印刷クオリティも十分な安いプリンター


とりあえずの応急処置ということで、インクと大差ない価格で購入したキヤノン PIXUS MP493だが、使ってみるとたまに使うだけなら十分な性能を持っていることがわかった。

プリンターに求めることは人それぞれだろうが、個人的には多くても月に数回ちょっとした書類を印刷したり、名刺印刷ができればそれでいい。

MP493でも、写真用紙に印刷するなど一通り性能をチェックしてみたが、家庭用プリンターとしては個人的な感覚ながら品質も全く問題ないことがわかった。さらに、フラットベッドスキャナ機能もついているのだから、なんとお買い得な製品なのだろう。

プリンターは本体価格を安くして、インクで利益を出しているとよく言われているが、互換インクが純正インクの半額以下で販売されていることから、それはよくわかる。故障したPIXUS iP4200の場合、純正インクのBCI-7E+9/5MPは3,945円。互換品は400円から2,000円となっている。

アジア圏などでは、互換インクは当然ながら、プリンター自体を改造し大容量インクタンクを外付けするようなソリューションもよくみかける。日本に比べても純正インクのシェアが圧倒的に低そうな地域も多く、これらの地域でプリンターメーカーはどうやって利益を出しているのか疑問だ。

■プリンター購入を含め、コストはどこが安い
そもそも、プリンターや印刷に関するコストは、微妙な部分が多い。

MP493は一般のプリンターの中では印刷コストが高いが、キヤノンの公式情報によればA4普通紙への印刷コストは13.4円。用紙コストを入れても15円程度。

前回も書いたネットプリントの場合、白黒が20円、カラーが60円。MP493のインクはキヤノンの公式な印刷コスト情報からの推定で、A4用紙300枚程度は印刷できるようなので、この情報から他のプリントサービスとコストを比較してみる。

白黒300枚をネットプリントを使用して印刷した場合は6,000円。フェデックス キンコースで300枚印刷した場合、出力手数料630円に、1枚あたり13.65円を追加して4,725円。

MP493のコストは4,600円程度、A4用紙500枚は600円程度なので、微妙なクオリティや手間などはともかく、よく見かけるプリントサービスは、安いプリンターを1台買って印刷するのと同等のコストという計算となる。互換インクを使用するなどすれば、さらにコストを下げることができる。

もちろん、さらに大量の印刷をする場合は業者に頼んだ方が安いだろうが、個人レベルで使用する印刷ならプリンターを購入して印刷してもコストとしてはあまり変わらないと言うことになる。

今回、MP493での印刷目的の一つ、名刺印刷は筆者の環境で、縁無し印刷にトラブルがあり、どうにも解決できないが、縁無し印刷以外なら従来のプリンターと同等の品質を得られている。

必要十分なクオリティーのプリンター自体が5,000円以下、インク自体も互換品などを使用すればランニングコストも下げられる。高価なプリンターはクオリティや機能も高いだろうが、プリンターとプリントに必要としている機能を見極めれば、コストを抑えることができそうだ。

フェデックス・キンコース
キヤノン PIXUS MP493
ネットプリント

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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