先日、デルがリリースした液晶ディスプレイ「U2913WM」という29インチの液晶ディスプレイが驚きの仕様で低価格なのだ。29インチというサイズで4万円を切る39,980円という価格だと「29インチサイズだったら、その程度か別に安くないじゃん」と思うかもしれない。驚くべき点は解像度が2560×1080ドット(アスペクト比21:9)とフルHDを凌駕する解像度であるところだ。



たとえば同社の「Dell SシリーズS2340T」は10点マルチタッチに対応したタッチ液晶ディスプレイだ。23インチサイズでフルHD解像度、多関節スタンドで角度調整が自在に行えるため、Windows 8のタッチ操作をデスクトップパソコンでも快適に利用できる。しかし、価格は54,980円(税込・配送料込)だ。29インチサイズの「U2913WM」より1万5千円ほど高い。

マルチタッチに対応するデルの「Dell SシリーズS2340T」


どちらを買っても、メリット・デメリットはありそうだ。結局、何を優先するのか? といった話になってしまうのだが、Windows 8時代のディスプレイとは、どうあるべきか? 現時点での状況について考えてみたい。

■結局はマルチタッチが必要か? 作業スペースが必要か?
Windows 8は、登場直後のタッチパネル騒動(持ってるパソコンにインストールしたけどディスプレイがタッチ対応にならない! というクレーム騒動)によってタッチ操作にやたらと注目が集まってしまった。

タッチ操作が行えるほうが、よりベターではあるが、それができない=使う意味がないというわけではない。従来のデスクトップにWindows 8をインストールして使っても満足のいく使い心地になるだろうと筆者は考えている。ようやくスタートメニューに慣れて違和感を感じなくなってきた現在なら、自信をもってそう言える。

タッチ操作以外に目を向けてみると最新OSだけあってWindows 7と同じOSとは思えないほど、動作が軽く、またシステムが落ちるようなことが少なくなっている。Windows XP時代に使っていたソフトを強引に突っ込んでみても動作するなど、下位互換性もずいぶん向上しているようだ。

そうした点を考慮するとWindows 7からWindows 8にアップグレードする価値はあると思う。なにしろ来年の1月末までならダウンロード販売のWindows 8 Proアップグレード版は、たったの3,300円だ。

そしてWindows 8にしたからといってタッチ操作以外で従来と同様のデスクトップ画面によるアプリケーションの操作性が変わるかといえば、そうではない。スタートメニューの操作に慣れれば、従来のWindowsよりも快適だ。なにしろエクスプローラーの操作性は従来のWindowsとは比較にできないほど快適になっている。

操作性がグンと上がったWindows 8のエクスプローラー


さて、話をディスプレイに戻そう。いま現在、マルチタッチ対応の液晶ディスプレイは、性能と価格のバランスではコストパフォーマンスの高いデルのようなメーカーの製品ですら5万円半ばと高価だ。もちろんマルチタッチを優先したいのであれば、こちらを買うのはアリだとは思う。

ただ、29インチでフルHDを超える解像度のディスプレイが4万円弱と1万5千円ほど安く購入できるのであれば、余った1万5千円を費やしてマルチタッチ対応のデバイス(タッチパッド系)を購入するほうが、デスクトップの作業エリアも広がり、シアワセになれる気がするのだ。

■製品概要
メーカー:デル
製品名: デル デジタルハイエンドシリーズ U2913WM 29インチウルトラワイドモニタ
発売日:2012年11月15日
価格:39,980円(税込・配送料込)


製品情報
デル

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