Pogoplug Mobile


クラウドのストレージサービスは、ユーザー側が自前でHDDやサーバーを用意する必要がない。利用環境もソフトウェアで実現しているため、最低限の設定をすれば即座に利用できる。しかし、大容量のスペースを確保するにはコスト面で問題があるということを「テラバイトも可能なクラウドサービス 自宅のHDDをクラウド化できるPogoplug」で紹介した。

そこで紹介したように、コストをあまりかけずに大容量のスペースをクラウドで利用するには、Pogoplugがおススメであることを説明した。その理由は、自前でHDDを用意すれば、低コストで大容量スペースが利用できるからだ。ただPogoplug対応のハードウェアが必要となるので、それについて紹介しよう。

Pogoplugは、他のクラウドストレージサービスとは異なり、自宅や事務所などに用意されたHDDをクラウド上からアクセスできるように設定できる。このため大容量の自分専用スペースに低コストでいつでもアクセスできる。ただ、Pogoplug側が提供している専用ハードが必要になる。

■Pogoplug対応ハードウェア
対応ハードウェアは大きく分けて2種類ある。USB HDDなどを接続するための「Pogoplug Mobile」とNASとしても使える「Pogoplug対応HDD」だ。

Pogoplug Mobileは自分で外付けUSB HDDなどを接続して使用するための製品だ。日本ではSoftbank SELECTIONから7,980円で販売されているが、海外仕様の輸入品や旧型製品などはこれより安く販売されている。どちらも基本的な機能は同じなので、どれを選んでも問題なく利用できる。

このPogoplug MobileにUSBの外付けHDDやUSBメモリを接続し、設定すればこのHDDなどをクラウドからアクセスできるようになる。

NASとしても使える製品は、日本ではバッファローのリンクステーション クラウドエディションとなる。こちらは、NAS自体がPogoplugを利用したクラウドサービスに対応している。この製品を購入するだけで別途ハードウェアを必要とせずPogoplugを利用できるようになる。

専用のハードウェアが必要なわけではないが、ソフトウェアだけでPogoplugを実現できる製品もある。それがPogoplug PCで、パソコン1台あたり2,980円でライセンスされており、パソコン上の特定フォルダをPogoplug対応のクラウド対応ディスクに設定できる。テラバイトクラスのHDDを丸ごと設定すれば、クラウド経由でそのHDDにアクセスできるようになる、というわけだ。

■Pogoplugサービスが終わったらどうする?
ここで不安なのが、Pogoplugは、クラウドエンジンズが提供しているサービスなわけで、もしサービスが終了されたらどうなるのかという点だ。Pogoplug自体がサービスを止めてしまえばユーザーは、当然サービスを使用できなくなり、わざわざ購入した対応ハードウェアへの投資が無駄になってしまう。

しかし、Pogoplug対応ハードは、内部にLinuxが利用されているので、自己責任となってしまうがLinuxの知識さえあれば、自由にカスタマイズできる。以前はPogoplug対応ハードをLinuxマシン化するOpenpogoが公開されていたが現在は非公開となっており、カスタマイズするためにはArch Linuxを利用するのが一般的なようだ。

Linuxのスキル次第だが、Arch Linuxを利用すればPogoplugのハードウェアを活用し、様々な用途に利用することもできるようになる。筆者的には今後、Pogoplugのサービスが終わってもハードウェアが無駄になることはなさそうだ。Pogoplug対応ハードを無駄なく使うためには、Linuxの知識が不可欠だと覚えておくといいだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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