コンビニに行っても百貨店に行っても自販機を見ても、身の回りのそこかしこに日々、「新商品」というものが誕生している。それらのアイテムはいかにして、誕生までの道をたどっているのだろうか。疑問に思っている人もいるだろう。

インターネットを活用した「ネットリサーチ」のリーディングカンパニーである、マクロミルのサイト内で、市場調査サービスを活用した商品開発のプロセスが紹介されている。

■価値の高い市場調査のデータとは?
マクロミルが取り扱う市場調査は、年間1万7000件以上、取引社数は4000社を超える。

なぜ、これだけの依頼が寄せられるのか。

ひとつの理由としては、調査実績から培われた豊富なノウハウにより、顧客のマーケティングプロセスに合わせて導き出す提案に信頼があるからだろう。

依頼側が求めているのは的確で正確な市場調査データである。マーケットはその時々の状況の変化で大きく揺れ動く、まさに生きものである。直面する課題にどう対応していくか。一般ユーザーの市場調査データは価値が高い。


■ブランドポジションとプライシング
ブランドポジションとプライシングは、新製品をプロモーションするうえで欠かせない。

例えば、缶コーヒーの「ブランド戦略」を考えてみよう。ひとつの狙いは、ブランドポジションを明らかにすることだ。メーカー別に市場で流通している複数の缶コーヒーの銘柄を表示し、「それぞれの缶コーヒーのイメージについて、あてはまるものをすべてお答えください」という質問事項を設定する。

さらに、「正統派な感じがする」「個性的な感じする」「女性的な感じがする」などのチェック回答により、ブランドのポジショニングを明らかにしていくことも重要だ。

消費者が商品を購入する際、敏感に反応するのは価格である。目安になっているのが「価格以上に価値を見出したとき」。発泡酒(350ml)のケースでは、予め価格を設定し「これ以上安いと『安すぎて品質に問題があるのではないか』と思い始める値段」という質問を投げ掛けている。

こういう項目の事例は、普段の消費行動の際には考えていないが、改めて考えてみると面白い内容だ。


■そしてマクロミルの誕生秘話とは
ところで、マクロミルとは、どんな会社なのだろうか。簡単に紹介しておこう。
同社は、リクルート出身の杉本哲哉氏(現 代表取締役会長兼社長)が起業した会社だ。同氏がリクルートのデジタルメディア事業部門に在職していたときに、データ放送事業に携わった。これが起業に繋がったという。

2000年1月にリクルートの仲間4人とマクロミルを設立。04年に東証マザーズ、1年後には東証一部に上場し、現在は社員約600人。モノを作っていく感覚は幼いころから芽生え、高校時代には映画監督になりたかったという杉本氏。機会があれば是非、会ってみたい人物である。


市場調査の活用方法 - マクロミル
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