東日本大震災への取り組みを始め、サービスの提供や市場調査を行っている野村総合研究所が、スマートテレビの利用意向について調査している。インターネット上の映像コンテンツの視聴は、その約半数がテレビ経由になるとの結果が出てきた。
スマートテレビとは、インターネット経由で動画コンテンツが見られ、スマートフォンのようにゲームなどのアプリが楽しめるテレビのこと。野村総合研究所ではインターネット経由で動画が見られるテレビ、セットトップボックスなどはインターネットテレビに分類している。

テレビを経由でインターネット上の映像コンテンツを利用している世帯は2010年度で410万世帯とのこと。今後、インターネット接続したテレビの増加やスマートテレビが普及することで、テレビでのネット利用率が増加し、2016年度には1532万世帯まで拡大するとしている。その約半数の770万世帯がスマートテレビを利用するとの予測だ。

スマートテレビの利用意向が高い回答者は、利用意向の低い回答者と比べて、映像の総視聴時間が20%程度長い。このため、利用意向の高いユーザーはヘビーユーザーと考えられる。

2011年6月時点では、テレビ画面でインターネット上の映像コンテンツを視聴できる各種サービスの利用者の割合が回答者全体の数%と非常に少ない。しかし、「無料動画配信・無料動画共有サイト」では19%、「公開済みの映画の有料動画配信」では10%のユーザーが、テレビ経由でサービスを利用したいと答えている。
つまり、これまでネット上の映像コンテンツは、本当はテレビでも利用したかったのだが、利便性の低いテレビでの視聴を断念して、PC経由で視聴していたと想定できるのだ。これらのユーザーは、高い処理能力を持ち、テレビ向けのアプリケーションが利用できるスマートテレビを手に入れることで、テレビ経由でネット上の映像コンテンツを視聴する可能性が高くなると予測できる。
ネット上の映像コンテンツに限ると、総視聴時間のうち、インターネットテレビとスマートテレビをあわせると、視聴が2010年度の14%から2016年度には46%まで拡大することが見込まれているのだ。

今後、スマートテレビの普及にともない、通信事業者などによるテレビ・映像視聴市場への参入、逆に放送事業者によるネット上の映像コンテンツ市場への参入拡大が考えられる。このように、PCとテレビの壁を超えた競争が起きることで、テレビの新たな波が引き起こることが十分考えられるのだ。

野村総合研究所

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