前回紹介したようにアップルが開発者会議のWWDC 2013で正式に発表した製品は、MacBook Airのアップデート版だけであった。

Haswellが登場した直後だけにCPUやチップセットなどが刷新されたMacBook Proの新モデルを期待していた人も多かったと思うが先に持ち越されたようだ。

当のMacBook AirもHaswell化した上でのRetina化まで期待していた人も多かったはずだ。今回の発表とその翌日に行われたMacの価格改定から、今後の新製品の登場を予測してみたい。



■驚きの新発表もあったがハードに関しては思ったより期待外れ?
COMPTEXでお披露目されたインテルの新CPU(Haswell)に合わせ、MacBook ProやiMacのスペックアップデートを期待していた人も多かったと思う。残念ながら、そうしたことはなく期待外れだったという人もいるだろう。もちろんOS X MavericksやiOS 7といった魅力的な発表もされたので、全部が期待外れというわけではなく、WWDCの発表の中でハードウェアのアップデートに関しては期待外れという表現が出ても致し方ないところだろう。

アップルは各種イベントなどに関係なく突然新製品を発表することもあるのだが、新型MacBook Air発表の翌日に現行モデルの値上げが行われたことを見ても、価格改定後すぐに既存モデルのアップデートを行うとは考えにくく、近い将来にハードのアップデートが行われることはないと考えるのが妥当だろう。

もし近い将来、既存ハードウェアのアップデートが予定されているなら、価格変更の手間を省くため、現行モデルの価格を維持するのが自然だからだ。つまり、このタイミングで値上げをしたということは、どのくらいの期間かはわからないものの現行機種をしばらく継続販売するつもりだとみていいだろう。

■ハードウェアの大幅アップデートはOS X Mavericks投入と同時か
今回のMacBook Airは、Haswellことインテルの第4世代Coreプロセッサー・ファミリーを搭載し、バッテリー駆動時間が旧機種の2倍近くに向上、具体的には13インチモデルで最大12時間となったのが大きな特徴だ。

次期OSのOS X Mavericksは、OS X Mountain Lionからの機能強化の中に、省電力に関連した機能があり、
この機能は、インテルの第4世代Coreプロセッサーに搭載された新しい省電力機能と組み合わせることで、より効果が発揮されることになっている。

となると次のMacシリーズの大幅アップデートは、OS X Mavericksの登場(今年の秋口)に合わせてということが一番可能性が高い。なお、今回プレビューされたMac Proは、年内の発売が予定されている。

MacBook AirのRetina化は今回はなかったが将来のモデルでは高精細ディスプレイを搭載するのは確実だろう。6月に台湾で行われたPC系展示会のCOMPTEXでは、様々なメーカーのPCがアップルのRetinaディスプレイに相当する高精細ディスプレイを搭載する傾向にあった。

MacのRetinaモデル以外で、こうした高精細ディスプレイモデルが増えるということは、高精細ディスプレイを製造しているメーカーが増産を行うことになる。そして販売数が増加すればするほど値段も落ちてくる。普及価格帯のモデルで高精細ディスプレイを採用しても、本体の価格はそのままという状態にまで値段が落ちてくれば、一気に普及するだろう。

MacBook Airはスペックの割に比較的低価格なことも特徴の1つだ。高精細ディスプレイを搭載して値段を従来より高くすると、現在と同じ水準での普及は見込めない。低価格路線を維持しようとなるとMacBook AirのRetinaモデルは、高精細ディスプレイが安価な価格帯まで落ちてきて、さらに安定供給される頃に登場ということも考えられる。そうなると、少なくとも数か月から年単位で時間はかかりそうだ。ひょっとしたら当分ない可能性だってある。

■今回は秋口まで待つのが賢い選択
以上は、あくまでも筆者の予想であり確定情報ではない。仮にOS X Mavericksに合わせて10月あたりに発表になった場合、それまで約4か月あるため、3か月後に新モデルが登場することも十分考えられる。パソコンに限らずこの手のデバイスは、欲しいと思ったときが買い時と言われるが、機能強化されたMacBook ProやiMacに関しては2013年中にOS X Mavericksと共に登場するのは間違いないので、それまで様子見するほうが賢い選択だと言える。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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