iPhoneアプリ開発講座「レインボーアップススクール」は、2009年の年末に開始して1年半あまりで、受講生は1000名を超えた。東京では現在、16期生を募集しており、札幌・仙台・横浜・京都・大阪・福岡でも開催されるようになった。

iPhoneアプリの市場拡大とともに成長したクリエイターネットワークの歴史を、トレンドの変遷とともに振り返ろう。

■iPhoneアプリがめずらしかった2010年初頭
2010年初頭、iPhoneアプリの開発は個人ばかりで、まだまだIT業界からの参入企業が少なかった。スクールでは、「モバイル業界のトップ集団に仲間入りしておめでとう」というのが初めの挨拶になっていたほどだ。

受講生は、「うちの会社がなかなかiPhoneやらなくて」という方もいれば、モバイルビジネスも知らずに「一攫千金を狙ってやってきた」という業界外のプログラミング初心者がかなりいた。

というのも、当時、テレビや雑誌の取材が非常に多かった。iPhoneアプリを作ること自体がファッションであり、クールな時代だったのかもしれない。特に3期生は取材がよく入り、そこで自作アプリを宣伝する機会を得た受講生も多かった。

スクールを運営する身としては、素人でも短期間で効果的にマスターできる方法について、さんざん検討したあげく、毎回そのコマ内で実際に動くサンプルアプリを作るという方針にした。

「Hello World」や、C言語の基礎のキから教えるようなスクールビジネス群と違い、当時としては画期的な手法だったが、その後、似たような講座が多くできあがったので、我々の採った方法は間違いではなかったようだ。

■受講者同士のつながりが重要
スクールで、もう一つ功を奏したのは、受講生同士のネットワークだ。
20万人あまりの開発者が個々に戦っているiOSアプリの世界で、効率よく戦い抜くのは「横のつながり」と考えた。幸い受講生同士の勉強会や合宿も開かれるようになり、私たちも勉強会や懇親会、ブレスト大会などを繰り返した。

秋には番外編としてシリコンバレーツアーも敢行し、IT業界の著名起業家たちと実践の場を探訪した。

こういうつながりの中で、卒業後にアプリを完成した方も多く、また、完成後にメーリングリストで販売開始報告というプロモーションも一般化した。

有料アプリで1位を取った1期生の「カロリー管理」や3期生の「SM診断」では、1位を取るまで、カウントダウンの投稿が相次ぎ盛り上がった。メーリングリスト以外のプロモーション方法としては、Apple銀座店でのアプリ自慢イベントも定期的に行うようになった。

しかし私たちは、プログラムスキルだけだと足りないと感じ、ブレイクタイム講座というビジネス面での講座にも注力した。特別講師として、コニットの橋本氏、アップバンクの村井氏、トイカメラ開発者の深津氏、アプリヤの椎谷氏を招いた。こうして、2010年の夏頃から年明けにかけて、ランキング上位アプリが連発できるようになった。

■大手企業も参入してきた2011年
2010年の最後の授業に訪れたアップバンクの村井氏が、大手ゲームメーカーの台頭に危機感を持ちながらも、個人ディベロッパーのパワーに対し大きな期待を寄せていたのが印象的だった。

2011年になると、わが社員にも受けさせたいと企業から送り込まれた受講生が増えてくる。もうケータイのスマートフォン化は待ったなしの状況になってきており、IT企業のスマートフォン参入が相次いだ時期だった。

iPhoneアプリのランキングは、一発屋的なものが以前より流行らなくなり、ビジネスモデルとクリエイティブの両面がきちんとケアされていないと、ビジネス的にもおいしくないものになってきた。

特に震災後は、大手IT企業による大きな波が押し寄せて来て、個人が戦えなくなったという危機は、以前のコラムに書いた通りだ。それでもレインボーアップススクールのネットワークには、まだまだ戦える要素があると思っている。

まず第一点は、このネットワークの中に、IT業界人がたくさん配合されてきたことである。強い者たちとのコラボをすることで十分に戦えるというわけだ。

もう一つは、2009年を振り返ることで、答えがでてくるようだ。当時、本当のアーリーアダプターの開発者たちは、技術的に格段にも上だった。しかしながら、去年に遅れて参入してきたサンデープログラマーたちが、開発スクールや開発本などを駆使して、十分に戦えたのである。開発ノウハウが体系化された後だからできた世界がそこにはあった。

であれば、同じことをやればいい。何を駆使して戦うかということだけシフトチェンジすればいいのだから。

そして、以前と今も変わらないことは、まだ諦めていない1000人のネットワークがあるということだ。私たちも引き続き、彼らに知恵を与え、ビジネスチャンスを与えることに注力していきたい。

マスメディアが一攫千金をあおらなくなってきた今こそ、本当の勝負時なのである。
最近は、「iOSの3年間という歴史の集大成の上に立てるのは後発組の特権だ」とスクールの冒頭で言うようにしている。

トップスピードのノウハウと、分厚いネットワークで、果実を効率的に取りまくりたい方は、ぜひレインボーズへのトビラをノックして欲しい。1000人の先輩たちがあなたを快く迎えてくれるだろう。

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