パソコンの処理能力は、プロセッサー(CPU)に大きく依存する。高性能なCPUを搭載すれば、パソコンは高速化できるが、CPUはPCパーツの中でも高価なパーツの一つだ。しかも、高性能CPUとなれば、値段もグっと高くなるため、手軽に買い換えするというわけにもいかないのだ。

しかし、「お金を掛けずにパソコンの性能をアップできたらいいのに...。」と考えている人は多い。

そうした人の最終手段に、オーバークロックという裏技が存在するのである。

そこで今回は、ギガバイトの技術スタッフの協力のもと、最新マザーボード 3製品を使用して、パソコンのオーバークロックに挑戦してみた。
※オーバークロックは、メーカー保証対象外の行為のため自己責任において行ってほしい。
オーバークロックを行いパソコンが故障した場合、メーカーやショップの保証は受けられなくなる場合もある。ギガバイトおよび編集部では一切の責任を負えないため、自己責任において挑戦して欲しい。

■いざ!オーバークロックに挑戦だ
オーバークロックは、パソコンを壊す危険性もともなうので、一昔前までは一部のパソコンユーザーのみが挑戦できる行為であった。

ところが、最近はオーバークロック用のユーティリティなど、オーバークロックを安全に実行できる環境が整ってきたことから、パソコン初心者でも簡単にパソコンをオーバークロックできる時代になってきている。

今回はギガバイトの技術スタッフに協力を仰ぎ、オーバークロック初心者の筆者がオーバークロックに挑戦してみた。

■BIOSでオーバークロック - 極意その1
パソコンの処理能力は、CPUで決まると言っても過言ではない。CPUの動作周波数が高ければ、それだけ高速な処理が可能となる。オーバークロックの基本原理は、BIOSを手動で設定することにより、メーカーが定めた動作周波数を超える周波数で動作させるというものだ。

最初に一般的なオーバークロックのやり方から紹介しよう。世界的なオーバークロッカーも行っているが、BIOSの設定を変更することによって、オーバークロックに挑戦してみた。

●CPU倍率を上げる
CPUの動作周波数は、「ベースクロック×CPU倍率」で決定される。
Intel Core i7-920(2.66GHz)の場合、133GHz×20で動作周波数が決まっているというわけだ。ただし、Turbo Boost適用時の最高動作クロックは最大?確認?GHzとなる。

ここで、BIOSを起動して「CPU Clock Ratio」を見てみると、「Min=12, Max=21」で「20」という数値となっている。2.66GHz=133GHz×20というわけだ。CPU Clock Ratioを「20」から「21」に変更するだけで、2.97GHz=133GHz×21となり、オーバークロックが成功した。

CPU倍率を上げる

●ベースクロックを上げるのは危険性も高い
「CPU Clock Ratio」の代わりにベースクロックを高くする方法もある。たとえば、133GHz → 135GHzにした場合、2.70GHz=135GHz×20というわけだ。

ベースクロックを変更すると、メモリモジュールなど、CPU以外のパーツへのベースクロックも変更されるので、パソコンが動かなくなる可能性が高くなる。そのため、ベースクロックは、あまりいじらないほうがよいとされている。

ベースクロックを上げる

■最新CPUでオーバークロック - 極意その2
CPUを高性能なCPUに交換するだけでも、パソコンの性能は向上するが、「CPU Clock Ratio」の設定範囲も同時に高くなれば、オーバークロックの可能性が広がる。

CPUをIntel Core i7-920からIntel Core i7-980X Extreme Editionに変更してみよう。BIOSを起動して「CPU Clock Ratio」を見てみると、「Min=12, Max=65」で「25」という数値となっている。3.33GHz=133GHz×25というわけだ。

■アプリでクロックアップ - 極意その3
マザーボードごとに対応状況は異なるが、ギガバイトのマザーボードであれば、オーバークロック用のツール「Easy Tune」によって、オーバークロックを行うことができる。

BIOSでのオーバークロックとの違いを一言でいえば、「EasyTune6」のほうが安全にオーバークロックできる点だ。BIOSでオーバークロックに失敗すると、OSが起動しなかったり、BIOSさえ起動しなくなる場合がある。

「EasyTune6」は、オーバークロックに失敗した場合でも、OSが起動するうえに、BIOSが起動しなくなる最悪の事態も回避することができる。BIOSほど細かい設定はできないが、オーバークロック初心者でも簡単にオーバークロックを行うことができる。

「EasyTune6」を起動すると、「1」「2」「3」の大きなボタンが表示される。これらのボタンの下には、CPUクロックとベースクロックが表記されており、ボタンを押すことで、CPUクロックとベースクロックを変更する。ボタンを押すだけで、オーバークロックができるというわけだ。

右上の「Easy」「Advance」のボタンをクリックすると、動作周波数や電圧などを設定する項目が表示される。BIOSを起動せずに、BIOSと同じ項目を変更することができるわけだ。

ボタンひとつでオーバークロックができる「EasyTune6」

●キーボードでオーバークロックを実行 - ホットキーオーバークロック
「EasyTune6」を手動で設定した場合には、その設定を「Ctrl + Alt + F1」といった具合にキーボードのキーに割り当て、ホットキーによってオーバークロックを行うことができる。

●iPadでオーバークロックを実行 - クラウドオーバークロック
ギガバイトのマザーボード(X58/P55/H55)であれば、インターネットが接続できる環境であれば、どこにいてもオーバークロックができる。

たとえば、iPadでデスクトップパソコンをオーバークロックすることができるわけだ。

iPadでデスクトップパソコンをオーバークロックする

■どれくらいオーバークロックできるの?
今回のテクニックを使用すると、どれくらいオーバークロックができるのだろうか。

GA-X58A-UD9でIntel Core i7-920を使用した場合、2.8GHzから3.5GHzへ、3DMarks 06のCPU Scoreで5443から6655へオーバークロックすることに成功した。

GA-X58A-UD9でIntel Core i7-920を使用して2.8GHzから3.5GHzへオーバークロックしてみた

オーバークロック初心者でも、ギガバイトのマザーボードであれば、「EasyTune6」によって、お手軽にパソコンの性能をアップさせることができる。オーバークロックは高いリスクをともなう行為だが、「EasyTune6」を使えば、マザーボードが壊れて動かなくなるという最悪の事態だけは免れることができそうだ。

これからマザーボードを購入する人で将来的にオーバークロックを考えている人あれば、「EasyTune6」という安全装置が付いたギガバイトのマザーボードを買っておくとよいだろう。

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