インターネット検索サービス「NAVER」を運営するネイバージャパンは本日(2010年11月11日)、同社が運営するユーザー参加型検索「NAVERまとめ」において、まとめの作成者を対象としたインセンティブプログラム(報奨金制度)を開始した。

NAVERでは、2010年10月15日に「1億総キュレーター」化に向けて、「NAVERまとめ」のリニューアル、および「livedoor Blog」とのサービス連携を実施。その結果、NAVER全体のPVは前月に比べて25%増加するなどの成果を上げることができたという。

今回、その取り組み第二弾として、ユーザーのキュレーション活動の更なる支援を目的に、まとめ作成者を対象としたインセンティブプログラムを本日より開始するというのだ。

「NAVERまとめ インセンティブプログラム」とは、いったいどういうものなのか。

サービス責任者のネイバージャパン株式会社 サービス企画室 室長 島村 武志 氏に伺った。

■NAVERまとめインセンティブプログラム導入の背景
Twitterやfacebook、ブログなどのソーシャルメディアの普及にともない、ひとり当たりの情報摂取量が爆発的に増大している中、欧米を中心に能動的にインターネット上の情報を収集・編集して共有する消費者たちを、新たな社会的役割「コンテンツ・キュレーター」として注目する動きが高まっている。

こうした背景のなかで、NAVERでは情報集約・共有のための「キュレーション・プラットフォーム」としてユーザー参加型情報共有サービス「NAVERまとめ」を、10月15日にリニューアルした。

島村氏は、
「NAVER全体のPVは、前月に比べて25%増加するなど、一定の成果を上げることができ、僅かながらも手ごたえを掴むことができました。」と、リニューアルの成果を明らかにした。

インセンティブプログラムの導入について島村氏は、「NAVERでは、引き続きユーザーのキュレーション活動を支援することを目的に、まとめ作成者に対して自分が作成したまとめ上でのアクセス数による本日開始の広告収益分配や、紹介した商品の購買数に応じた成果報酬をお支払いするインセンティブプログラムを開始いたします。

自分でコンテンツを生み出すことはできないけれど、面白いものを見つけ出して紹介することはできる。そんなキュレーション活動をソーシャルメディアを介して行なってきた人はこれまでにも沢山いたはずですが、こうした活動は奉仕活動として終わってしまうのが一般的でした。

そのため、ライフステージの変化などで多忙になると自然と活動を停止するしかなくなり、日本では優秀なキュレーターが育つことは非常に困難だったと言わざるをえません。

またソーシャルメディアに自分が持っている知識や情報を労力を払って投稿し、多くのユーザーに支持されたとしても、そこに表示される広告の収益はサービス運営者のものになるのが実情です。

こうした現状から、私たちNAVERはキュレーター/キュレーション活動を支援し、『キュレーションエコノミー(経済圏)』を構築していく第一歩として、今回の取り組みをスタートしました。」と、インセンティブプログラムの全貌を明らかにした。
NAVERまとめインセンティブプログラム

■広告やアフェリエイトとの違いは?
インセンティブプログラムについてはわかったが、広告やアフェリエイトとの違いは、どこにあるのだろうか。また、NAVERでは、どういうかたちでインセンティブプログラムでの収益を考えているのだろうか。

島村氏は、
「ソーシャルメディア上で収益を得る方法としては、これまでも広告やアフィリエイトなどが存在していました。しかし、気軽に始められる“無料ブログ”ではこれらの広告を掲載できないことが一般的です。また、ユーザーが収益を手にしようとすれば、まず“有料ブログ”サービスを申し込むことで広告を表示できる環境を用意する必要がありました。

専門用語があふれる中で、広告やアフィリエイト提供業者への申請、審査、広告主である企業と提携・・・これだけ苦労しても有料ブログサービスに支払った額を、実際に取り返せる人はごくわずかです。

NAVERではこうした現状に対し、以下の2つのプログラムを用意しました。
1. まとめ広告収益分配プログラム [自動で掲出される広告の収益分配]
2. アフィリエイト型広告プログラム [作成者自身が選んだ商品の販売成果報酬を支払]
いずれも、複雑な申請や審査、作業は一切不要で、簡単に収益を得ることができるようになります。」と、2つのプログラムを用意していることを語ってくれた。

島村氏は、
「前者(まとめ広告収益分配プログラム)については、本日からスタートするプログラムになります。
『NAVERまとめ』を作成すれば、作ったまとめにマッチした広告が自動で表示され、インセンティブの分配対象になります。NAVERまとめ全体で発生した広告収益総額を、アクセス集計をもとに付与する独自の評価指標(ポイント)をベースに分配するので、自分が作成したまとめの広告がクリックされなくても、インセンティブが分配されます。

後者(アフィリエイト型広告プログラム)については、12月中旬に開始予定のプログラムです。
自分が作成したまとめに、Amazon アソシエイトのアフィリエイト広告を任意で掲載できるようになり、紹介した商品の購買数に応じて発生した収益を作成者に全額還元いたします。まとめに訪れたユーザーはどんな商品を求めているか、どうしたら自分のまとめをより多くの人に訪れてもらえるか。自分の努力・選択をコンテンツに反映できます。」と、提供時期と具体的な内容を明かしてくれた。

どちらのプログラムも、ユーザーは広告を表示するための出費や労力を気にせず、キュレーション活動に集中することで、より質の高い集約コンテンツを作成することができるわけだ。
ネイバージャパン株式会社 サービス企画室 室長 島村 武志 氏

■キュレーション・プラットフォームを拡大したい
最後に今後の展開について、島村氏にうかがってみた。

島村氏は、
「引き続き『NAVERまとめ』の機能改善・外部連携を強化していく一方で、今回のインセンティブプログラム導入を機に、より多くの方々に「NAVERまとめ」をご利用いただき、『キュレーション・プラットフォーム』の拡大を行っていきたいと考えています。

また、並行して、『キュレーション』という言葉自体の認知啓蒙も図っていきたいと考えています。11月17日(木)には、以前から『キュレーション』の社会的価値について論じておられたITジャーナリストの佐々木俊尚氏を招いたセミナー※を実施する予定です。一般の方も参加できますので、ぜひこの機会にご参加ください。」と、キュレーション・プラットフォームの拡大に加え、「キュレーション」という言葉自体の認知啓蒙も考えていることを明らかにした。
※11月12日(金)18:00 締め切り


「NAVERまとめ」のインセンティブプログラムは、一般のブログやアフィリエイトなどのように能動的に広告の掲載手続きを行わなくとも、簡単に収益を得ることが可能なサービスであるだけに、ネットで副業を考えている人には魅力的なサービスと言えるだろう。


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