ビジネスのメールはパソコンで送受信し、緊急連絡用にiPhoneのメールを併用するというユーザーも多いだろう。ただ、iPhoneではメールは細かくフォルダー分けできない。そして、初期設定の表示は50件までなので、さかのぼって読むことが難しい。

実は、iPhoneのEメール(i)はパソコンのメールソフトでも送受信できる。パソコン上で管理すれば、こうした問題を解決して、効率よく情報整理できるようになる。

■知っ得 No.0193 iPhoneのメールをThunderbirdで読めるようにする
iPhoneでは、「○×△i.softbank」がアドレスとなる標準の「Eメール(i)」以外に、Gメールや、ビジネスで使う企業サーバーのメールアカウントを設定することも可能だ。筆者の場合、会社のメールアドレスに届くメールは件数が多く、添付ファイルを利用することもありがちなので、基本的にパソコンで開くようにしている。そして、iPhoneでは「Eメール(i)」をメインとし、急ぎの連絡先として使用している。

たとえ、使い方が限定的だとしても、Eメール(i)の内容をさかのぼって見たいことがある。たとえば、「打ち合わせの場所として指定しされたのはどこだっけ?」「この件の担当者は誰だったかな?」などの場合だ。そんなとき、iPhoneではメールを細かくフォルダーに分類できないので、過去のメールを見つけ出しづらい。また、初期設定では50件までの表示なので、少し前のメールが出てこないこともある。

実は、「Eメール(i)」のメールは、パソコンのメールソフトでも送受信が可能だ。メールソフトの機能を使えば、差出人や見出しの情報から、メールを分類することもできる。ここでは、利用者の多いThunderbirdを例に、メールアカウントの登録方法と分類方法を見てみよう。

●ThunderbirdにEメール(i)のアカウントを設定する
最新版のThunderbird3.1を例に、アカウントの設定方法を見てみよう。実は、設定方法はきわめて簡単で、メールアドレスとパスワードさえ入力すれば完了し(画面1~画面3)、ただちにメールの送受信ができるようになる(画面4)。

画面1 Thunderbirdのドロップダウンメニューから、[ツール-アカウント設定]を選択。[アカウント設定]ダイアログボックスが開いたら、[アカウント操作]をクリックして、[メールアカウントを追加]を選択する。

画面2 [あなたの名前]は、受信者に表示される名前なので、適当でかまわない。[メールアドレス][パスワード]には、iPhoneのメール受信時に使用するものを入れておこう。[続ける]をクリックする。

画面3 受信サーバー、送信サーバーなどの情報が自動で設定されるので、[アカウント設定]をクリックするだけで、設定は完了する。

画面4 登録したアカウントが表示され、メールの受信がはじまる。


なお、メールアカウントの設定内容は以下のようになっている。他のメールソフトを使用している場合には、これを参考に設定してほしい。

受信サーバー
・受信メールサーバーの種類:IMAP
・ホスト名:imap.softbank.jp
・ポート:993
・SSLを使用

送信サーバー
・ホスト名:smtp.softbank.jp
・ポート:465
・SSLを使用
・認証が必要

●差出人や見出しの情報から分類する
パソコンのメールソフトでiPhoneのEメール(i)を受信できるようになったら、さっそく振り分け機能を使って、メールをフォルダーに分類しよう。差出人の名前や会社名で分類したり、件名に入っているプロジェクト名で分類したりしておくと、あとから目的のメールを見つけやすくなる。

まずは、分類用の新しいフォルダーを用意しておく(画面5、画面6)。続いて、メールを分類するためのフィルタを作って、登録する(画面7~画面9)。ここでは、差出人に含まれる情報から、特定の会社より届いたメールのみを分類する方法を見てみよう。
画面5 ここでは、分類用のフォルダーを受信トレイ内に作成する。[受信トレイ]を右クリックして、[新しいフォルダ]を選択。

画面6 新しいフォルダーの[名前]を入力したら、[フォルダを作成]をクリックする。

画面7 Thunderbirdのドロップダウンメニューから、[ツール-メッセージフィルタ]を選択し、[メッセージフィルタ]ダイアログボックスで[新規]をクリック。[フィルタ名]にわかりやすい名前を付けたら、[差出人][に次を含む]を選択し、差出人のメールアドレスに含まれる会社名などを設定する。実行する操作として、[メッセージを移動する]を選び、先ほど作成したフォルダーを指定したら、[OK]をクリックする。

画面8 [メッセージフィルタ]ダイアログボックスで[今すぐ実行]をクリックすると、設定したフィルタによる分類をすぐに実行できる。

画面9 メールの分類が完了した。これで目的のメールを見つけやすくなる。以降は、メールの受信と同時に分類が実行される。


メールソフトによって、振り分けの方法や条件は異なるので、それぞれに応じた設定を行おう。なお、Windows Live メールやOutlook Expressの場合、IMAPメールの自動振り分けができない。あらかじめ分類用のフォルダーを用意しておき、手動で振り分けすることになる。

パソコンのメールソフトでiPhoneのEメール(i)を保管しておくと、効率よく分類できるし、万が一のバックアップとしても活用できる。また、送信も可能なので、ちょっと長めの返信を書きたいときにも、パソコンのキーボードを使ってスムーズに文字入力できる。iPhoneのEメール(i)が、サブメールアカウントとして、より積極的に活用できるようになる。

編集部:池田利夫+岡本奈知子(ジャムハウス)
制作編集:エヌプラス
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