投資行動においては、現在の経済状況が好景気なのかそれとも不況なのか、あるいはどちらの方向に向かっているのかの判断が欠かせない。リーマン・ショック直後のように不況はの突入が明確な時期には、個人投資家が冒険的売買を行うことは禁物でもある。だがら、投資を行うには、現在の経済状況を理解することが欠かせない。

理解するためには、政府や民間機関が発表する経済指標の読み方、その意味するものを知っておくことが大切なのだ。連載で、主な指標について解説していこう。

■「引きこもり」は失業者にカウントされない
分かりやすい指標の一つに、失業率(完全失業率)がある。簡単にいえば、失業者数を労働力人口で割った数値で、日本では総務省統計局の「労働力調査」の一部である。この労働力人口とは、満15歳以上の職に就いている人、休業者、完全失業者の合計。学生や家事従事者、病弱者など、職をもたず、職を求めていない者は含まれない。

「引きこもり」の人は「職を求めていない者」とされるので、失業率にカウントされないことはもちろん、ハローワークに登録していない人もカウントされない。つまり、求人情報誌などを頼りに独自に仕事を探す無業者や、職探しをあきらめている人は入っていない。現在、日本の失業率は4%ちょっとだが、実際に職に就いていない人はもっと多いということになる。

ここから「景気が良くなると失業率が上がる」というおかしなことが起きる。つまり、職探しをあきらめた人びとがハローワークに行き出すと、分母の労働力人口と分子の失業者が増え、失業率が上がるのだ。

失業率は景気を示す重要な指標だが、以上の点はよく押さえておきたい。なお、この失業者のカウント方法は米国でもほぼ同じだ。英国では失業保険の受給者数なので、失業者の概念はさらに狭くなる(統計上は実際よりも少なくなる)。


■米国では雇用者数を重視する
米国では、景気を判断する上で、失業率よりも「非農業部門雇用者数」が重視される傾向がある。農業部門以外の事業所の給与支払い帳簿をもとに集計された就業者数だ。ロイターなどによる事前の予測も出され、それと比べた増減が相場の上下要因になることが多い。たとえば、4月は前月比16.5万人の増加。ロイターの予測は14.5万人増だったので、これを機に「ドル高円安」が進んだ。

ただ、これも注意点がある。米国は移民社会で、毎月12~15万人の移民が流入する。雇用者数の増加幅がこれ以下だと、実質的には「雇用者数は減っている」ということだ。移民は非合法の場合も多いため、実数はつかみにくい。米国の景気動向をはかる上では重要な数値なのだが、実に悩ましい面があるのだ。
(編集部)

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