いまではクラウド型ストレージサービスのデファクトスタンダードとも言うべきサービスと言えるまで普及したのが「Dropbox」だ。Windows、MacOS Xのパソコン用OS、iOS、Andoirdといったスマートフォンでも使えるが、オープンソースOSのLinuxでも使えることは意外に知られていない。今回は、Linuxの主力ディストリビューションであるUbuntu版を試用してみた。


■各種Linuxディストリビューションに対応
Linuxには、幾種類ものディストリビューション(頒布形態)がある。中でも、Ubuntuは3割前後のシェアを占めているとされ、かなり頻繁にアップデートされるサービスの良さとWindowsライクにいじれる操作のしやすさとで人気がある。基本的に無償で配布されているので、「行政改革」が叫ばれる自治体職場などでも普及が進んでいるようだ。

Linux用のDropboxは、Ubuntu、Fedra(フェドラ)、Debian(デビアン)のディストリビューションで、それぞれ32ビット、64ビット版が用意されている。ソースからコンパイルしてインストールすることもできる。このあたりは「すべてのプラットフォームで使える」ことをめざすDropboxらしい点である。

■インストールも超簡単
ひと昔前だと、Linuxにソフトウェアを追加する際には、「dpkg -i」とか「rpm -ivh」などといった長々しいコマンドを入力しなければならなかったのだが、現在はそのようなことは不要だ。

UbuntuでDropboxをインストールするには、「Ubuntuソフトウェアセンター」からインストールするのが簡単だ。Mac App Store感覚で、ダウンロードとインストールを自動的に行える。

標準WebブラウザであるFirefoxを使い、Dropboxのサイトからダウンロードしてもよいが、この際は32ビット、64ビット版の違いを間違えないようにしたい。この場合も、ダウンロードとインストールは、「Ubuntuソフトウェアセンター」が自動的に行ってくれる。

■使用感はまったく同じ
インストールが終了すると設定画面が起動するので、すでにDropboxのアカウントを持っているなら、それを入力すると直ちに、クラウド上のファイルがダウンロードされる。標準では、Dropboxフォルダは各自のホームフォルダ内に作成される。外観、使用感ともWindows、MacOS X版と驚くほど同じなので、迷うことはいっさいないだろう。

最後に注意点をひとつ。UbuntuなどのLinuxとWindowsでは、ファイル名に使える文字の制限が異なる。たとえば、Ubuntuで画面キャプチャを行うと標準のファイル名は日付と時間を記したものとなる。このファイルを変えない限り、Dropboxでクラウド上に保存(転送、同期)することができるが、Windows上のDropboxフォルダには同期(ダウンロード)されない。

なぜなら、ファイル名にWindowsで使えない「:」(半角コロン)が入るからだ。「同期できません」という警告も表示されないので戸惑うがクラウド上には保存されている。あらためて、Windows上では使えない半角記号(¥、*、?など)を確認しておくのはムダではないだろう。

サーバとしてLinuxの利用を考えているユーザーも、ファイルのバックアップ先としてDropboxを利用することを考えてもよいかもしれない。

Dropbox Linux版

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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