こんにちは、ロクナナワークショップの佐々木です。今回はFlashとApple製品に縁のあるニュースです。

オーサリングツールとしてのFlashを手離せないクリエイターは、iPhone OSにもFlashをサポートさせてほしいと願うのは当然です。それに対して、AppleはFlashを頑なに拒んでいます。そんななか、こんなニュースが飛び込んできました。

[Smokescreen オフィシャルサイト]

「FlashをHTML5に自動変換するSmokescreen、iPadでも動作(engadget: http://japanese.engadget.com/2010/05/31/flash-html5-smokescreen-ipad/)」

記事によると、SmokescreenとはJavascriptで作られたライブラリとのこと。これを利用するとswfファイルから文字や画像を抜き出して、HTML5 + javascripに変換してくれるそうです。

全てのFlashが再現できるわけではないようですが、簡単な作りのFlashなら変換可能とのことです。なんともダイナミックというか、力業のライブラリですね…。

■変換することのメリット
このライブラリを利用するメリットですが、Flashに対応していない端末でもFlashコンテンツが見られるようになるということでしょう。
HTML5はこれから標準になっていくのに対して、Flashは別途Flash Playerがインストールされていなければ表示することができません。

こうした環境を好ましいと思わないAppleは、iPhoneやiPadにFlashは対応させないと公表しています。これからどうなっていくのか不安に思っていましたが、Smokescreenを使えばiPhoneでもちょっとしたFlashなら表示できるようになるみたいです。今後の対応にも期待したいところですね。

■デモが公開されている!
[FlashバナーをSmokescreenで変換してiPhoneで表示してみたデモページ]

HTML5に対応しているモダンブラウザで、Smokescreenの作者のサイト(http://smokescreen.us/)から特設ページにアクセスすると、実際に動作しているSmokescreenを見ることができます。swfと比べると読み込み時に多少のタイムラグがあるものの、動作自体は非常に滑らかで元のswfと見分けが付きません。思った以上の動きですね。

今話題のiPadで動作している動画も(http://www.vimeo.com/12014368)にて見ることができました。標準ではFlashが表示される場所は空白になっているのに対して、Smokescreenで変換済みのものは正常に動作しているようです。

■FlashとAppleの今後
このようなライブラリが出てきたからと言っても全てのFlashが再現できるとは限りません。iPad/iPhoneでのFlashについては、AdobeとApple次第となりそうです。

■ これから勉強するならどっちか?
最近、ロクナナワークショップには、「FlashとHTML5、これから勉強するならどっち?」というお問い合わせをよく頂きます。これは、なかなか難しい質問ですが、Androidは、Flash Player 10.1に対応しています。

iPadのようなタブレット端末が普及するにしても時間がかかるでしょうから、Flashの需要はまだまだありそうです。またHTML5については、今後いろいろなブラウザーで対応がすすむなど需要は広がりそうなので、押さえておきたい技術でもあります。
現状の回答としては、できるなら両方とも学習しておいた方がいいでしょう。

ロクナナワークショップでは、Flash・ActionScriptの講座を多数開講しています。また、現在HTML5の講座の開設を企画しているので、近々新講座として追加する予定です。

日進月歩で生き物のように変化するこの業界、視野を広く持ち、出来る限り多くの情報や技術を柔軟に取り入れていくことが重要になりそうですね。

Smokescreen
ロクナナワークショップ
Flash講座
ActionScript講座

【プロに学ぶ67WS通信】の記事をもっとみる
ガジェット学園祭からrudesign製 iPhone Standプレゼント!
Google Map がどうして古典3D技術を使ったのか?
エコだ!動物園 動きの仕掛け人 城戸氏のワークスタイル
出版業界の新しいスキル!電子書籍のつくりかた