2010年はiPadの登場をキッカケに「電子書籍」が大きな期待と注目を集めました。ですが、期待されたAmazon、Apple、Googleといった海外のキープレーヤーの日本での電子書籍サービスは始まりませんでした。

年末にはようやくシャープ、ソニー、auがそれぞれの読書用端末とサービスをリリースしましたが、いずれも大きな話題にはなっていません。

電子書籍は一時のブームだったのでしょうか。

いえ。2010年は意識改革と下地作りの年で、今年はまた新たな展開が待っています。

今年注目のキーワードは何と言っても「EPUB」です。

■注目が高まっている「EPUB」
EPUBは欧米を中心に中国、韓国でも利用されている実質的なグローバルスタンダードな電子書籍フォーマットです。
アメリカではApple、Google、Barnes&Noble(全米2位の書店チェーン)などの大手の電子書籍サービスで採用されています。

EPUBはアメリカのIDPF(International Digital Publishing Forum)という団体によって策定されたオープン(仕様が公開されている)かつフリー(無料で利用できる)なフォーマットです。

現行の規格はEPUB2.0.1というバージョンで、今年の5月に新たな規格であるEPUB3.0が制定予定となっています。
EPUB3.0では従来のバージョンに盛り込まれていなかった日本語書籍向けの仕様(縦書き、ルビ、綴じ方向など)も追加され、グローバルスタンダードな規格で多くの日本語書籍が作成できるようになります。

さらに今年こそはAppleやGoogleの電子書籍サービスが日本でスタートするのではないかという期待もあり一層EPUBへの注目が高まっています。

今後はEPUBを中心に電子書籍関連の動向をチェックしていくのでご期待ください。


■震災に伴う漫画雑誌の無料配信
さて、今回は東日本大震災に関連したトピックを紹介します。

ひとつめはオライリー・ジャパンが3/23から26まで展開していた災害義援金キャンペーンです。これは米オライリー社のキャンペーンに歩調を合わせる形で行われたキャンペーンで、同社の電子版書籍(PDF)を通常価格の半額で販売し売上(印税、決済手数料を除く)は日本赤十字社への義援金にするという内容でした。このキャンペーンは非常に大きな反応があったようです。

ここでは本の価格を売り手が自由に設定できるという点と、書籍のコスト(紙代、印刷代、輸送代など)がかからないという点が大きなポイントと考えられます。

もうひとつは漫画雑誌の無料配信です。震災の影響による配送の混乱から週刊少年ジャンプなどの雑誌が手元に届かない(届くのが大幅に遅れている)状況が発生し、それに対応するための措置として集英社や講談社などが期間限定で行っています。これも電子媒体ならではの特徴を生かした措置と言えます。


最後に、私(林 拓也)が執筆中の書籍「作れる&売れる 電子書籍 らくらくテンプレートBOOK <EPUB対応版>」のキャンペーンが始まっています。興味がある人は、のぞいてみてください。

「作れる&売れる 電子書籍 らくらくテンプレートBOOK <EPUB対応版>」のキャンペーン
Studio HapHands
(寄稿:林 拓也)

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