またひとつ、日本のスーパーコンピューターの実力を世界に知らしめた。東京工業大学のスーパーコンピューター「TSUBAME2.0」が世界2位となったのだ。スーパーコンピューターの絶対性能ランキングを行う「The Top 500 List」のスパコンの電力性能(TOP500 性能値 / 消費電力)を半年ごとにランキングしているリスト「The Green 500 List」で、1ワットあたり958.35メガフロップスを記録し2位となった。すでに、先駆けて発表された絶対性能ランキングを行う「The Top 500 List」で1.192ペタフロップスと世界4位になっている。

日本のスパコンが1ペタフロップスを超えたのは初めてであり、かつ10位以内にランクされたのは前機種「TSUBAME1.0」の2006年11月以来で4年ぶり、5位以内は「地球シミュレータ」以来5年半ぶりになる

さらに、特別賞Greenest Production Supercomputer in the Worldも受賞した。「TSUBAME2.0」は11月1日からサービスを開始しており、運用中のスパコンとして最高の成績を収めたことに対して贈られた賞となっている。
「TSUBAME2.0」は東京工業大学学術国際情報センター(GSIC)が、NEC、日本ヒューレット・パッカード、米NVIDIA、マイクロソフトなどの内外各社の協力で開発した「クラウド型グリーンスーパーコンピュータ」だ。
東工大学術国際情報センターにおける前機種「TSUBAME1」で記録したアジア1位の性能、「みんなのスパコン」としての使いやすさをもとに、「TSUBAME2.0」に向けて数十倍の高性能化と省電力の同時達成を目指して行われた種々の研究成果が結実したものといえる。

CPUだけでなく、高性能なGPUを使用することで最高理論性能2.4ペタフロップス(「TSUBAME1.0」の30倍)・毎秒200テラビットの通信性能(同30倍)・記憶容量11ペタバイト(同10倍)を実現しながら、消費電力は「TSUBAME1.0」と同等、大きさは2/3程度に抑えられている。

すでに気象、バイオ、医療などの分野の実際のアプリケーションで世界記録的な性能を達成し、今後も日本における高性能計算の国家インフラであるHPCI(ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラストラクチャ)において中心的な役割を果たしていくと期待されている。理化学研究所と富士通は世界最速を目指して次世代スーパーコンピューター「京」を共同開発し、2012年秋には運用を開始する。ここにきて、日本のスーパーコンピューターも世界の中でトップクラスが再び登場してきた。もう2番で言いなんていわせない。これからも目が離せないぞ。

東京工業大学
NEC
日本ヒューレット・パッカード
米NVIDIA
マイクロソフト

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