「quanp」(クオンプ)は、リコーによる国産のストレージサービス。まだ認知度が高いとは言い難いが、日本市場に適した機能が多いのが最大の特徴だ。

■機能豊富な国産サービス
quanpでは、トライアルコースとして、無料で1GBまでのスペースが利用できる。それ以上は有料で、最大容量は100GB。

主な機能は、クラウドへのファイルのアップロード/ダウンロード(自動機能あり)、保存画像によるスライドショー、フォトプリント。また、MS Office向けのアドオンも提供されている(Windows版のみ)。

自動アップロードは、フォルダ(quanpではプレイスと呼ぶ)ごとに設定でき、拡張子による選択や同名ファイルを上書きするかどうかなど、細かな設定ができる。標準では15分ごとにアップされ、設定を変えればリアルタイムでも可能だ。

■ファイル送信機能も充実
日本では、DTP利用者を中心に、「宅ファイル便」(エルネット)、「firestorage」(ロジックファクトリー)などのファイル送信サービスの利用者が多い。これらは、期間と容量を限定したクラウド型ストレージサービスといえるものだ。海外産のサービスをこの目的に使おうとすると、共有機能を使えばよいとはいえ、保存期間などのオプションが少なく、今一つ使い勝手がよくない。

quanpでは、このファイル送信サービスが使える。トライアルコースの場合、1回あたりのファイル容量は100MBまでだが、ファイル数は10、送信相手は10人まで可能。有料コースだと、1回あたり最大1GB、ファイル数30、20人まで送れる。

むろん共有機能もある。トライアルコースでは有効期間は30日で、有料コースの場合は100日。後者では、ゲスト、メンバーと相手をランクづけして招待できる。

このあたりは、国内ユーザーを意識した、きめ細かなサービスと言える。

■「ガラケー」にも対応
iOS用のクライアントアプリが提供されており、ファイルの閲覧や共有、画像のダウンロード、ファイル送信ができる。閲覧できるファイル形式は多く、MS Officeの各形式やPDFはもちろん、Adobe Illustrator(.ai)、Photoshop(.psd)、各種動画ファイルに対応しているのはすぐれた点だ。

また、国産サービスということもあり、スマートフォン以外の「ガラケー」でも使えるのがよい。利用は、携帯電話用の専用URLから行う。

■まとめ
国産サービスということもあり、日本、とくに編集・出版業界のニーズをくみ取ったサービスに仕上がっている。ガラケーへの対応も、他のサービスにない利点だ。

願わくば、トライアルコースの容量を「Dropbox」と同等の2GBにすることと、Mac版Officeへの対応を進めてほしい。複数ある単機能ツールを、まとめてインストールできるようなオプションもあってよいだろう。

対応OS:Windows、MacOS X
対応スマートフォン:iOS(スマートフォン以外の携帯電話にも対応)
共有機能:あり
価格:無料(1GB)、300円/月(10GB)、980円/月(100GB)
ボーナス:なし

quanp

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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