新しいiPadの登場の影響もあるのかiPad用の投資関連アプリが増えてきた。ただし、これまで紹介してきたものも含めて投資関連アプリのほとんどは証券会社が提供していることが多いため、企業情報や株価チャートの表示を中心としている。

だが株式相場の状況をリアルタイムに知ることだけでは、投資に関わる知識としては十分ではない。経済の動きや株式投資関連の学習をより深めたい人には、日本経済新聞系列の情報関連企業であるQUICK(クイック)による「QUICK投資情報館」がオススメだ。
■「株式偏重」でなく情報が充実
iPad用「QUICK投資情報館」は、投資、資産形成に関する情報を提供する無料アプリだ。資産運用の上で必要になる基礎知識やポートフォリオの実践法、経済情勢に関するコラムを中心とする「学習型アプリ」である。

また、他のアプリが株式投資に偏りがちな中、退職金や年金関連の情報、銀行で販売されている保険や上場投資信託(ETF)などの基礎知識、解説記事が充実しているのも特徴だ。

では、「完全なる初心者向けか?」というと、そうでもない。株式、投資信託の銘柄情報を一通り閲覧できる上、「お気に入り」に登録することもできる。経済発展が著しい、中国、ベトナム、インドなどのアジア・新興国に関する情報もしっかり押さえている。初心者以上の人でも十分使えるアプリと言っていいだろう。

なおiPhone向けのアプリは提供されておらずiPad専用となっている点に注意してもらいたい。

■脱・テクニカル偏重売買
筆者は常日頃感じているのだが、マクロ経済についての勉強や知識レベルを一定以上の水準まで引き上げないまま、リスクが比較的高い株式やFX(外国為替証拠金取引)を投資対象にし、しかもテクニカル偏重で売買を行う「投資家」が実に多い。これでは「一か八かのバクチ」と一緒になってしまう。

経済に関する基礎知識を欠いたままだと、相場が全体に上昇基調のときにはよいが、変動期にはあっという間に損失が膨らんでしまうことがある。投資が実質上のギャンブル化しているわけだ。このような事態を避けるためにも、地道な学習を積み重ねておくことが大切になる。そうした意味でも「QUICK投資情報館」は非常に役立つ。投資家としてのスキル向上のために、「QUICK投資情報館」は使って損はないアプリだ。


大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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