2011年第1四半期は、東日本大震災の影響がありマイナス成長となったパソコン市場だが、第2四半期は一転して、家庭市場、ビジネス市場ともにプラスとなった。
IT専門調査会社IDC Japanによると、ビジネス市場は震災の影響が残ったものの企業の需要が回復し、前年同期比2.4%増の174万台、家庭市場はPCの単価が下がることで需要が刺激された結果、前年同期比3.4%増の203万台と、全体で2.9%増で376万台を記録した。

シェア4位は、デルを抜いたHPとなったものの、HPとデルの差は0.3%と拮抗している。上位3位は変わらずNEC、富士通、東芝という順になった。

HPは、シェア9.8%と、デルの9.5%を抜き4位に浮上した。前年同期比12.4%増の2桁成長を達成したのだが、ビジネス向けでは大企業への出荷が堅調に推移し、家庭向けではポータブルPCの出荷が伸びたことが要因だ。

NECは、シェアが17.4%で1位となった。ビジネス向けを見ると教育市場で落ち込んだものの中堅中小企業の需要が堅調なことで、昨年と同等の出荷台数を確保した。家庭向けでは価格攻勢によってプライスリーダー的な役割を果たすことで、出荷台数を伸ばしたのだ。

富士通は、シェア17.1%と惜しくも2位に甘んじた。ビジネス向けでは中堅中小企業の需要が堅調だったが、大企業/公官庁/教育市場で落ち込んだため、昨年より若干落ち込んだ。家庭向けではデスクトップPCの出荷が寄与してプラス成長となり、全体で前年同期比0.4%増の若干のプラス成長を記録した。

東芝は、シェア12.1%で3位という結果だった。前年同期比15.5%増と二桁成長となり、上位5社の中で唯一2期連続のプラス成長となっている。ビジネス向けでは大企業への出荷が堅調に推移し、家庭向けではポータブルPCの出荷が伸びたためだ。

このように2011年第2四半期は震災の影響が終息したことで堅調に推移したもの、第1四半期の落ち込みもあり、上半期全体を見ると約39万台下振れをしたと考えられる。
第3四半期以降は、7月のアナログ放送終了によるテレビの書き込み需要と合わせて、地デジチューナー内蔵PCの需要喚起が期待できる。そのため家庭向けでは出荷台数が4.1%増になる見通しだ。ただしビジネス市場は欧米経済の悪化による円高が進むことで、企業の支出が抑えられるため、PCの需要へ悪影響を与えそうだ。このため、出荷台数の前年同期比成長率は0.9%増にとどまるとIDCは予測している。

IDC Japan

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