国内でも最大規模の写真展でもある国際アートイベント「Tokyo Photo 2011」が2011年9月23日~25日、東京ミッドタウンで開催された。「Tokyo Photo 2011」は、今年で三回目を迎える写真作品の国際アートイベントだ。イベントには、国内外有数のギャラリーが集まり、写真作品の展示や販売を行う。写真の見本市としてはアジア最大級であり、今回は世界各国から500点以上の写真作品が集まった。

写真は、現代アートでは注目されている分野でもあり、海外では、写真作品を所蔵するコレクターが多く存在するほど市場も活発化している。そうした市場で、日本の作家の作品は高い評価を受けており、中国を初めとしてアジア諸国からのコレクターも多数来場している。「Tokyo Photo」は、毎年3月にニューヨークで行われるAIPAD、11月にパリで開催されるPARIS PHOTOと連動し、国際的な市場を日本に誕生させることも大きな目的としている。初めての開催となったTOKYO PHOTO 2009は、アートフェアという枠を超えた新しいアートイベントとして、国内外で高い評価を受けた。

取材で訪れた9月23日はイベントの初日の内覧会ながら、シルバー連休後半となる金曜の夜ということもあり、招待の入場者が長蛇の列をつくるほどの盛況ぶりだった。入場するまで約30分もかかるなど、昨年以上の人気だ。

Tokyo Photo 2011のオープニングには、写真家の篠山紀信氏がゲストとして駆けつけた。

オープニングには、写真家の篠山紀信氏がゲストとして駆けつけた。

今回レポートするのは、独自の企画展で国内外で評価が高まっている東京 銀座にあるリコーフォトギャラリーRING CUBEの出展ブースだ。

今年のリコーフォトギャラリーRING CUBEの出展は「記憶の桜」。
花の中でも桜に重ねる日本人の思いはどこか特別なものだ。桜へのイメージは人それぞれ違うが、「記憶の桜」では、複数の写真家の感性が写真作品として切り取った、我々が気づかない新たな「桜」を垣間見せてくれる展示となっている。

■日本人の心を揺さぶる桜
「記憶の桜」が東京ミッドタウンのデジタルサイネージに登場

リコーフォトギャラリーRING CUBEは、今年4月にRING CUBEで写真展を開催後、5月にアメリカで開催された国際的写真イベント「New York Photo Festival 2011」に展示した、写真展「記憶の桜」の作品を出展した。

「記憶の桜」のエントランスには、人の動きに合わせて桜の花びらが舞い散る、緒方壽人氏の制作したタイトル画像。ブースの前を通るだけで映像が動くパフォーマンスに、行き交う来場者は驚きを隠せない人も多かった。ブース内の作品を見る前から期待が膨らむ展示だ。
人の動きに合わせて桜の花びらが舞い散る、緒方壽人氏の作品

「記憶の桜」に出展した作家は、大和田良氏、五島健司氏、武井伸吾氏、丹地保尭氏、テラウチマサト氏、楢橋朝子氏、ハスイモトヒコ氏、三好耕三氏、森山大道氏(五十音順)の9名。それぞれの独自の世界観で、個性あふれる桜の作品だ。
「記憶の桜」を展示したRING CUBEのブース

2005年にスイス、エリゼ美術館による「明日の有望写真家50人」に選出された大和田氏は、新宿で撮影した「AKURA"fromseries″WorldofROUND"」など2点を出展した。
大和田良氏の出展作品

企業カレンダー、コマーシャル、雑誌等に作品を数多く提供している五島氏は山形を写した「霧の中」など5点を、星景写真(星空のある風景写真)を中心に撮影している武井氏は「夢見る桜」を出展した。
五島健司氏の出展作品

武井伸吾氏の出展作品

国際カレンダー展(ドイツ・シュツットガルト)にて銅賞受賞した丹地氏は「朝陽桜」など4点、ポートレイトでこれまで6000人以上の著名人を撮影しているテラウチ氏は「雪桜」など7点を出展した。
丹地保尭新氏の出展作品

テラウチマサト氏の出展作品

数多くの個展を開催してきた楢橋氏は「fromtheseries”halfawakeandhalfasleepinthewater"Ueno,2003」など7点、広告、ファッション、ポートレイトの撮影などをしているハスイ氏は「ohanami」など3点を出展した。
楢橋朝子氏の出展作品

ハスイモトヒコ氏の出展作品

現在日本大学芸術学部写真学科講師をしている三好氏は「中山」など2点を出展していた。そして、日本のみならず、海外でも高く評価されている森山氏は「高遠の桜」など6点を展示した。
三好耕三氏の出展作品

森山大道氏の出展作品

「記憶の桜」の展示ブース内には、リコーGR DIGITALの限定モデルの展示コーナーも設置されていた。発表されたばかりの「GR DIGITAL IV」と、その全世界限定1万台となるカラーバージョン「GR DIGITAL IV ホワイトエディション」も展示されており、足を止めて限定モデルを見入る来場者も多かった。
全世界限定1万台となるカラーバージョン「GR DIGITAL IV ホワイトエディション」

「記憶の桜」は、日本人の心を揺さぶる「桜」をテーマとしていることもあり、作品の前で足を止めゆっくりと眺める来場者も多く、改めて日本と桜の深い結びつきを実感できた。

New York Photo Festival 凱旋展「記憶の桜」 by RING CUBE
出展作家: 大和田良、五島健司、武井伸吾、丹地保尭、テラウチマサト、楢橋朝子、ハスイモトヒコ、三好耕三、森山大道(敬称略、五十音順)
期間:2011年9月22日(木)内覧会、2011年9月23日(金・祝)~9月25日(日)一般公開
会場:東京ミッドタウンホールA
開催時間:23日/24日:11:00~20:00、25日:11:00-18:00(最終入場は閉会の30分前)
入場料:当日:1300円、前売:1000円、学割:1100円

リコーフォトギャラリー「RING CUBE」
Tokyo Photo 2011

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