おサイフケータイを除いても、2010年での累計発行枚数が約2億枚に達するなど、すでに1人1枚以上を保有していることになるほど普及している電子マネー戦争が、舞台を次のステージへ移そうとしている。OS自体は、Android 2.3で近距離通信に対応したのだが、Edyは2011年1月、それ以前のOSでも使えるおサイフケータイに対応した「Android Edyアプリ」を提供したのだ。

その後のEdy VS Suicaを追ってみよう。

■Twitterを巻き込んでサービスを開始したEdy
2011年1月31日に先陣を切った「Android Edyアプリ」は、従来の携帯電話と同様に、アプリ上で残高履歴や利用履歴(最大6件)を閲覧できた。これに加えて、新機能として、スマートフォンのホーム画面で残高が表示されるウィジェット機能を追加したのだ。999円以下になると「そろそろチャージ」マークが自動的に表示され、ワンタッチでチャージ画面に切り替えることも可能となっていた。
さらに、Edyの新着情報やキャンペーン情報をアプリ上から閲覧できる機能のほか、TwitterやFacebookにも連動した。Twitterでは、利用履歴ごとにショッピングの情報を友人や知人などに共有できるようになっていたのだ。

■「Edyオートチャージ」でさらに差を広げる
4月18日には「Android Edyアプリ」の新機能として、オンラインで自動的にチャージする「Edyオートチャージ」のサービスを開始した。「Android Edyアプリ」限定のサービスで1時間1回、Edyの残高をチェックして、設定額以下の場合はオンラインで自動的にチャージしてくれたのだ。事前にクレジットカード情報とオートチャージ金額(下限額、チャージ額、1日の限度額)を設定するだけという簡単なものだった。
あわせて、携帯電話では提供していた「Edyの受取り(Edyギフト)」「Edyお預け機能」も利用可能となったのだ。

■グリーなどへ広がっていくEdy
6月2日、SNS「GREE」でEdy決済を開始した。当初は従来の携帯電話から対応を開始したのだが、Androidスマートフォンへも順次対応することを表明したのだ。このように、使えるサービスの幅が広がっていくことを感じさせることとなったのだ。
先行しているEdyがSuicaとの間でアドバンテージを広げるかのように、矢継ぎ早にサービスを発表したのだ。

■ついにSuicaがサービスを開始
7月23日、JR東日本(東日本旅客鉄道)が、Androidスマートフォン向けに「モバイルSuica」のサービスを開始した。電子マネーの入金、履歴表示、ネットショッピングでの支払い、ビューカードによるオートチャージといった従来のサービスにとどまらず、ウィジェットによる残額確認にも対応した。交通系サービスでは、定期券、モバイルSuica特急券、Suicaグリーン券に加え、JR東海(東海旅客鉄道)のエクスプレス予約(EX-ICサービス)も提供したのだ。
銀行からのチャージこそ間に合わなかったが、ほぼフルサービスで開始したのだ。

■Edyがネット決済で反撃
8月17日、ビットワレットがAndroidスマートフォン向けに「Mobile Edy」の提供を開始した。これで、スマートフォンのEdyでインターネット決済ができるようになったのだ。
交通系をベースとしたSuicaと違い、Edyはインターネット分野で強みを持つ。楽天市場などインターネットショッピングをはじめとする1万サイト以上で食品や音楽、動画、電子書籍などを購入できるのだが、これがスマートフォンにも対応したのだ。

このように、まさにEdyの本領を発揮するネット決済を開始したことで、サービスを開始したばかりのSuicaの追い上げから逃げ切ろうとしているようだ。携帯電話で繰り広げられてきた電子マネー戦争だったが、これからはユーザーの動向とあわせるようにスマートフォンへ主戦場となりそうだ。

ビットワレット
JR東日本:Suica

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