パソコンのパワーユーザーの中には、自分でPCパーツを組み合わせて独自のパソコンを組み立てる強者たちがいる。「自作パソコン」と呼ばれるものだが、家電量販店やパソコン専門ショップで販売されているPCパーツの数々は、そうした自作派ユーザーに向けた製品なのだ。

自作派のユーザーは、最新のパーツや高性能なパーツに買い得ていくため、どうしても入れ替えたパーツのいくつかは残ってしまうのだ。そこで余ったPCパーツで、この際、新しいパソコンを組み上げてみるという人も少なくない。

そんなユーザーが注目しそうな面白いマザーボードGIGABYTE「GA-PA65-UD3-B3」が発売された。「GA-PA65-UD3-B3」もどこがユニークなのかというと、「SandyBridge」と呼ばれるIntelの最新CPUに対応したマザーボードをはじめとする最近の製品は、ビデオ機能を内蔵しているのが主流となっている。

しかし、「GA-PA65-UD3-B3」はグラフィックス機能を搭載しない代わりに、ビデオカードなどの拡張機器を装着できるPCIスロットが4本も備えているのだ。つまり、この製品を使えば、あまっているビデオカードを有効活用して、最新のSandyBridgeパソコンを組み上げることができるというわけだ。

そこで今回は、「GA-PA65-UD3-B3」がどんな機能を備え、どれほどのパフォーマンスがあるのか。その実力を探ってみよう。

■「GA-PA65-UD3-B3」を支える7つの機能
「GA-PA65-UD3-B3」は、Sandy Bridge LGA1155対応のH61チップセットのマザーボードだ。Sandy Bridge対応マザーボードには、PCIスロットの数が少ない製品もある中、本製品はPCIスロット×4本を備えているので、拡張性が高い。

最大の魅力は、実売価格1万円前後の購入しやすい価格のマザーボードでありながら、GIGABYTEの最新技術を惜しみもなく投入している点だ。「GA-PA65-UD3-B3」には、高品質マザーボードには欠かせない7つの機能が採用されている。

●超低温動作の「低電圧RDS(on) MOSFET」
GIGABYTEは、CPUのVRM周辺に最高品質の部品を用いる重要性にいち早く着目したメーカーだ。低電圧RDS(on) MOSFETは、従来のMOSFETに比べて低温で動作する。

写真を見れば一目瞭然だが、非常に薄型でコンパクトな形状となっている。
低電圧RDS(on) MOSFETは、非常に薄型でコンパクトな形状だ


●高電源効率「フェライトコアチョーク」
チョークとは、電流を整え、電力を蓄える役割をもつ「誘導子」のことだ。フェライトコアチョークは、下記のグラフからわかるとおり、従来の鉄製チョークに比べてさびにくく、電源効率も高いものとなっている。
フェライトコアチョークの電源効率


●S/N比108dBのオーディオ再生「ハイクオリティ音質」
現在、ほとんどのマザーボードでBlue-ray HDの再生が可能だが、すべてのマザーボードがHDオーディオ再生に対応というわけではない。

GIGABYTEは、HDオーディオ再生機能対応がスタンダードになるべきだと考えており、2011年、GIGABYTE製のマザーボードが順次Blu-rayオーディオ再生の基準を満たすべく、対応オーディオコーデックの採用を決定した。

S/N比が高ければ高いほど信号に対するノイズの量が少ない。本製品は、信号対雑音比(S/N比)108dBの優れた再生品質を実現し、Blu-rayのハイクオリティ音質を存分に楽しむことができる。
S/N比108dBのオーディオ再生「ハイクオリティ音質」


●超耐久性を実現した「日本製コンデンサ」
本製品は、最先端の日本製固体コンデンサを採用している。寿命5万時間を誇る固体コンデンサは、安定性・信頼性・長寿命という強みがあり、ハイエンドCPUの電源供給を満たし、容量の重いゲームやアプリを楽しむのに大変適している。
日本製コンデンサと駆動時間

※85度の温度で50,000時間稼働した場合の計算となる

●安定したパワーフェーズ設計「4フェーズCPUパワーデザイン」
GIGABYTEは、CPUのVRM周辺を強化すべく、普及価格帯向けのチップセットを搭載したモデルでも4フェーズデザインに切り替えた。

これにより、CPUに更に安定した電源供給ができるだけではなく、リプルやノイズを抑制する設計により、CPUへ安定した電源供給が可能。また平均30度も発熱量を抑えることに成功している。
左が4フェーズ時、右が3フェーズ時のCPUまわりの発熱


●信頼性が違う「デュアルBIOS」
パソコンの電源をオンにすると、BIOSが起動してOSが立ち上がる。このBIOSがコンピューターウィルスの侵害やROMに書き込まれたデータもしくは物理的損害で破損してしまうと、パソコンが使えなくなってしまう。そういう事態を2重に保護する機能が「デュアルBIOS」だ。

マザーボードをよく見ると、「Main BIOS」と「Back up BIOS」という2つのチップがある。2つのBIOSを搭載する利点としては、メインBIOSが故障した場合でも、自動的にメインBIOSを保護してくれることだ。また、1パーテーション3TB以上のハードディスクからの起動が可能だ。
信頼性が違う「デュアルBIOS」


●高速充電できる「3倍USB電源」
iPhoneやAndorid端末などのスマートフォンを使っている人の中には、パソコンのUSBポートを使って端末を充電している人も多いだろう。

充電は時間の掛かるものだが、本製品はUSBポートからUSBデバイスに供給する電力を従来の500mAから3倍の1500mAにパワーアップしているので、短時間で充電することができる。
それだけではなく、以前はミドルレンジ以上の製品に採用されていたON/OFF Chargeポートが、普及価格帯のGA-PA65-UD3-B3にも搭載されたのだ。ON/OFF Chargeポートとは、PCの電源が切れていてもデバイスを繋げれば充電ができる便利なUSBポートだ。

また、転送速度がUSB2.0の約10倍であるUSB3.0のフロント用ポートも搭載。このようにUSBデバイスとの互換性がグンと良くなり、スマートフォンのデータをすばやくPCに移したい場合や、速く充電を済ませたいときに役立つだろう。
高速充電できる「3倍USB電源」


「GA-PA65-UD3-B3」は、GIGABYTEのマザーボードとしては求めやすい価格だが、ハイエンドマザーボードに採用されている数々の技術を惜しげもなく投入した点で、さらにお買い得感がある。Sandy Bridge CPUを使って高速パソコンをもう一台作りたい人には、候補のひとつとして入れておきたい製品と言えるだろう。

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