PCが過去最高の出荷台数を記録するなど、個人消費が回復傾向にあるなか、企業のIT投資も緩やかに回復基調を示すようになってきた。
IDC Japanが国内産業別 企業規模別に調査したIT支出動向の結果によると、大企業(1000人以上)の2010年IT支出額は前年比0.6%の成長に転じた。

全体でも0.3%の成長を記録しているが、小規模企業(99人以下)はマイナス0.5%、中小企業(100~499人)はマイナス0.1%、中堅企業(500~999人)はプラス0.2%と規模が大きいほど成長率が高い。

経営体力の劣る中堅中小企業は、業績が徐々に回復に向かう企業がある反面、低迷する企業も多いためで、全体としてはIT支出を抑制する傾向にある。ただし、2009年に比べるとマイナス幅がかなり縮小していて、IDCでは、景気回復に伴い2011年にはプラス成長に転じ、2012年以降に本格的な回復が見込めるとしている。

一方、2010年にプラスに転じた大企業は、2011年には前年比成長率1.4%になると見るなど、これまで延期されていたシステムの刷新、新規開発が再開されることで、プラス成長が維持されると予想している。

生き残りをかけてビジネス戦略を模索する中、新たなビジネス機会を求めて新規事業へ進出する企業も多い。一方で、新規事業への進出では、効率的な業務プロセスなど新分野での知識やノウハウが欠けている可能性がある。

多くの顧客と関係のあるITベンダーは、さまざまな産業や企業のソリューションを手掛けてきた経験、知識、ノウハウを活用するビジネス機会を持っている。

そのため、IDC Japan ITスペンディング シニアマーケットアナリストの福田 馨は「ITベンダーは新規事業に進出する企業に対し、効率的な業務プロセスや短期間での商品化を実現するソリューションの提案など新規事業発足の段階から参画するアドバイザリビジネスに注目すべきである」と分析している。

本格化する経済回復基調に乗れるかどうかは、新規事業の成功にかかってきているといえそうだ。

IDC Japan

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