮かべる人も少なくないだろう。OMシリーズは、一眼レフカメラの重い・大きい・作動音や作動によるショックが大きいというそれまでの一眼レフカメラの欠点を徹底的に改善し人気となったフィルムカメラのシリーズだ。「E-510」は、軽量・コンパクト・高性能とまさにOMシリーズの伝統を受け継いだデジタル一眼といってもよいだろう。

正面から見た「E-510」背面から見た「E-510」
正面から見た「E-510」背面から見た「E-510」



サイズは、世界最小・最軽量を誇る「E-410」が幅129.5×高さ91×奥行き53mmで重量が約375g、そして「E-510」が幅136×高さ91.5×奥行き68mm、重量は約460gで一回り大きく重量も85gほど重くなっている。比較すると奥行きが厚くなっているのが目立つが、これは手ぶれ補正機構が搭載されたことが原因だろう。だが、手ぶれ補正機構を備えた他のデジタル一眼レフと比較するとやはりコンパクトで軽く、手ぶれ補正機構搭載機付きデジタル一眼レフという括りをつけるなら世界最小・最軽量となる。実際、他のデジタル一眼レフを持ったあとに「E-510」を持つと、その軽さと大きさにびっくりする。



見た目のコンパクトさも明らかで、同じように手ぶれ補正機構を持つデジタル一眼レフと大きさを比較してみた。以下の写真は手ぶれ補正機構をはやくから搭載したコニカミノルタ「α-Sweet DIGITAL」との比較だ。「E-510」がいかにコンパクトかがよくわかる。

左が「E-510」、右が「α-Sweet DIGITAL」
左が「E-510」、右が「α-Sweet DIGITAL」



■「E-410」では不安だった持ちやすさを改善

「E-410」は世界最小・最軽量なのが特徴的であったが、あらゆるところを削ってしまっていたため不満に感じる部分もいくつかあった。その代表的なものがグリップ部分だ。一眼レフはレンズ交換ができるのが特徴だが、望遠レンズを取り付けると重くなる。その分しっかりとカメラを握る必要があるのだが、「E-410」は指先が少し引っかかる程度の盛り上がりがある程度で、重たいレンズを取り付けたときの取り回しには、手から滑って落ちてしまわないかと不安があった。しかし、「E-510」には山の大きいしっかりとしたグリップが備わっており、グリップを包み込むようにしっかり握れるのでそれほど握力がなくても取り回しに不安はない。

グリップは大きくしっかり握れる形状
グリップは大きくしっかり握れる形状



■手ぶれ補正機構「IMAGE STABILIZATION」は効果アリ!

「E-510」の最大の特徴は、手ぶれ補正機構「IMAGE STABILIZATION」が搭載されたことだ。手ぶれ補正機構は他社のデジタル一眼でも搭載されている機能だが、オリンパスのデジタル一眼としては初となる。また、「IMAGE STABILIZATION」には2つのモードがあり、1つは通常の上下左右の手ぶれを補正する[I.S.1モード]と、もう1つは上下のぶれのみを補正する[I.S.2モード]だ。



[I.S.2モード]は左右に流し撮りする場合に利用する。通常の撮影では[I.S.1モード]の方が効果的だが、運動会で走っている子供を横に流し撮りするといったシーンでは、[I.S.2モード]で左右の補正を行わないようにすることで流し撮りを効果的に撮影できる。



以下の写真は、手ぶれ補正をオフにした場合と、オンにした場合の写真だ。静止しているものを撮影する場合は、上下左右の補正を行うほうが効果的な補正を見込めるので[I.S.1モード]でオンにした撮影で試してみた。オフの場合は手ぶれで微妙にぼやけて写っているが、オンの場合はしっかり補正されておりくっきり写って入るのがわかる。手ぶれ補正機構は、手ぶれによる撮影の失敗を防げるという意味ではやはり効果的な機能だ。

[I.S.1モード]オフ[I.S.1モード]オン
[I.S.1モード]オフ[I.S.1モード]オン



■撮影例

●花

1/250 F9 ISO200
1/250 F9 ISO200



●建築物

1/640 F11 ISO400
1/640 F11 ISO400



●フラッシュ撮影

1/80 F5.6 ISO100
1/80 F5.6 ISO100



●小物撮影

1/80 F8 ISO100
1/80 F8 ISO100



●夜景

1/40 F5.6 ISO1600
1/40 F5.6 ISO1600



■デジタル一眼レフカメラに必要な機能を詰め込んだ1台

性能がよくコンパクトで軽量とフィルムカメラ時代のOMシリーズの伝統を受け継いだカメラといっても間違いないだろう。豊富な撮影モード、手ぶれ補正機構、ゴミ対策機構など現在考えられるデジタル一眼レフの機能を凝縮した1台といってもよい。

「E-510」を購入するにあたって迷う点としては、「E-410」の存在だろう。手ぶれ補正機構が付いていないものの、他の性能はほぼ同等で軽くてコンパクト。価格的にも安い。価格的には、「E-410」を選択してレンズを1本追加するのか、総合的な性能重視で「E-510」を選ぶかになる。

お勧めな選択としては、標準レンズでの利用がメインなら「E-410」、望遠レンズの利用も視野にいれているなら手ぶれ補正が付いて、グリップもしっかり握れる「E-510」がお勧めだ。



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編集部:篠崎哲(ジャムハウス)

制作編集:エヌプラス

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