現在、筆者はauのW52Tをメイン機種として使っている。テレビ電話は使えないが、3インチの液晶に480×800ドット表示、Bluetooth搭載で、おサイフ機能のサポートと、いたれり尽くせりのほぼ全部入りの端末だ。ボディが少し大きいとか、気がつかないうちに電源が切れているとか※1、ちょっとした問題は感じてはいるものの、かなり満足して使っている。そんなW52Tと同じようなコンセプトでさらに筐体を薄くしたのが、SoftBankの911Tである。本体が薄いっていうのはけっこう魅力で、機能豊富なのに小さいっていうのはどんな感じなのだろうと、さっそく購入したのである。

※1:原稿執筆後にその問題に対処するためのソフトウエアアップデートが提供され、現在はその問題は解決している。


■911T 本体紹介

この911Tは、通常のパッケージと、アイウエアブランド「OAKLEY(オークリー)」のBluetooth搭載アイウエア「O ROKR(オー・ロッカー)」とのスペシャルパッケージが用意されている。先日の記者発表の際に孫社長がしていた"アレ"である。たぶんアイウエアとか筆者はしないだろうと思いつつも、スペシャルパッケージの「スペシャル」というその言葉の魅力に惹かれて購入してしまった。



本体をスライドさせて開いた状態。各ボタンはそこそこ大きめだ。

まずはカンタンにスペックを紹介しよう。数値につく"約"は省略させていただいた。サイズは高112mm×幅51mm×厚17.3mm。重さは145g。連続待ち受け時間が330時間、連続通話時間が音声通話時が140分で、TVコール時が80分。連続ワンセグ視聴時間は205分だ。メインディスプレイは3インチのワイドVGA表示(横480ドット×縦800ドット)、最大26万色表示が可能。メインカメラは、有効画素数324万画素のCMOSカメラで、最大記録サイズが2,048×1,536ピクセルだ。サブカメラは有効画素数32万画素のCMOSカメラである。



本体左側面。左端にイヤホンマイク/AV OUT端子、右端にメモリカードスロットがある。本体右側面。右から上サイドキー、下サイドキー、HOLDキー、カメラキーが並ぶ。本体裏面。内蔵カメラとその右上にモバイルライトがある。

データフォルダ容量は1Gバイト。また、外部メモリ用のスロットが準備されていて、2GバイトのmicroSDタイプの外部メモリに対応している。ちなみに外部メモリーは別売だ。本体カラーはSilver、Black、White、Redの4色が準備されている。筆者が購入したアイウエア「O ROKR(オー・ロッカー)」とのスペシャルパッケージはBlackのみなので、必然的にBlackを購入した。



これがOAKLEYのアイウエア「O ROKR」。Bluetooth搭載で、911Tで再生した音楽を聴くことができる。もちろん通話も可能だ。

実際に手にして思ったのはけっこう薄いってこと。同じタイプのau端末W52Tが22mmなので、4.7mm薄いことになる。そして重さが7g軽い。それほど大きな数値の差ではないが持ってみるとかなり違うことがわかる。



左が911T、右がW52Tである。並べてみると厚みの違いがわかる。

いちばん大きな問題は、数字キーの押ししろがないってこと。キーを押しているのだが押している感覚がほとんどないのである。キーのサイズが大きめなので見た目は押しづらそうには感じないが、実際に打ってみるとかなり押しづらいことに気づく。押し間違いをしやすいというのではなく、どのキーを押しているのかがわかりづらいので、キーを押す指を見て、ディスプレイを見てということをしないといけない。毎日何度も使っていれば慣れるのかもしれないが、入力が、かなり手間なのである。



次のページでは、911Tの3インチ大画面やワンセグ・音楽機能を見ていただこう。

■3インチで480×800ピクセル表示の大画面はかなり便利

3インチワイドVGA表示の液晶画面はかなりキレイだ。3インチというのは、最近ではそれほど珍しくないが、480×800ピクセル表示はほかにau端末では、東芝製端末W52Tだけだ。実際に見てみるとやはり広い。同じ3インチの911SHは、240×400ピクセル表示。240×400ピクセルサイズで作成された壁紙を待ち受け画面にしてみるとサイズの違いがはっきりわかる。



240×400ピクセルサイズで作成されたJPEG画像を壁紙に使ってみるとよくわかる。左が911SH、右が911Tだ。

ワイド画面ならではのツールも準備されており、画面の上部にスケジュールやメモ帳、くーまん※2、データフォルダの写真などを表示させることができるのだ。操作画面とは別のデータが表示されるのはかなり役立つはずだ。さらに、ワイド画面対応の機能をカンタンに呼び出せる「ワイドメニュー」も用意されている。ワイド画面に対応している機能がダイレクトに呼び出せるのはかなり便利だ。

※2:ソフトバンクモバイルの東芝製端末に欠かせないマスコットキャラクター。



表示画面の上部にカレンダーを表示したところ。スケジュールやメモ帳など、頻繁に見るデータを表示しておくのに便利だ。下サイドキーを押すことで、このようにワイドメニューが表示する。

画面表示について書いたので、表示できる文字数についても書いておこう。メールを読む際に設定できる文字サイズは「大」「中」「小さめ」「小」「極小」の5通り。各文字のサイズは以下の通りだ。



「大」「中」「小さめ」「小」「極小」



■ワンセグ、音楽機能もかなり充実

ワンセグはやはり広い画面で見られるのがいい。内蔵メモリが1Gバイトもあるので、最長で5時間20分も録画できるのが便利。もちろんmicroSDカードに保存することも可能だ。注意してほしいのは録画予約ができないことだ。せっかく長時間録画できるのに録画予約ができないのは残念である。



ワンセグ視聴中にメールを受信するとウィンドウが開き、お知らせしてくれるのは便利だ。そのまま閲覧、返信などをした後に、もとのワンセグ画面に戻ることができる。ドコモのSH903iTVのように画面が分割して視聴したままメールができるわけではないが、急ぎのメールを見逃さないっていうのはそれなりにありがたい機能である。



ワンセグ視聴時にメールを受信するとこのような画面が表示される。

音楽機能に関しても、やはり便利なのは内蔵メモリーの多さ。microSDカードを利用することもできるが、別売なので購入コストはかかる。追加出費なしで約320曲の楽曲が保存できるのは便利だ(音楽だけを保存した場合)。パソコンからCDの楽曲を取り込むには、同梱されているCDの「BeatJam 2007 for 911T」を利用すれば、CDから取り込むだけでなく、パソコンに保存されている音楽データも利用できるので便利だ。



911Tの利用できる音楽データは"AAC"なのだが、その他の形式で保存されている音楽データも、パソコンと911TをUSBケーブルで接続し、911Tに転送しようとすると自動的にAAC形式に変換してくれるのである。残念なのはこの「BeatJam 2007 for 911T」がWindows XPとWindows 2000にしか対応していないということ。その他のOSでは利用できないので注意が必要だ。ただし、パソコン上でAAC形式の音楽データを作成しておけば、microSDカード経由で利用することは可能だ。「BeatJam 2007 for 911T」は自動ですべてをやってくれるので便利だが、「BeatJam 2007 for 911T」が利用できないからといって、911Tで音楽が聴けないわけではない。



「BeatJam 2007 for 911T」。せっかくBluetoothに対応している911tなのにBluetooth経由では音楽データのやりとりはできない。

911Tの特長としては、Bluetooth対応なので、ワイヤレスでの音声再生が可能なことだ。「A2DP」に対応しているBluetoothオーディオ機器ならワイヤレスで音声を聴くことができるのである。しかし、注意しないといけないのはワンセグ使用時だ。ワンセグでの音声出力は、著作権保護機能のひとつ「SCMS-T」にも対応していないといけないのだ。「SCMS-T」に非対応のものが多いだけに要注意である。

スペシャルパッケージで購入した「O ROKR(オー・ロッカー)」も「A2DP」には対応しているが「SCMS-T」には非対応なので、音楽は聴けるけどワンセグは聴けないのである。高い値段するパッケージだけにこれはちょっと残念である。



「O ROKR(オー・ロッカー)」で音楽を聴きながら911Tで自分撮りをしてみた。



次のページでは、3.2メガピクセルのカメラ機能を見ていただこう。

■3.2メガピクセルオートフォーカスカメラはけっこう使える

911Tで写真を撮って思うのは、デジカメのようなスタイルで撮れるのが便利だということ。そしてマクロの切り替えをすることなく接写できるのもありがたい。ただ、待受画面時に本体サイドのカメラキーを押すだけでカメラが起動するのは便利なようでミスも多く、キーロックせずに鞄などに入れておくと自動的にカメラが起動していたりするのだ。実際に持ち歩いていると、けっこうカメラが起動していることが多かった。キーロックしておけばいいのだが、それはそれでけっこうめんどうではある。



あと、auのW52Tでも感じたのだが、暗めのところで撮影すると、かなりシャッタースピードが遅くなる傾向があるので手振れしやすくなる。これは要注意。撮影した写真は多少黄色がかっているが、そこそこキレイな方といえる。実際に撮影した写真を見ていただこう。



●晴天時に撮影した写真




●雨天時に撮影した写真




●屋内で撮影した写真




●マクロ撮影した写真




●蛍光灯下で撮影した写真




●電球下で撮影した写真




●夜景をオートモードで撮影した写真




●夜景を夜景モードで撮影した写真




■Kijimoto's EYE

911Tは、ワンセグに音楽機能、おサイフに電子辞書など、高機能が満載されていているので、役立つだけでなく楽しめるケータイである。しかし、前述したがボタンの押しづらさがどうしても気になるのだ。薄くするためにはしかたがないのかもしれないが、やはりケータイは電話とメールがメイン。はじめてこの端末を触ったとき、すぐに電話をしてみたのだが、11桁の電話番号を押すのに3回も間違えてしまった。使っていくうちに慣れるとはいえ、ボタンの押しづらさはちょっと問題かなと筆者は感じた。付加価値も重要だが、付加価値の前にメインの機能がきちんと使えるかどうかは重要なことだと思うのである。



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911T

ソフトバンク



編集部:木地本 昌弥

「パソコンですぐできる写真俳句」(毎日新聞社) 「その場で解決!ファイル操作とデータ管理」(技術評論社)など50冊以上の書籍を執筆。携帯電話やパソコン、IT関連から取扱説明書まで執筆ジャンルは幅広く、ITジャーナリスト・携帯電話評論家としてテレビやラジオ、講演もこなす。詳細は、著者のホームページ「我流珍述」プロフィールページまで。

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