エフセキュアブログを担当している 尾崎です。

春の香りがしてくると、つい旅に出たくなったりしませんか?
旅を企画している時は至福といいますが、どこに行くか、どこに泊まるか、或いはどこでご飯を食べるかなど、皆さんはどうやって調べているのでしょうか。

私はもっぱらインターネットと雑誌を利用しているのですが、やはり泊まるなら評判の良い宿がいいし、人気の観光スポットも覗いてみたいので、口コミの評判や人気エリアやアクティビティを必ず調べます。

調べていると、つい利用者の多い人気があるものやサービスを選んでしまいがちです。

その裏には、「ユーザが多い=安心」という心理が働いているからかもしれません。人気が高ければ市場も活発になり、多くの人が触れる機会も増えます。また、ユーザが多いとサービスもサポートも充実してきます。このように、人気があり人が集まるとことには、マーケティングの相乗効果が追い風となり、さらにユーザを増やし、市場競争で勝者となっていきます。

そしてこうした良いスパイラルが生まれると、なおさら人は口コミなどの情報に依存し、人気スポットやサービスにさらなる人だかりができるわけです。

■売れっ子が危ない?
現実世界では、人が集まる=多くの人の手による監視から安心、という環境が確立することが多いのですが、ネットの世界では、必ずしも「ユーザが多い=安心」とは、いえないケースが多いのです。

皆さんは、ネット検索するときにどのWebブラウザで、どの検索エンジンを使用していますか。
また、お使いのパソコンのOSはなんでしょうか。

一般に、WebブラウザでいえばInternet Explorer、検索エンジンでいえばGoogle、OSでいえばWindowsを利用するユーザが圧倒的に多いですよね。

では、その環境は、本当に安全なのでしょうか?

■サイバー犯罪者は、悪徳ビジネスマン?
最近のサイバー犯罪は、大きなビジネスとなっており、組織化されています。
いうなれば、普通の企業のように、いかに効率よく利益を上げるかということを常に考えているのです。ビジネスである以上、サイバー犯罪者がより収益性の高いターゲットを狙うのは当たり前です。となれば、少ないユーザの市場より、ユーザの多い市場を狙うのも、ビジネスマンとしては当然の選択なのです。

ITセキュリティの観点からみたとき、「ユーザが多い=安心」という方程式は、今や成り立たなくなっているのです。
さらに悪いことに、ビジネス化したことで、サイバー犯罪者たちは組織化され、実にさまざまな手法・手口を用いてネットで荒稼ぎをしています。

■みんなで渡っても、怖いものは怖い
フィッシング詐欺、クレジットカード詐欺、スパイ行為、スパムメール、偽モノや架空の製品を販売するなど、犯罪行為は多種多様ですが、このように様々な犯罪行為を働くためには、サイバー犯罪者の彼らにとってもIT設備などの環境を整える資金が必要となっています。したがって、サイバー犯罪者たちは、ユーザが少ない市場を狙うのではなく、ユーザの多い大規模市場に狙いを定めざるを得ないのです。

ネットに限って言えば、みんなが使っている。みんなで渡れば怖くない!は、やっぱり怖い!ということですね。

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