前回の記事で家庭用ビデオカメラで3Dムービー用の映像を撮影する方法をご紹介した。今回は、その映像データを利用して、ビデオ編集ソフトを利用して、3Dムービーを仕上げる方法について解説しよう。

■ビデオ編集ソフトを用意する
現在市販されている1万円前後のビデオ編集ソフトは、3Dムービーを作成できる機能を備えたタイプが多い。Corelの『VideoStudio X4』や、サイバーリンクの『PowerDirector 10』などだが、これらのソフトは、2D映像を3D映像に変換する、疑似3Dムービー作成機能はあるが、右目用と左目用の映像から3Dムービーを作成する機能を備えているわけではない。現在、この機能を備えているのが、ソニーの『VEGAS Movie Studio HD Platium 11』(以下「Movie Studio HD」と省略)だ。

Movie Studio HDの新機能の「ステレオスコピック 3D」、いわゆる立体視映像作成機能を利用すると、左目用、左目用に撮影した2つの映像を利用し、3Dムービーが作成できる。

今回は、このMovie Studio HDを利用して3Dムービーを作成するポイントを紹介しよう。

■プロジェクトの設定
基本は、まず2D用のプロジェクトを3D対応に設定変更することだ。設定は、プロジェクトのプロパティで行う。プロパティパネルには「ステレオスコピック3Dモード」オプションがあるので、ここでこれから作成する3Dムービーのタイプを選択する。
「サイドバイサイド(ハーフ)」を選択したところ

■ムービーの配置とペア化
プロジェクトの準備ができたら、ビデオトラックにムービークリップを配置する。このとき、「ビデオ」トラックには、右目用に撮影したクリップを配置し、その上の「ビデオオーバーレイ」トラックに左目用のクリップを配置する
ビデオトラックに、右目用、左目用のクリップを配置する

トラックにクリップを配置すると、プレビューには設定した3Dモードで映像が表示されている

次に、トラックに配置したクリップを「ペア化」して、1つのクリップとしてマージする。トラックに配置した2つのクリップを選択してどちらかのクリップ上で右クリックし、表示された右クリックメニューから「ステレオスコピック3Dサブクリップとしてペア化」を選択する。これで、クリップが1つにペア化される。

ペア化されたクリップ

■3Dムービーの完成
クリップのペア化が終了したら、動画ファイルとしてハードディスク上に出力すれば、3Dムービーの完成だ。また、Movie Studio HDからYouTubeにもダイレクトにアップロードできる。このとき、プロジェクトが3Dの場合は、YouTubeの3D用データとしてアップロードされる。したがって、簡単に3Dムービーを公開できるわけだ。
YouTubeの3D用データとしてアップロードできる

また、クリップに対して詳細なパラメータ設定ができるので、奥行きの調整などによって見やすい3Dムービーに仕上げることも可能だ。

なお、完成した3Dムービーは、以前紹介した3Dムービー対応のモニターなどを利用すれば、3D映像を楽しむことができる。
完成した「サイドバイサイド」タイプの3Dムービー

「Vegas Movie Studio HD Platium 11」製品情報

阿部信行 @ramunepapa [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。


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