任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」は、ペン入力による直感的な操作が人気を呼び、子供から大人までが夢中になる空前のヒット商品となった。しかし、武蔵坊弁慶ほどの豪傑でも「弁慶の泣きどころ」と呼ばれる弱点があるように、ニンテンドーDSにも泣きどころはある。



携帯型ゲーム機のライバルでもあるソニー「PlayStationPortable」(PSP)は、ゲーム以外にもマルチメディア機能が充実しているのが特徴で、メモリースティックDUOに記録した動画や音楽を楽しむことができる。それに対して、ニンテンドーDSは、ゲームでしか遊べないのだ。「ゲーム機だから」といえばそれまでだが、ニンテンドーDSユーザーでもある筆者も、動画や音楽が標準で楽しめるPSPには心惹かれるものがある。



そんなとき、ニンテンドーDSをマルチメディアプレーヤーに変身させる「GBA MOVIE PLAYER3 Simpley」(以下、M3 Simpley)を発見した。そこで今回は、M3 Simpleyを使って、ニンテンドーDSで動画や音楽を楽しんでみたいと思う。「GBA MOVIE PLAYER3 Simple」は、実売価格は、6,480円(税込み)。



■M3 Simpleyをセットアップしよう

M3 Simpleyは、自作のゲームやアプリケーションをニンテンドーDSで動かすためのツール。ニンテンドーDSのゲームカードにソックリのカードには、microSDカードを入れるスロットがあり、DS用のプログラムを記録した市販のmicroSDカードを差し込んで使用することができる。microSDは、最大8Gバイトまでのメディア容量を使用できるが、一般の店舗で手軽に入手できるmicroSDは、主に512M/1G/2Gバイトの3種類あたりだろう。

画像:M3 Simpleyのパッケージ

画像:M3 Simpley本体とmicroSD



セットアップの作業は簡単で、ダウンロードのページから「M3 Slmply 最新日本語ファームウェア」のファイルを入手して、解凍後にディレクトリごとmicroSDに転送すればよい。



■M3 Simpleyを使ってみよう

「百聞は一見にしかず」ということで、早速、M3 Simpleyを使ってみた。



●お宝動画も楽しめる - 動画再生機能

マルチメディアといえば、動画! という訳で、まずはお宝画像も楽しめる動画再生機能を使用してみた。M3 Simpleyは、ファームウェアに同梱されている「MoonShell」と呼ばれるシェルプログラムを起動することで、MoonShellムービーファイル(DOG形式の動画ファイル)のみを再生する。AVI形式などの動画をDSで見たい場合には、パソコンを使って動画形式を変換しておこう。



M3 Flashのサイトから専用の変換プログラムを入手して、解凍したフォルダーの中にある変換プログラム「dpgenc.exe」を起動する。変換したい動画をドラッグ・アンド・ドロップすれば、自動的に変換作業が開始され、DPG形式の動画ファイルが出力されるのだ。出力されたDPG形式の動画ファイルをmicoroSDに転送して、マルチメディアモードで動画ファイルを選択すれば視聴できる。

画像:変換プログラム「dpgenc.exe」の画面



変換プログラム「dpgenc.exe」が変換できる動画形式は、MPG形式・MPEG形式・AVI形式・WMA形式の4種類。変換詳細オプションにより、動画ビットレートなどを調整できる。たとえば、標準の設定から動画ビットレートを小さくすると、音質は悪くなるが、ファイルサイズを小さくできる。

画像:変換プログラム「dpgenc.exe」の変換詳細オプションの画面



実際に動画を再生していみると、動きが激しい動画では画像が多少乱れるものの、十分に実用的に見られるレベルだ。

画像:動画を再生させた画面



●音楽好きにはオーディオプレーヤー化 - 音楽再生機能

いつでもどこでも音楽を聴きたい人は、音楽再生機能を使ってみよう。音楽再生は、動画再生のように変換プログラムを必要としないため、扱いが非常に簡単だ。NSF/MP3/SPC/GSM/OGG/WAV/MID/RCP/形式の音楽ファイルがパソコンの中にあれば、フォルダごとmicroSDに転送するだけでよい。音楽を再生するには、動画再生時と同様に、マルチメディアモードで音楽ファイルを指定するだけの手軽さだ。

画像:音楽ファイルの一覧画面



音楽ファイルを選択すると、タイトルやアーティスト、アルバムなどのファイル情報が画面に表示される。プレイモードは、一曲停止/一曲リピート/順ループ/順ループOFF/ランダムループ/ランダムOFF/一曲OFFの中から選択できる。液晶パネルを閉じると、画面表示が消えて、バッテリーを節約できる。

画像:音楽ファイルの情報表示



気になる音質であるが、サウンドエフェクトなどの機能はないものの、電車の中で音楽を聴くには十分な音質に感じられた。今までゲームにしか使っていなかったニンテンドーDSで音楽を再生できるだけでも、感動ものだ。



●デジカメの画像も確認できる - 画像表示機能

MoonShellは、JPEG/BMP/PNG/GIF形式の画像ファイルを表示する機能を備えている。試しに、ソニーのデジタル一眼レフカメラ「α100」で撮影した画像ファイル(JPEG形式)をmicroSDカードに転送してみたところ、画像を表示させることができた。標準設定は100%の表示で、解像度が高い画像は画面からはみ出すが、十字キーで画面をスクロールできる。また、多少の時間は掛かるものの、縮小表示も可能だ。

画像:画像ファイルの一覧画面

画像:画像を表示させた画面



●青空文庫の小説を読もう - 電子文書表示機能

MoonShellの目玉のひとつがプレーンのテキストファイルを表示する機能だ。使い方は人により様々だが、友人の連絡先をテキストで入れておいて手帳代わりに使ってもよいし、青空文庫(※)から小説を入手して表示させてもよいだろう。ブックマーク機能を備えており、Rキーでセーブ、Lキーでロードができるので、小説を読むにはもってこいだ。

※青空文庫:著作権の消滅した作品と、自由に読んでかまわない作品を、テキストとXHTML(一部は HTML)形式で配布している、インターネット電子図書館。

画像:青空文庫のウェブサイト

画像:テキストを表示させた画面



今回は、M3 SimpleyとMoonShellを組み合わせたマルチメディア機能を紹介したが、インターネット上では、マルチメディア以外にもM3 Simpleyで動作する様々なプログラムが公開されている。一例をあげると、ニンテンドーDSを携帯情報端末化するプログラムや、パソコンをリモートコントロールするソフトまで存在する。興味を持った人は、検索サイトなどを使って、M3 Simpley用のプログラムを探してみるとよいだろう。



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編集部:関口哲司

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