Roviによる所有DVDを認識しデジタル版を販売するデモ


UltraViolet(ウルトラバイオレット)とは何かに書いたように、様々な業界が推進しているコンテンツを試聴する権利を管理するシステムのUltraVioletは、まだ始まったばかりだ。

将来これが普及した場合、デジタルと実店舗の連携など、様々な映像コンテンツのサービス展開も見えてくる。

■パッケージを売るだけからサービスも売る店頭へ
店頭でユーザーがパッケージメディアを購入する場合、DVDやBlu-rayのメディアと箱などを単に購入するだけだった。これに加え、購入時に店頭でその作品のデジタル版を販売するというような展開もあるだろう。

アメリカでは大手家電量販店のBest Buyが、Cinema Nowというオンライン映像配信サービスを開始している。このようなサービスを展開している小売店が、DVDなどの販売の際、自社のサービスで使用できるデジタル版の権利を販売するという展開もありうるだろう。

また、デジタル版はコードなどを販売するだけで、在庫リスクもほとんど無い。従来DVDなどのパッケージメディアを主に販売していたのは専門店や家電量販店だったが、スーパーなど一般量販店でのコンテンツ購入もより手軽にできるようになるだろう。

デジタル配信が主流になったとしても、店頭でのプロモーションには一定の効果がある。デジタル配信ですべてがネット上で完結するのでは無く、実店舗と連携した様々なサービス展開が出てきそうだ。

■関連作品の販売へ
ある特定のコンテンツを気に入った方は、それに関するコンテンツも気に入る可能性が高い。

メイキングやキャストへのインタビューなどの特典画像は、販売されているパッケージメディアに入っているが、デジタル配信の場合は無い場合がほとんどだ。特定の作品を持っているユーザーには、メイキングなどの特典画像を無料または低価格で提供。

さらに、ディレクターズカット版や続編がでればこれも、元の作品の権利を持っていることでの割引販売というような展開もあるだろう。

一つの作品から複数の関連商品へアプローチできるようになれば映画会社の収入も増えるし、そのファンにとっては楽しめる映像が増える事になる。

■本当に普及するのか
これらの展開はすべて、UltraVioletのシステムが普及した場合のことだ。うまく普及し、サービスの範囲も拡大すれば映像コンテンツ視聴の利便性が増すだろう。

しかし、現時点でUltraVioletにはアップルとディズニーが参加していない。どちらも現在のコンテンツビジネスでは欠かせない会社だ。また、これは米国で始まったが、国際的な展開がどうなるかも未知数だ。

日本の場合、これらの動きはいつも遅いし、外国映画の場合、字幕と吹き替えなどの複雑な権利上の問題もある。

UltraViolet


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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