デルは動画編集などに強いPCとなる「Graphic Proシリーズ」を発表した。OpenGLといった3D専用APIを使ったオフライン3Dレンダリングや動画のリアルタイムエンコードを行うには、専用のPCとなるワークステーションが提供される。デルもハイエンドワークステーションの「Presicion」シリーズを展開している。

対して「Graphic Proシリーズ」は、デルの「Presicion」や「XPS」、「Inspiron」、「Vostro」シリーズなどと同じように製品群に新しく加わる新シリーズではない。これら既存シリーズから、より動画編集や3Dレンダリングに向くようにスペックを構成してオススメ仕様にしているシリーズになる。

先述した3Dレンダリングや動画編集向けのPCは、ワークステーションに該当し、価格は一般的なパソコンの2倍から数倍となっている。40~50万程度ではミドルレンジ以下、100万円を超えてミドルスペッククラスとなり、150万円以上でハイスペックになると考えていい。

当然スペックもCPUやメモリー、GPU、ストレージには、最低レベルのワークステーションですらハイエンド向けの
パーツが使われているためパフォーマンスが非常に高い。電源を2個搭載したりなど、高性能を安定して発揮できる仕様になっており、サーバー並みに安定度を高めている製品も多い。そもそもワークステーションは個人ユーザー向けではなく主に企業向けだ。

もちろん、最近の製品でCorei7クラスのCPUを搭載しているのであれば、10万円を切っているような構成でもフルHD動画編集程度なら、何ら問題なく行える。しかし、本格的に動画編集を快適に行うなら、メモリーは、24GBなどなるべく多く必要で、高性能なCPUに加え、グラフィックス性能もより高性能さが求められる。

とは言っても、デルの製品でBTOを自分でカスタマイズして3Dレンダリングや動画編集向けに構成するには、どうしたらいいかわからないという人も多いのではないだろうか。

たとえば動画編集に関する知識が豊富にあったとしても、PCがよほど好きでもない限り、動画編集に適したスペックを自分で構成できる人は、そう多くないだろう。誰かしら、PCに詳しいという人にアドバイスを求めたりしているのではないだろうか。

そんな人たちに向けて動画編集や3Dレンダリングに強いスペック構成を、1つのラインナップとしたのが、今回の「Graphic Pro」シリーズとなる。

本シリーズは画像や動画編集に強いハイエンドPCを求める個人ユーザー向けに日本に向けて提供される。
ワークステーションのPresicionシリーズも個人向けに提供するという。また、大容量メモリーを搭載し、ハイエンドCPUに高性能GPUを組み合わせたXPSやInspironなどが提供される。



こうした背景は、ニコニコ動画やYouTubeなどのPCやスマホ&タブレットによる動画視聴の普及に加え、デジカメやビデオカメラがフルHD対応と高画質化したことがある。フルHDでフルフレームで撮影した映像を再生しつつリアルタイムで編集するには、4~5年前のPCでも厳しい。こうしたニーズに対するデルの回答が「Graphic Pro」シリーズになるといわけだ。

デルはゲーミングPCの「ALIENWARE」と「XPS 12や13」といったUltrabookという魅力のある個人ユーザー向けのシリーズを持っており、この2つを柱として個人ユーザー向けの商品展開を行ってきた。今回のGraphic Proシリーズはこれに続く3本目の柱となれるかに、今後は注目して行きたいところだ。


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

DELL Graphic Proシリーズ
デル

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