秋葉原に数あるメイド喫茶(コスプレ喫茶含む)の中で、私が心から安らげる店は今のところ一軒ほどしかありません。その店は食べ物が美味しく、接客もナチュラル&ハートフルで癒し効果抜群。落ち込んだ時や、心がすさんだ時にそのお店で一服すると、少し元気になれるのです。普通に繁盛している人気店だけに、これ以上混雑すると個人的に困るので店名は秘密です。いつだったか、たまたま遭遇したイベント時の男装コスな給仕さんは、史上最高級の萌えでありました(しみじみ)。



その他のお店に関しては、正直「これでいいのか?」と疑問を感じる場合が多いです。私は以前、某ファーストフード店で長期アルバイトをしていた経験があるのですが、そのせいでメイドさんは好きなクセに「メイド喫茶」が純粋に楽しめないという業を背負っています。なにしろ、社員と同じ権限を持つフロア責任者まで勤めていたので、ついつい飲食業関係となるとチェックを入れてしまうのです。これは体に染み付いた性質なので、どうすることもできません。



とにかくメイド喫茶の何もかもが気になるのです。店頭の清掃、入店時の挨拶、制服の着こなし(清潔度含む)、店内の清掃、注文の取り方、店員の待機中の態度、BGMの選曲と音量、室温調整、注文の取り方、調理スピード、配膳の手際、食器の清潔度、メニューの質(盛り付け&味)、トイレの清掃、バックヤード(調理室)の整理整頓、会計の手際、退店時の挨拶など、思わずフロア責任者の視点となって営業チェックしまくり(ある意味迷惑な客)。



飲み物や食べ物を出す以上、メイド喫茶は間違いなく「飲食業」なんです。しかもメイドをウリにしているということは、イコール「素晴らしい接客の提供を宣言」しているようなもの。それが真実ならば素晴らしいことです。非日常的な存在である「メイドさん」が、お客様を「ご主人様」と呼び、「おかえりなさいませ」と迎えてくれる、パラレルワールドなサービス・コンセプト。これは日本が世界に誇るべき大発明と呼んでもいいでしょう。



ところがです。実際来店した人達にとってメイド喫茶は、事前に思い描いた素敵な場所だったのでしょうか? 「萌え萌えで最高だったよ!」というアナタは、本当にうらやましい……(なんという幸運)。「あんなもんなの? なんかショボイ…(´w`)」という感想を持ってしまう人も多い気がします。残念ながら、それが現在、多くのメイド喫茶が抱えている現実なのです。確かに中には素晴らしいお店もありますが、真に癒されるオアシスにたどり着くのは簡単ではありません。これは「物足りない部分は妄想で補填する」というテクニックを持たない、非アキバ系な人達(一般人)にとっては特に深刻な問題です。



経営者も客側の寛大な心に甘えている部分があるように見えます。「メイド喫茶なら何でも許されるのか?!」と感じた人々の声は彼らに伝わっているのでしょうか? 不十分なサービスというのは、飲食業に携わっていた人間の目からみると耐えられないものがあります。実際にメイド喫茶で不満気な表情を浮かべるお客さんも珍しくはありません。



せっかくメイド喫茶を体験するからには、良い思い出のひとつも作って帰りたいと思うのが人情です。基本的に厳しい目で見てしまう私ですが、だからこそ言えることもあるかと思うのです。というわけで、以下に私の経験を基にしたメイド喫茶の選び方を書いてみます。あくまで個人的な見解ですが、メイド喫茶選びのひとつの目安になれば幸いです。

■メイド喫茶の選び方10ヵ条(暫定版)



(1)過度の期待はしない。

探す前の心構えは重要です。メイド喫茶のサービスは正直ツッコミどころ満載なのですが、最初からあまり気にしすぎるのも考え物。特にメイド喫茶未経験の人は要注意。変に期待しすぎると、ハズレの店に入ってしまった時の精神的ダメージが大きくなってしまいます。「ちょっと変わった喫茶店」に行くくらいの楽な気持ちで臨みましょう。



(2)メディアで紹介されたお店=優良店とは限らない。

特にTVで紹介されるお店は「メイドさんと遊ぶ」部分がメインという場合がほとんど。「メイドさんのいるお店で癒されたい」という人には、あまり参考になりません。情報に関してはネット上にあるファンサイトの方が充実しているので、とりあえず検索してみましょう。ただし、基本的に好意的な目線で書かれているので鵜呑みは禁物です。



(3)空いてる店より混んでる店を選ぶ。

お店が混んでいるのは流行っている証拠。来店>満席>順番待ち確定>待てないから移動>空いてる店に適当に入る>いろんな意味でションボリ。これはメイド喫茶巡りの典型的な負けパターンです。メイド喫茶は狭いお店が多いので、多少の待ち時間が必要となるというのはよくあること。気になるお店があるなら開店前から並ぶくらいの気合で望みましょう。



(4)お店のコンセプトを理解して来店する。

メイド喫茶のバリエーションは様々。例えば内装には英国風、和風、教室風などがあり、接客には英国風、学園風、純喫茶風などがあります。中には終始タメ口で接客されたり、ヒマなメイドさんのアニメ話に延々つきあったりと、予想GUYな展開が待ち受けている場合もあったりします。そんな時はあせらずに、その場の空気を読みながら臨機応変に対応しましょう。ハプニングを楽しむくらいの心の余裕を持てば、好感度もアップです。



(5)可愛いメイドさんのいるお店は優良店の可能性あり。

フェミニストの方々から文句を言われそうな文言ですが、実際そういう傾向は否めません。今やメイド喫茶は女性のアルバイト先としても大人気なので、採用基準も年々上昇しています。人気店はメイドさんの質によるところが大きいだけに、"可愛いメイドさんがいる=優良店"、という図式はある意味成り立つのです。人気店・優良店ほど良い人材が集まるというのは世の常ですね。



(6)メイドさんの接客力を見極める。

メイドさんはルックスが良いだけではダメです(断言)。お店のコンセプトに沿ったプロの接客が出来てこそ一人前。見た目は可愛いのに、驚くほど稚拙な接客をされるというのは本当に悲しくて泣きたくなるものです。これは意外に中堅クラス以上のお店でも遭遇することが多く、特に平日のヒマな時間帯に立ち寄ると事故率は大幅に上昇するので要注意! 接客にイヤな予感を感じたら、一番安い飲み物を頼んで早めに退散できる体制を整えましょう。



(7)メニューの値段が高すぎたら危険信号。

メイド喫茶のメニューは、一般的な喫茶店に比べると割高に設定されています。それは接客サービス料が含まれていると思えば、ほぼ問題ないと思える値段です。が、中にはどう考えても「うわ高っ!」と叫ぶしかない場合もあったりします。コーヒーの値段を目安にいうと、1杯450~500円くらいならほぼ問題なしでしょう(無論、例外はあります)。550円くらいから段々怪しくなり、600円ともなると危険信号です。接客に気合が入っていれば「全然オッケー!」になる可能性もあるのですが、大抵はリピーターに恵まれない一見さん相手のお店という場合が多いようです。



(8)食べ物は無難なメニューで様子見。

出される料理のレベルはお店によって相当違います。こればかりは実際に注文してみないとわかりません。厨房に調理専門のスタッフがいることが確認できれば、ちょっと変わったメニューにチャレンジするのもいいかも知れません。ですが、グルメを期待するのはヤメておきましょう。最初はカレーやスパゲティ(ミートソース)といった無難なメニューで様子見するのがオススメかと。



(9)食器類をチェックする。

食器類には、お店の「おもてなしの心」が表れるものです。100円ショップで買ってきたような素っ気ない食器と、高級感のあるデザインの食器とでは、印象はだいぶ違います。ちなみに私は初来店のお店では必ずホットティーを注文して、ティーポットやティーカップのデザインを確認するようにしています。メイド喫茶で提供されるお茶のレベルに大きな差などはないのですが、見た目だけでもこだわりを見せてほしいと思う次第。



(10)会計&送迎時で最終確認。

気持ちよくお金が払えて、気持ちよく退店できるお店というのは実は少数派です。現実に多く遭遇するのは、コンビニ的なレジ対応と、機械的でまごころのない「いってらっしゃいませぇ(語尾下げる)」というのが真実。最後だけでもキッチリ「メイド喫茶」をやりきってくれれば、また来たいと思えるはず。終わりよければ全てよし、なんですが、これが意外と難しいのです。



■まとめ

新たな発見があれば修正を加えていきたいと思います。結局のところ「自分好みのお店は自分で探すしかない」とも言えるので、その点はご容赦くださいね。メイド喫茶の未来が輝かしいものになるかどうかは、ひとえに経営側の企業努力にかかっています。今後一層の研鑽に期待します!



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レッド中尉(れっど・ちゅうい)

プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。


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