これまで述べてきたように、Ubuntu(ウブントゥ)のデスクトップ環境は非常によくできており、Linuxディストリビューションとしてはハードルがかなり低い。

とはいえ、MacOS Xに似たその使いこなしに違和感をおぼえるユーザーも多いだろう。このようなとき、柔軟性の高いLinuxでは、外観を大きく、しかも簡単に変更できる。


■「Unity」はタッチ式デバイスを意識
Ubuntuをインストールするとあらわれるデスクトップは、「Unity」(ユニティ)というユーザーインターフェイスである。使ってみれば分かるが、左側に並ぶアプリケーションランチャーやアプリを一覧表示する「Dashホーム」、メニューがツールバーに表示されるなど、外観はMacOS Xに非常によく似ている。

「Dashホーム」は典型的だが、実は、Unityはタッチ式デバイスでも使えることを意識したもの。このため、メニューを順にたどってアプリケーションを起動するというような、古くからWindowsで慣れ親しんできた使い方が困難なのだ。

では、どうしたらいいのか。

■複数ある、Linuxのデスクトップ環境
実は、Linux向けには複数のデスクトップ環境が開発されており、それらを切り替えて使うことができる。代表的なのは、GNOME(グノーム)とKDE(ケーディーイー)で、それぞれに専用のファイルマネージャやターミナル(端末エミュレータ)、テキストエディタなどが搭載されている。

Ubuntuで標準のUnityは、実は、GNOME向けに独自に開発されたシェルである。GNOME標準のシェルは「GNOME Shell」で、Unityとは異なる。だが、Windowsユーザーには、KDEかGNOME Shellの方がなじみやすいだろう。

KDEのインストールはやや面倒なので、ここではGNOME Shellを使う方法を解説しよう。

■コマンド入力でインストール
GNOME Shellを使うには、以下のコマンドを入力する。途中でパスワードを入力する必要があるのと、ディスプレイマネージャを選択するダイアログが表示されるが標準のままでよい。

$ sudo apt-get install gnome-core gnome-games gnome-documents gnome-packagekit gnome-video-effects hamster-applet gnome-sushi gnome-doc-utils evolution

インストール終了後に再起動すると、ログイン画面でシェルを選択できるようになっているはずだ。よりWindowsライクに使いたければ、「GNOME(Classic)」を選ぼう。

GNOME(Classic)では、上部ツールバーの左側に「アプリケーション」と「場所」が表示される。アプリケーションでは、ツリー式にたどっていくことでアプリを起動できる。場所は、ホームフォルダ内のフォルダが一覧表示される。下部のツールバーには、開いているフォルダなどタスクが表示される。また、メニューも各ウィンドウごとに独立する。これで、ぐっとWindowsライクな操作ができるようになる。

Linuxの柔軟性の高さは、使うほどに実感できるものだ。この「ワナ」にはまると、なかなか抜け出せないことは請け合いだ。

Ubuntu Japanese Team

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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