7型ディスプレイ搭載Androidタブレットを開発したり、東京工業大学に納入したスーパーコンピューターが世界2位になったりと、最近よくNECが話題に上ることが多い。
このNECが今度は、Telecom Asia Magazineが主催する「Telecom Asia Readers Choice Awards」で最優秀賞を受賞した。

受賞は、「Femtocell Vendor of the Year」カテゴリーで、「コアネットワーク」「ワイヤレスブロードバンド」などの全24カテゴリーのうちの一つだ。10月初めに、Telecom Asia Magazineが選定したアナリストやコンサルタント、通信キャリア幹部によりカテゴリー毎に優秀ベンダーが3~4社選定され、その後に読者による投票形式でそれぞれ最優秀ベンダーが決定された。

NECはいち早くフェムトセル事業に着手し、進行中のものを含め、世界中で19ものトライアルを実施している。すでに世界中のモバイル通信事業者9社とフェムトセルの納入の契約を結ぶほどの実績を持つのだ。

国内では2008年9月に、ソフトバンクモバイルからフェムトセルシステムを受注した。ソフトバンクモバイルでは2010年5月からフェムトセル基地局として「ホームアンテナFT」の提供を開始している。

■フェムトセルとは
NECがソフトバンクモバイルに提供したのがIMS(IP Multimedia Subsystem)方式というもの。メディア・ゲートウェイやコール・セッションのコントロール、IPマルチメディアのゲートウェイなどから成るIMSコアと、セキュリティゲートウェイや認証機能を持つフェムトセルのゲートウェイ、携帯電話の電波を屋内に引き込まれているブロードバンド回線を利用して送受信するためのフェムトセルのアクセスポイントなどから構成されている。
これが、ソフトバンクモバイルの通信網と各家庭内のフェムトセル端末につながっているブロードバンド回線をつないでいる。ユーザーにとっても、専用回線を使わずに、PCのデータ通信で使っている家庭用ブロードバンド回線が利用でき、フェムトセル機器をその回線につなぐだけという簡単なものとなっているのだ。

ネットワークはすべてIP化される。このため、ブロードバンド、固定網、携帯電話網に共通なIPネットワークが構築できる。フェムトセルからの通信はIMSで制御するため、既存の携帯電話網に負荷がかからないことも特徴となっている。

ラストワンマイルの攻防に合わせて、FMCの面も持つフェムトセルについてNECがほかより一歩先んじていることが、この受賞で明らかになった。NGN(Next Generation Network、次世代通信網)にも力を入れているNECは、このフェムトセルを含めたネットワーク分野で世界のリーダーとしての役割を持っているのだ。

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