iPhoneやiPad、Androidスマートフォン・タブレットが大人気だが、これらのモバイル端末をもっとも便利に活用できるのは、Cloud(クラウド)と呼ばれるサービスだ。

もっとも身近なクラウドは、ネット上に写真やデータを保存してパソコンなどとデータを共有できるオンラインストレージと呼ばれるものだ。オンラインストレージは、無料・有料サービスがすでに提供されているが、その中でも多くにユーザーに利用されているのがDropboxだ。


Dropboxは無料で2GBまでのスマホやパソコンのデータを簡単に自分のネットストレージ上にアップできたり、ダウンロードしたりできるサービスだ。最近、スマホの写真データの自動アップ機能と容量アップが追加され、使い易さが一段とアップしている。

さらに自宅のパソコンにもDropboxをインストールすれば、スマホとパソコンのリアルタイム同期も可能になる。これは便利だ。

しかし家族や事務所みんなでDropboxを使い始めてみてわかったのが、共有機能の使い勝手の悪さだ。
Dropboxの共有フォルダにおいたデータは共有先すべてのアカウントの容量を圧迫してしまうし、共有フォルダ以外に保存してあるデータを手軽に共有する手段もない。

せめて1台のパソコンで複数のDropboxアカウントが同時利用でれば、使い勝手は格段によくなる。

筆者は、最近小さいながらも会社を設立したのだが、ふと全社員のDropboxアカウントと1台のネットワークストレージが連携できれば、社員とのデータ交換がスムーズにとれるので便利になるのではと考えた。これができれば、自宅でも家族みんなの写真が共有できるし、会社では外出先の社員と書類データをリアルタイムに共有できて、もっとスマホやタブレットが便利になるに違いない。
何とか、簡単に実現できないものかと調べていたのだが、まさに打ってつけの製品をみつけたので、紹介しよう。

アイ・オー・データ機器の大容量ビジネスNAS「LAN DISK HDL-XRシリーズ」が、Dropboxに対応したのだ。

■「LAN DISK XRシリーズ」の基本機能をおさらいしておこう
「LAN DISK HDL-XRシリーズ」は保存されたデータを守る安全性を追求したビジネスNAS製品だ。ハードディスク故障時のデータ損失リスクを大幅に低減するRAID 6に対応している。
※ユーザーのデータを保証するものではない

また、レプリケーション機能などNAS自身をバックアップする仕組みも充実し、優れた耐障害性能も有している。

安全性だけでなく、処理性能も大幅に強化し、多人数からの同時アクセスが行われるオフィス環境でも十分な転送速度を確保。全ての機能を充実させたハイエンドモデルとなっている。

さらに2012年2月22日より、新たにDropbox連携に対応した。既存ユーザーは、今回公開されたファームウェアを適用することで、Dropboxだけでなく、IPv6にも対応させることができる。
※一部機能はIPv6では利用できない
RAID6対応ネットワーク接続ハードディスク「HDL-XRシリーズ」


■スマホやタブレットが驚くほど便利になるDropboxをおさらいしておこう
Dropboxは、スマートフォンやパソコンなど複数のインターネット対応機器の間で、写真や音楽、Word、Excelなどの仕事データまで、やりとりできるクラウドストレージサービスだ。

スマホから写真や音楽をアップしたり、パソコンから仕事のデータをアップしたりして、それらを外出先のスマホでダウンロードして利用できる。もちろん、外出先のスマホでアップして、会社や自宅でデータを見たり、ダウンロードもワンタッチでできる。

無料で2GBのディスク容量が利用でき、ファイルをドラッグ&ドロップするだけでデータがアップできるのでバックアップにもなるほか、Dropbox内のデータを直接閲覧したり、使っている端末にダウンロードしたりも簡単にできる。

有料でディスク容量もふやせるが、先頃開始された、無料でスマホの写真を自動アップする機能をつかえば最大5GBまで容量をアップできる。

Dropboxは、Windows、Mac、Linux、iPhone、iPad、iPod、Android など、様々な環境で使えるので、スマホからPCだけでなく、WindowsからMac間でもデータ共有できるのも多くの人が利用している理由でもある。


WindowsやMacではWeb版で利用できるほか、AndroidやiPhone用のアプリをつかえば、フォルダの自動同期なども可能となっている。

どんなマシンともネット経由でデータを共有できるので、まさに夢のようなクラウドサービスというわけだ。
iPhoneやiPadのDropbox


■これぞウルトラDの技! LAN DISK×Dropboxだから実現できる技
さて、LAN DISKとDropboxを組み合わせたスーパー便利技を紹介しよう。

●外出先であっても会社や自宅のLAN DISKの資料や動画を見られる
一般的に外出先から会社や自宅のLAN DISKの資料や動画を見る場合、
自宅のLAN DISKに直接アクセスする必要がある。

これを行うには、ルーターに固定グローバル IP アドレス割り当てるなど
の作業が必要となる。

ネットワークに慣れていない人には、かなり面倒な作業だ。
これがLAN DISK×Dropboxで、簡単にできてしまうのだ。

会社や自宅で作成したプレゼンテーション資料や動画などをLAN DISKに入れておけば、外出先からiPadなどのタブレット端末で取引先や友人に見せることができる。

必要な時にすぐに閲覧できるため、iPadにデータをコピーする必要もない。

●バックアップで万が一のときも安心
LAN DISK×Dropboxのもう一つのポイントは安全性だ。

なんと過去 1ヵ月分の変更履歴がDropboxに保存されるのだ。万が一、ミスで大事なフォルダやファイルを削除しても、バックアップから瞬時に復元が可能なのだ。

●何人いても大丈夫!複数アカウント設定できるLAN DISK×Dropbox
もっとも凄いのが複数のDropboxアカウントを設定できることだ。

つまり、家族や社員など、人別にフォルダをわけて、1台のLAN DISKで利用できるのだ。

例えば、Aさん、Bさん、CさんのフォルダをLAN DISKで作り、担当者ごとにDropbox連携させるだけで、必要な書類やデータを担当者ごとに管理できるというわけ。

●営業所の一括管理もこんなに安くできるのか!法人利用は使わないと損?
仕事で役立つ使い方を紹介しよう。

各地に複数の営業所などがある場合、各営業所に設置しているLAN DISKのフォルダを同じDropboxアカウントに設定しておくと、設定したフォルダが自動で同期するのだ。

拠点間の通信にはVPNが不要であるうえに、Dropboxとの共有はLAN DISKが勝手に実行してくれるので、ルーターに固定グローバル IP アドレスを付与する必要もない。

SSL暗号化(AES256bit)を使用しているので、セキュリティ面も安心だ。


■LAN DISKの使い方は簡単、さっそく使ってみよう
LAN DISKとDropboxとを連携させるためには、各種設定を行わなければならないが、設定は簡単だ。

●LAN DISKを設定
付属のLANケーブルを使ってルーターに接続したら、LAN DISKの電源を入れる。
Webブラウザを使用して、本製品のLANポートのIPアドレスにアクセスすると、設定画面が表示される。
「LAN DISK XRシリーズ」の設定画面

設定画面を開き、[はじめて設定] をクリックすると、ログオン画面が表示される。管理者パスワードを入力して、[ログオン] ボタンをクリックする。
※出荷時は、パスワード設定されていない。あらかじめDropboxアカウントの取得が必要。
管理者パスワードを入力して、[ログオン] ボタンをクリックする

「LAN DISK」の名前では、本製品の名前を変えられるので、「LANDISK-papa」など、好きな名前に変更しよう。
本製品の名前を変えられるので、「LANDISK-papa」など、好きな名前に変更しよう

本製品のIP アドレスを設定する。初期設定値では、IP アドレスを自動取得する設定になっているが、IP アドレスが取得できない場合は、手動にて設定することも可能だ。
本製品のIP アドレスを設定する

次に、日付と時刻を設定する。
※任意の半角英数字6文字から15文字

設定内容を確認する。問題なければ、[設定する]ボタンを押す。
設定内容を確認する

初期設定が終わったら、早速Dropboxとの同期を有効にしよう。
共有フォルダーの編集で、[Dropboxで共有する]にチェックをつけて、LAN DISKとDropboxサービスを関連づけるための識別名を設定する。

[設定する]ボタンを押した後に表示されるリンク先をクリックするとDropboxのログイン画面に遷移するので、共有フォルダーを同期させたいDropboxのアカウントでログインし、同期の許可をすればよい。
DropboxサービスにLAN DISKを認識させるための識別名を設定する

これで、社内ではWindowsやMacを使って共有フォルダ内のファイルにアクセス、外出時はiPad/iPhoneを使ってDropbox経由で共有フォルダのファイルにアクセスできるようになった。

●いよいよ共有フォルダにアクセスだ
Windows 7の場合
[ スタート] をクリックし、[検索の開始] をクリック後、「\\landisk-xxxxxx 」と入力し[Enter] キーを押す。
※「xxxxxx」 は、LAN ポートのMAC アドレスの下6 桁。LAN DISKの名前は、変更可能

本製品の共有フォルダの一覧が表示されるので、[disk1] フォルダをダブルクリックする。これで、表示された[disk1]フォルダ内にファイルを書き込むことができる。社内で作った最新版のファイルをこのフォルダ内にファイルを書き込んで、他のユーザーと共有することができるわけだ。
社内でファイルを編集しているところ

Macの場合
Finder を開いたら、[共有] に本製品(landisk-xxxxxx)が表示されていることを確認し、クリックする。
※xxxxxx は、LAN ポートのMAC アドレスの下6 桁。LAN DISKの名前は、変更可能

●Dropboxにアクセス
iPadやiPhoneでは、App Storeから入手できるDropboxアプリを使って、Dropboxにアクセスすることができる。

WindowsマシンやMacでアクセスしていた共有フォルダ内のファイルをそのまま扱えるので、取引先でのプレゼンテーション時にも、便利に使うことができるわけだ。
パソコンで編集していたExcelファイルをDropbox経由で見られる

iPadでもDropbox経由で問題なく見られる


つかった製品はこちら
・iPad2、iPhone
RAID6対応ネットワーク接続ハードディスク「HDL-XRシリーズ」


LAN DISKとDropboxの変更は1分毎にチェックされるので、LAN DISK内の書類やデータを外出先でも最新のデータをいつでもどこでも取り出すことができるのだ。

「HDL-XRシリーズ」は、新機能により、LAN DISKの指定フォルダをDropboxと同期させることができる。この機能を使えば、社内でLAN DISKに共有しておいたファイルを、外出先でもスマートフォンやパソコン、Macからデータの閲覧、編集、削除も実行できる。

ベンチャーをはじめ、小規模な営業所や事務所、家庭でも、Dropboxと連携できる「HDL-XRシリーズ」を使うだけで、最新のデータ管理が活用できるというわけだ。

家庭でも、家族同士でスマートフォンの写真を共有したり、夏休みの旅行計画を共有したりできるのでスマホ・タブレット時代には、便利なアイテムといえるだろう。

アイ・オー・データ機器