Linuxでもっとも人気のあるディストリビューションであるUbuntu(ウブントゥ)は、「Ubuntu One」というクラウドサービスを提供している。Windowsやスマートフォンでも使えるこのサービス、実際使ってみると、どうしてどうして、なかなか使えるサービスなのである。


■iOS、Androidにも対応
「Ubuntu One」は、無料なら5GB、有料で容量が追加できる。追加できる容量は20Gバイトあたり3.99ドル/月(39.99ドル/年)で利用できるクラウド型ストレージサービスだ。

利用するには、Ubuntu Oneのサイトからサインアップしてクライアントソフトをダウンロードし、パソコンにインストールする。Ubuntu(9.10以上)ではインストーラーが標準搭載されているので、サインアップもこれから行える。アカウントに設定したメールアドレスに送られてきたキーを入力すれば完了だ。

最大の特徴は、UbuntuというLinuxに標準搭載されたサービスであること。Linuxに対応したクラウドサービスは、「『Dropbox』のUbuntu版を試す Linuxでも同じ使いこなし!」で紹介した「Dropbox」のほかは「ZumoDrive」ぐらいしかないので、Linuxユーザーにはありがたい。

また、Windows、iOS(iPhone、iPad、iPod touch)、Android向けのクライアントも提供されている。残念ながらMacOS X向けのクライアントはないが、Webサイトから一部機能を利用することができる。

■機能は「Dropbox」より多い
Ubuntu Oneをインストールすると、ホームフォルダに「Ubuntu One」というフォルダができる。このフォルダ内のファイルが、自動的に、クラウド上と他のパソコン、スマホと同期できるわけだ。また、別途設定を行うことで、他のフォルダ、さらに連絡先データやFirefoxのブックマークの同期にも対応している。ただし今のところ、UbuntuとWindows間ではファイルの同期のみが可能で、連絡先の同期はサポートされない。

スマホでは「Ubuntu One Files」というアプリを使うことで、ファイルの閲覧ができる。スマホからの画像ファイルのアップロードも可能だ。

全体として、同期できるフォルダが限られるDropboxよりも機能が多いと言える。

■楽曲ストリーミングも可能
Ubuntu Oneのもう一つの特徴は、楽曲のストリーミングにも対応していること。実は、Ubuntuには独自の楽曲サイト「Ubuntu One Music Store」があり(7digitalの提供)、Ubuntuからのアクセスなら、日本からも利用できる。Ubuntu Oneでは、ここで購入した楽曲や、自分でリッピングした楽曲ファイル、さらにiTunes Storeなどで購入した「DRMフリー」の楽曲を、ストリーミングできるのだ。

スマホで楽曲をストリーミングするには、「Ubuntu One Music」というアプリを使う。3G回線でも利用できるが、回線の安定は保証されないので注意したい。

Ubuntu OneはLinuxユーザーでなくても使えるので、検討対象に入れてみてもよいサービスだ。

Ubuntu One

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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