NTTドコモのXperia(SO-01B Sony Ericsson製)の発売で日本のスマートフォン市場が大きく活気づいている。今月にはソフトバンクからHTC Desire(X06HT)も発売されることから、スマートフォン新製品の話題が毎日のようにネット上を賑わしているほどだ。Apple iPhoneのヒットもあり、スマートフォンを利用する層も大きく拡大している。スマートフォンは一般的な「高機能携帯電話」とは違い、単体の機能や通信事業者のサービスとの連携よりもインターネットサービスの利用に適した製品でもある。日常の情報収集やブログなどの利用、Twitterなど、スマートフォンを日夜活用している人の数は日々増えているようだ。

このように便利なスマートフォンを、ゴールデンウィークで海外旅行に持って行き活用したいと考えている人もいるだろう。空港からホテルまでの経路を調べたり、観光地の地図を見たり、そしてオンライン翻訳サービスを使った現地での会話の手助けなど、スマートフォンは海外利用がとても便利なのだ。

しかし日本で購入したスマートフォンを海外で利用する場合は通信料金に気をつけなくてはならない。海外での利用は国際ローミング扱いとなり、通信料は国内よりも割高になるからだ。国内で利用しているパケットフルなどの定額サービスは適応されないのだ。NTTドコモは特定国でのパケット料金が12万パケットまで2000円になる特定事業者向け割引料金も出しているが、それを超えると利用した分だけ課金される。携帯電話と違いスマートフォンではちょっとしたWEBページを見るだけでもデータ量はあっという間に数メガバイトに達してしまうため、12万パケット(約14.6メガバイト)では足りない場合も多い。
iPhoneでGoogleマップを開いて地図を1枚見ただけでデータ通信量は数百キロバイトに達する。

もしも日本で購入したスマートフォンにSIMロックがなければ、海外のプリペイドSIMカードを購入して装着すれば、、現地の安い料金で利用することができる。だが現時点では日本のXperiaやiPhoneなどは通信事業者が販売するSIMロックモデルしか存在しておらず、海外のSIMカードに入れ替えて使うことはできない。

そのため普段自分の使っているスマートフォンを海外で利用する場合は、携帯電話回線のデータ通信利用は使わないようにして、現地のホットスポットやホテルなどで無線LANを利用したほうがよい。これで後から高額なローミングパケット料金が請求される心配は無くなるだろう。とはいえ無線LANはどこでもアクセスできるものではないし、有料の場合もある。また車や電車などでの移動中は利用できない。

せっかくのスマートフォンを海外で思う存分活用できる方法は無いのだろうか?
そこでぜひ利用したいのが、海外現地の電話回線を利用できるWi-Fiルーターのレンタルサービスだ。

これはイーモバイルのPocket WiFiと同類の製品で、これを利用すればXperiaやiPhoneなどのスマートフォンとWi-Fiルーターを無線LANで接続し、あとは現地の安価なパケット料金でインターネットアクセスが利用できるのだ。海外携帯電話のレンタル業者がサービスを提供しており、価格も定額でリーズナブルだ。これらのレンタル業者はすでにノートパソコン用のUSBモデムの定額利用レンタルを始めているが、Wi-Fiルーターの登場でこれからはスマートフォンでも海外で定額データ利用が可能になるのだ。

例えばレンタル大手のテレコムスクエアはWiFiルーター使い放題レンタルプラン「Wi-Ho!(ワイホー)」を提供している。アメリカ向け、中国向けなどで、料金は1500円/日。1週間の旅行/出張なら約1万円となる計算だ。海外で国際ローミングを利用してパケット通信を行えば1万円はあっという間に達してしまう金額であるし、ホテルのインターネットサービスが有料ならば、このレンタルサービスのほうが料金が安い場合もあるだろう。また同時に数回線の接続が可能なため、同行者や友人同士で一緒に使って支払いをシェアしてもいいだろう。もちろんスマートフォンだけではなくノートPCや無線LAN内蔵ゲーム機からも利用できるため活用範囲は広い。何よりも料金は定額なので、つなぎっぱなしにしていても料金を金しなくてよい安心感もある。観光地から写真を撮影してすぐにブログにアップしたり、移動するたびに「XXなう」とTwitterを使ってリアルタイムに居場所をつぶやくことも自在にできるわけだ。

なおPocket WiFiを利用している人は気づかれていると思うが、Wi-Fiルーターの電池の持ちは数時間。毎晩ホテルで充電するのはもちろんだが、1日中使い続けたい人はエネループなどの補助電源をもて行くのもよいだろう。Wi-Fiルーターのレンタルは他の携帯電話レンタル社も開始しており、スマートフォンユーザーは「海外に行くときはWi-Fiルーターを借りていく」ようにするといいだろう。今度のゴールデンウィーク、海外に行く予定のある人はさっそく活用してみてはいかがだろうか?
成田空港などにカウンターのあるテレコムスクエア。オンライン申し込み後、宅配またはカウンターで受け取ることも可能

中国向け(左)とアメリカ向け(右)のWi-Fiルーター。中国向けはPocket WiFiの同系端末だ


山根康宏
著者サイト「山根康宏WEBサイト」

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