2011年3月11日、14時46分頃、三陸沖を震源としたマグニチュード9.0、震度7という日本周辺における観測史上最大の地震が発生。この地震によって発生した巨大津波により東北地方と関東地方の太平洋沿岸部(岩手、宮城、福島、茨木)に甚大な被害をもたらした。

地震から約1時間後に14~15メートルの津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、全電源を喪失。結果原子炉を冷却できなくなり、1号機と3号機で炉心溶融(メルトダウン)が発生。水素爆発により原子炉建屋が吹き飛び、大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故にまで発展。このため、原発のある福島県浜通りを中心に、周辺一帯の福島県住民は長期の避難を強いられることとなった。
特に原発から20km県内は警戒区域内とされ、著しく人の出入りが制限されている。その20km区域内に侵入し数々の写真を撮影してきた写真家が谷内俊文(たにうち・としふみ)氏。谷内氏は警戒区域内に侵入したため、逮捕され一度取り調べを受け、現在、東京地方検察庁公安部からの出頭通告待ちという状態にある。

今回、版元である電子書籍専門出版社エレファントブックスは写真の重要性と社会的影響を考慮し、電子書籍写真集でのリリースを決定。著者の意向を踏まえて写真の解説を日本語と英語の二言語で表記し、日本、アメリカ、イギリスを含む世界10か国のアマゾンkindleストアで販売を開始した。なお収益はすべて谷内俊文氏の福島原発撮影活動費ならびに前述の弁護士費用にあてられる。また3月9日~3月24日(日)まで、新宿区にある経王寺にて今作の写真展を開催中だ。

警戒区域内への侵入という違法行為は司法の判断に委ねるとして、いまだ自宅に戻れずに避難生活を余儀なくされている人々が15万人近くいる事実、これを忘れてはいけない。

■収録されている写真
















エレファントブックス
DESERTED 人の住めない場所

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