パソコンを使っている人の中には、ウイルス対策ソフトを利用している人も多いだろう。ウイルス対策ソフトは、コンピューターウイルスの侵入を防いだり、発見・除去したりするソフトだが、偽ウイルス対策ソフト(偽アンチウイルス)がビジネスとして成立しているのをご存じだろうか。その偽アンチウイルスによる利益が明らかになった。

Panda Securityのアンチマルウェア研究所であるPandaLabsは、偽アンチウイルスについての発表を行った。驚くべきことに、偽アンチウイルス(別名Rogueware)の40%が今年作られているそうだ。
この種の悪意あるコードが4年前に初めて報告されて以来、5,651,786種のユニークなRoguewareが検出されており、その内2,285,629種が2010年1月から10月までに出現しているという。

さらにRoguewareサンプルの数を、Collective Intelligenceデータベース(毎日出現する新種の脅威63,000種の99.4%を検出、分析、分類している自動システム)に含まれる全マルウェア数と比較すると、全サンプルの11.6%が偽アンチウイルスに相当するとのこと。このデータベースがPanda Securityの過去21年間の歴史の中で検出された全マルウェアを含んでおり、Roguewareがわずか4年前に出現したことを考えると、これは驚異的な数字としか言いようがない。

■恐るべし!偽アンチウイルスのしくみは?
Roguewareの詐欺ビジネスは2006年に初めて報告されたが、実際にこの種の悪意あるコードが急増し始めたのは2008年以降だ。ユーザーは、単なるWebのブラウジング、メディアプレイヤーのためのコーデックのダウンロード、Email内のリンクのクリックなどによって感染させられる。

これらのアプリケーションは、システムを感染させると、被害者のコンピュータ上で数百件の脅威を検出したとするアンチウイルスソリューションになりすまそうとする。ユーザーが脅威を削除しようとすると、製品の”フル”ライセンスを購入するように促し、ユーザーは頻繁に餌にかかって結局購入してしまうのだ。けれどもライセンスを購入しても、以降”販売者”からは一切連絡も無く、コンピュータ上には偽アンチウイルスが残される。

■いくら儲かる?偽アンチウイルス詐欺
偽アンチウイルス詐欺の被害者は、実際には手に入れることのないアンチウイルスライセンスを購入したり、クレジットカードデータ(ブラックマーケットへの販売やオンラインでの購入に利用できる)を入手したりする。その利益がハッカーたちの懐に入るわけだ。

PandaLabsによって行われた調査 “The Business of Rogueware” によると、Roguewareの作成者たちは、毎月3,400万ドル(年間約4億1,500万ドル)の利益を得ているという。

日本円に換算すると、毎月28億円(年間346億円)。年末ジャンボ宝くじが一等前後賞あわせて3億円であることを考えると、なんと高額であることか。

偽アンチウイルスがはやる理由は、そこにあるのだろう。

Panda Security

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