Android2.3を搭載した「Nexus S」は、圧倒的なシェアを占めるiPhoneに対抗できるだけの実力を持ったOSだ。

Android2.3の特徴としては、高速化、ソフトキーボードの改良、ユーザーインターフェースの一新、電源管理、タスクマネージャーなどをあげられるが、ほかにもIP電話を実現するSIPや、近距離通信に対応するためのNFC(Near Field Communications)をサポートしている。今回の最新ハイテク講座は、この中からNFCを取り上げて解説しよう。

■意外に身近!NFCの技術
日本で一番身近なNFCといえばFeliCaだろう。鉄道分野では関東近郊ではJR東日本が「Suica」、関西近郊ではJR西日本が「ICOCA」として、電子マネー「Edy」「WAON」として利用されている。一方、欧州を中心にMifareというフィリップスが策定した規格が主流となっている。NFCは、このFeliCaとMifareの上位規格としてISO/IEC18092に制定・標準化されているのだ。このほか、物流や小売といった場面で商品管理に用いられるICタグのほか、住民基本台帳カードなどもNFCだ。

■データを読み書きする原理
Suicaのようなカードタイプのものを見てみよう。カード内にはデータを記録するICチップとアンテナが入っている。リーダー・ライターからは電磁波が出されていて、カードを検出すると、認証を行い、データの読み書きが開始される。

たとえば、FeliCaだと13.56MHzの周波数帯を利用し、212kbpsの速度で通信を行う。副搬送波を使用しない「対称通信」が特長となっている。

■複数のサービスに使えて便利
おサイフケータイを使っている人ならわかるように、複数のサービスに入っていても対応することができる。同様にカードタイプでも複数のサービスが利用できるのだ。

各サービスでアクセス権を設定することで、サービスごとのセキュリティが守られるようになっている。複数のアクセス権を合成して作られる「縮退鍵」技術によって、アクセス対象が複数のデータ、サービスにわたる場合でも一回の相互認証で複数のファイルをオープンにできるわけだ。

■在庫管理にも使える
日本ではJRの「Suica」などのIC乗車券、量販店などで使われる「WAON」といった電子マネー以外にも使うことができる。
たとえば、データ認証が必要な分野だ。製品に取り付ければ、出荷から販売までをリサーチできるし、在庫管理などにも有効活用できる。マンションなどでは鍵代わりとなり、企業や大学では入退出管理に使える。商店街でポイントカードとしても導入できるわけだ。


NFCはかざすだけで高速なデータ送受信が可能であり、1つのカード・機器で複数のサービスが利用できる点、高いセキュリティを実現できる点、カード以外にも組み込める点から、さまざまな用途が考えられる。
このNFCが組み込まれたAndroid2.3は、「Suica」や「ICOCA」のような電子マネーだけでなく、電子機器同士の通信や、鍵としての使用も可能だ。NFCがAndroidの可能性を広げる強力な武器になることは間違いないだろう。

FeliCaホームページ

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