2011年7月の地上アナログ放送の停波にともない、大画面テレビに買い換える人が増えているが、今、大画面テレビに繋げられる「リビングPC」と呼ばれる小型デスクトップパソコンに注目が集まっている。

スマートフォンやデジタルカメラで写真や動画を楽しめる時代となった現代、それらの映像をリビングPCにため込んで、大画面テレビにも出力して家族で楽しむことも簡単にできるようになった。また、PC用のブルーレイドライブを用意すれば、高画質の美しいブルーレイ映画をプレーヤーを購入するより安価に大画面テレビで楽しむといった使い方もできる。

そこで今回は、ギガバイトの最新マザーボード「GA-E350N-USB3」を使って、低予算で高性能なリビングPCを作ってみよう。

■PCパーツを揃えよう - 準備編
高価なPCパーツを使えば、いくらでも高性能なリビングPCを作れるが、出費も大きくなる。そこで今回は、できるだけ低予算で高性能なリビングPC作りにあえて挑戦してみた。

リビングPCを作るためには、PCパーツを揃えなければならない。パソコンを自作した人であれば、どういったPCパーツを揃えればよいのか見当がつくだろうが、確認の意味も込めてリストアップしてみよう。

・プロセッサー(CPU)
Intel Core 2 Quad以降でコア数の多いプロセッサーであれば、問題ないだろう。今ならインテルの第2世代Core iプロセッサー(Sandy Bridge)という選択肢もある。ここでは、CPUオンボードの「GA-E350N-USB3」を使用するので、わざわざ購入する必要がない。

・メモリー
2ギガバイトあれば十分だ。4ギガバイトを超えるメモリーは、64ビット版OSでなければ、使用することができないので、注意しよう。

・マザーボード
発熱が少なく、安定動作が保証されたマザーボードを選択しよう。AMD e-350 CPUはTDPが18Wなうえに、ギガバイト独自の設計基準「Ultra Durable 3 CLASSIC」を採用しているので冷却効果は抜群だ。

「Ultra Durable 3 CLASSIC」では、放熱性の高い2オンスの銅箔層を採用したうえに、日本製の耐久性固体コンデンサを使用している。さらに低電圧RDS(on)MOSFET設計によって、低発熱を実現し、システムの安定性と長寿命の両方をもたらしてくれるのだ。
発熱が少なく、安定動作が保証された、ギガバイト「GA-E350N-USB3」

・ビデオカード
「GA-E350N-USB3」は、ビデオチップ(GPU)搭載モデルなので、ビデオカードを用意しなくてもリビングPCを組み立てることができる。

・ハードディスクまたはSSD
予算に合わせて用意すれば良いが、500ギガバイトもあれば十分だろう。今回は、SSDを使用した。ちまたでは3TBのハードディスク(HDD)も登場しているが、「GA-E350N-USB3」は今後、BIOSアップデートにより3TBのHDDにも対応になるとのこと。

・光学ドライブ
ブルーレイ映画のソフトを再生するリビングPCを作りたかったので、バッファローの3D視聴対応SATA用内蔵ブルーレイドライブ「BR3D-12FBS」を選択した。ドライブ単体で販売されているバルク品に比べるとやや割高だが、ブルーレイ3Dを再生するためのソフトが付属されているため、お買い得感は十分だ。

○リビングPCのハードウェア
MB:GA-E350N-USB3
CPU:AMD E350 APU 1.6G(オンボード)
MEM:2048MB(2 x 1024 DDR3-SDRAM)(オンボード)
ストレージ:Intel X25-M SATA Solid State Drive (SSDSA2MH160G2R5)VGA:AMD Radeon HD 6310(オンボード)
電源:SST-SG05 付属 300W
OS:Windows7 Ultimate 64bit版

「GA-E350N-USB3」は、CPUとビデオチップを搭載しているため、電源ユニットがあまっているPCユーザーであれば、メモリーとハードディスク(またはSSD)、光学ドライブを揃えるだけで、リビングPCを組み上げることができるわけだ。
「GA-E350N-USB3」でくみ上げた、リビングPC

■「GA-E350N-USB3」を選択した理由
今回、リビングPCを作るうえで、「GA-E350N-USB3」を選択した理由は、単に購入しやすい価格帯のマザーボードであるだけではない。HDMIポートとドルビーシアターをサポートしているからだ。

●大画面テレビとの接続はケーブル1本 - HDMIポート
「GA-E350N-USB3」は、HDMIポートを標準で備えている。HDMIは、1本のケーブルで音声と動画の接続を可能にし、8チャンネル高品質オーディオと5Gb/sの動画帯域幅を提供することができるマルチメディア・インターフェースだ。

デジタルビデオおよびオーディオを圧縮なしで送信することができ、1080pまでのデジタルコンテンツを保証してくれる。さらにBlu-ray/HD DVDおよび、他の保護されたメディア内容の再生を許可するHDCP(高帯域デジタル・コンテンツ保護)との互換性も保持している。

●臨場感あふれるサウンド - ドルビー ホームシアター
「GA-E350N-USB3」はドルビー ホームシアター機能を備えているため、2~8台のスピーカー、もしくは1つのヘッドフォンがあれば、自動で最適な音声再生環境を設定して臨場感あふれるサラウンドサウンドを楽しむことができる。

このように、「GA-E350N-USB3」はリビングでスマートに音楽や映像を楽しむために最適な仕様となっているのだ。
USB2.0×2 / PS/2×1、D-Sub15pin / DVI-D端子、オプティカル出力 / HDMI、USB3.0×2、LAN / USB2.0×2、各種オーディオ端子を備える

■ブルーレイ映像を再生してみよう
ブルーレイ映像を再生するのは、簡単だ。ブルーレイドライブ「BR3D-12FBS」に付属の動画再生ソフト「PowerDVD 9」を起動して、ブルーレイソフトを選択するだけでよい。
ブルーレイドライブ「BR3D-12FBS」に付属の再生ソフト「PowerDVD」

「PowerDVD 9」では、オプション設定で「GA-E350N-USB3」のハードウェア機能を利用するので、ブルーレイソフトのスムーズな映像再生が行えた。これはCPUの負荷を大幅に減らしてくれるからだ。

実際に、ハードウェア機能が無効なフリーウェアを使用した場合は、CPU使用率は常に70%前後まで跳ね上がったが、「PowerDVD 9」では常に7%前後と、なんと1/10以下の負荷しかPCに掛かっていなかった。
Windows タスク マネージャーの「CPU 使用率」を見ると、「PowerDVD 9」では常に7%前後だった

「GA-E350N-USB3」は、実売1万5,000円前後という低価格なマザーボードにもかかわらず、ブルーレイ映像がスムーズに再生できた。これはCPUに統合されたビデオチップ(GPU)「Radeon HD6310」のおかげだ。

同チップはDirectX 11にも対応しているので、3Dゲームにおいても飛躍的にグラフィック性能を発揮することができる。リビングPCで3Dゲームを楽しむといった用途にも向いている。大画面テレビに繋げるリビングPCを作りたい人には、まさに打ってつけのマザーボードと言えそうだ。

「GA-E350N-USB3」製品情報

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