Roviが提供しているGガイド


Rovi(ロビィ)は一般的には聞き慣れない会社名だが、現在のデジタル放送で必須となる番組情報をGガイドとして提供しており、番組表を使用しているほとんど方がRoviのユーザーだ。

Roviよりも旧社名のマクロビジョン時代のコピー防止技術の方が聞き覚えがある方もいるかもしれない。スマートTVが続々と登場しようとしている中、CES 2012において、同社の最新の番組情報とコンテンツ関連技術を聞いた。

■ユーザーが接する基本的なサービスは番組情報
単純な番組情報は日本でもGガイドとして提供しているが、同社が海外でサービスしているTotalGuideは単純な番組表だけではなく、番組に関連した俳優の情報など、動画に関するあらゆる情報をネット経由でユーザーに提供し始めている。

さらに、最新のサービスではTwitterなどソーシャルからの情報を表示するような仕組みも取り入れている。ソーシャルネットは流行廃りもはやいが、情報はテレビ画面上にHTMLで構成されて表示されるので、テレビを買い換えること無く、常に現在旬のサービスからのデータが表示できるようになっている。

これらの情報は広告モデルで運用されているので、ユーザーが別途料金を支払う必要は無い。

しかし、テレビのハードウェアやメーカー毎に受けられるサービスは異なり、メーカー各社はRoviが提供しているデーターだけでは無く、さらに独自の情報を付加するなどしてユーザーが動画に接する際の情報の差別化を図ることになる。

今後はハードウェアの性能だけでは無く、これらのサービスがどのように提供されているかも含めて製品選びの参考にしよう。
コンテンツ選びに参考になるTwitter情報を表示

■単なる番組表だけでは無くコンテンツ毎の情報も提供
日本でも最近衛星系のチャンネル数が増えたが、チャンネルが増えれば増えるほど、自分が見たい番組を探すのが難しくなる。さらに、最近ではクラウド系の動画サービスが増え始めており、日本でもHuluがサービスを始めるなど様々なサービスが増えようとしている。

このようにサービスが増えると、自分がどのサービスから、どんな番組をみたらいいかもわかりにくくなる。Roviの最新のサービスでは、チャンネル毎の情報では無く、映画や番組などコンテンツ毎の情報を横断的に表示し、どのコンテンツがどのサービスで提供されるのかが簡単にわかるようになっている。

また、最近ではデジタル版のコンテンツが増えようとしているが、DVDやBlu-rayなど、すでにメディアを持っている方も多いはずだ。Roviはコピー防止技術もあるため、それぞれのディスクを認識し、すでにディスクを持っている人に、デジタル版を別途販売できるようなソリューションも提供しようとしている。

■日本でのサービスはどうなる
オンデマンドのサービスが普及しつつある海外とは違い、日本ではブロードバンド自体は普及していても、サービスが普及しているとは言いがたい。特に日本の場合、番組録画が一般的に普及しており、現時点で、通常のテレビ放送のデーターが充実することが、ユーザーの利便性という点では一番だろう。

さらに、最新のレコーダーはHDD容量が増えるなどして、1週間分の番組をすべて録画するというようなことも現実化しつつある。録画した番組から自分が見たい番組を探すためには、単なる番組一覧ではなく、付加価値のある情報は非常に有効だ。

しかし、現時点では、ネットからは過去の番組表自体が消えてしまう。録画時に取得したデジタル情報以外から、番組試聴に参考にするデーターを取得することは権利上の問題もありややこしい。

技術的にはなんかなることでも、権利者側との調整が必要な問題は根が深い。

■ネット独自の番組情報は?
Roviが現在提供しているのは、テレビ放送や映画などの従来型映像コンテンツ情報だ。YouTubeなどに代表されるように、ネットの世界では、ネットオリジナルの映像コンテンツが世界的に急速に普及しつつある。

これらのネット系動画は様々なサイトから、様々な方式で配信されている。多くの日本人はYouTubeやニコニコ動画くらいしか知らないだろうが、世界中ではこれら以外にも独自の動画コンテンツを展開してるところがたくさんある。

今のところ日本語のコンテンツは数が少ないので探すのも難しくは無いが、世界中で展開されている動画から面白い物を探すのは言語の問題もあり簡単では無い。動画は画像を見ればわかるコンテンツなので、言語の障壁は低いし、YouTubeでは音声認識機能と翻訳機能もあるので、世界中のコンテンツを世界中のユーザーが楽しめるようになっている。

今話題のスマートTVではどのようなコンテンツが見られるようになるかは、各社異なるだろうが、基本的に通常のテレビ番組や映画など、従来型コンテンツが主流だろう。日本では権利上の問題でごたごたしているうちに、ネット系の動画の人気が高まり、通常のテレビ番組の視聴者が減ってしまうこともあるだろう。

ユーザーとしては媒体などを問わず、面白いコンテンツを視聴したい。現時点では今後テレビで放送される情報については、まだ完全では無いがRoviなどから十分な情報が提供され、それらの情報がテレビなどで確認できるようになっている。

しかし、録画番組した番組、放送以外で提供される動画の情報などについても、さらに手軽に動画を楽しめるような付加価値の高い情報提供に期待したいところだ。

Rovi


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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