NECは、ベクトル型スーパーコンピュータ「SXシリーズ」の次世代モデルの製品化に向けて開発を開始したことを発表した。

ベクトル型スパコンは、汎用CPUを多数搭載するスカラー型に比べ、大規模データの超高速計算に優れており、気象予報や地球環境シミュレーション、流体解析、さらには新素材の研究開発などの分野で高い性能を発揮する。

NECのベクトル型スパコン「SXシリーズ」は、これらの領域において国内外から高い評価を得ており、全世界で累計1,400台を上回る販売実績を有している。

NECがこのたび開発を開始した次世代モデルは、現行機「SX-9」の後継機であり、世界トップクラスの省エネスパコンを目指す。

また、演算性能のさらなる高速化と省スペース化も追求し、より短時間で精度の高い大規模シミュレーションと設置スペース削減を実現します。製品化は2013年~2014年を予定している。

主な特長は、次のとおり。
1. 世界トップクラスの省電力と省スペース
CPU(演算処理部)、ネットワーク制御部、I/O(周辺)制御部の全機能を1チップに集約したオールインワン・プロセッサを開発し、現行機と比べ性能あたり消費電力1/10を目指す。また設計の最適化などにより、設置面積を現行機比1/5に削減することを目標にしている。

2. 新世代CPUアーキテクチャ
オールインワン・プロセッサ化にあたり、CPUチップの内部アーキテクチャを刷新。SXシリーズとして初めて複数のCPUコアを1チップに集積するマルチコアCPUチップを実現。CPUコア間の通信時間・同期処理時間を短縮し、並列処理性能の更なる向上を目指す。

また、CPUコア部についてもベクトル演算器数を従来の2倍とし、同時に実行できる演算数を増加させる。さらにSX-9で搭載したソフトウェアから制御可能なキャッシュ機構を強化し、より使い易く高性能を引き出せるCPUコアの実現を目指す。

3.さらなるアプリケーション実行性能の向上
最先端プロセスの採用や演算処理部の最適化設計を行うことで、世界トップクラスのCPUコア性能64GFLOPS(ギガフロップス:1秒間に10億回の演算性能)の実現を目指す。

さらに実効性能(アプリケーションの実行性能)向上に重要な役割を果たすメモリ性能(メモリバンド幅:CPUとメモリ間のデータ転送速度)も世界トップクラスのCPUコア当たり64GB(ギガバイト)/秒にする計画。これらの強化を通じて、幅広いアプケーションでより速く精度の高いシミュレーションを実現する。

今回のマシンを活用することで、より精度の高い台風進路予測や局所的な気象予測、さらには津波や地震波データ解析などのシミュレーションを消費電力を抑え、高速に実行することが期待できる。

NECは、当マシンを国内および欧州を中心とする海外の大学や研究機関、企業などに積極的に拡販する。同社は国内および欧州(ドイツ)において、専任プロジェクトチームを立ち上げ、ユーザーへの紹介を開始した。


NECは、今後もベクトル型スパコンを継続強化し、「人と地球にやさしい情報社会」の実現に貢献していくとしている。

次世代ベクトル型スーパコンピュータの製品化について - リリース
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