2012年6月のドコモ・プリペイドサービスの純減は98,700台だった。これはポータブルゲーム機のPS Vita 3G版のユーザーが、契約を更新せず解約したことによる影響だ。SCEやドコモはこの詳細を公開していないので、いくつかのデータから実態を計算してみた。
■いつまでに契約したユーザーが解約したのか?
PS Vita 3G版は、初回限定50万台に180日間のNTTドコモのプリペイドデータプランがついたものが販売されている。初回限定版はドコモの2012年5月末までのプリペイド契約台数の約28万件から推定すると、30万台弱の販売数と推定される。2012年7月現在、初回限定版の残りは20万台ほどだ。

この初回限定のVita 3G版に用意されているプリペイドデータプランは、180日の期限が切れてから14日以内なら契約をそのまま更新できる。これを過ぎると解約となり、再度契約する際は契約事務手数料2,100円が必要になる。3G通信をそのまま続けたい方は、一般的にこの期限内に更新することになる。

2012年6月末までに解約になるには、194日前の2011年12月19日までにプリペイドデータプランの契約を延長する必要がある。これ以外に、180日間に利用できる103時間の利用可能時間を超えた場合などは、180日前に契約を更新する必要があるが、多くの利用者はこの時間を使い切ることなく契約期間が終了しているようだ。

PS Vitaの発売日は2011年12月17日なので、発売直後の3日以内に購入した方が今回解約となった対象となる。初回限定版のVita 3G版は、電源を入れれば追加料金不要でそのまま3Gの契約ができる。購入しても箱から出さなかった、SIMカードを抜いて起動したような場合は含まれない。また、Vita以外のプリペイド契約も数千残っているようだが、これらは今回の計算から除外する。

■Vita 3G版の販売数は?
問題はVitaの3G版がどの程度販売されたかだが、調査会社による本体の販売台数と、ドコモが公開するプリペイド契約数から推定できる。ドコモの2011年12月のプリペイド純増数は191,800台なので、12月のVita 3G版の販売数はこの数字とほぼ同数と考えられる。12月のVita販売数は約44万台なので、販売台数の半分近くが3G版だったことが推定できる。

その後、2012年5月のPS Vitaの販売台数は約3.5万台で、プリペイドの純増数は11,100だったので、直近の3G版の割合は1/3程度になっていることがわかる。2012年6月のVitaの販売数は約9万台だったことから、6月のプリペイドの契約数は3万程度と推定される。

2012年6月は純増数がマイナス約10万となっているが、約3万台のプリペイド契約があったと推定されるため、実際の解約者数は約13万件と考えられる。この13万件の解約のほとんどは、発売から2日以内に売れた約32万台からのものと仮定できる。

発売直後に新しいゲーム機を購入する方は、最上位モデルを選択する率が高い可能性があるため、その5割が3G版を選んでプリペイド契約したと仮定すると今回の解約に該当する3G版の販売数は約16万台となる。13万件はこのうちの8割となる。

筆者の推計が正しければ、最新のゲーム機を真っ先に購入するような方は、かなりのゲーム好きだが、その中でも上位モデルを選んだ方の8割程度が、3G機能を必要としないと判断したことになる。

NTTドコモ 契約者数月次データ
ソニー・コンピュータエンタテイメント

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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