今回も動意している、注目の中小型株を取り上げたい。

「アベノミクス」による金融緩和と財政出動に続き、成長戦略である「日本再興戦略」も発表され、来年度予算での具体化が進もうとしている。中小型株の好調さは、日本のデフレ脱却の道筋が確実になってきたことを物語るものともいえるだろう。業績好転の中小型株を見逃さないようにしたいものだ。

取り上げる銘柄は、ユニバーサルエンターテインメント<6425>と田中化学研究所<4080>、それと田中精密工業<7218>だ。



■カジノ関連のユニバーサル
まず、カジノ・パチンコ関連のユニバーサルエンターテインメント(旧称アルゼ)。ユニバーサル、エレコ、メーシー、ミズホの4社でパチンコ・パチスロ機の製造・販売を行うほか、映画などのイベント主催・協賛などを手がけている。

直近で追い風になっているのは、2020年の東京五輪開催を控え、安倍政権が「国家戦略特区」構想の一部としてカジノ解禁に動く可能性が高まっていること。与党内には議員立法で「カジノ関連法案(特定複合観光施設区域整備推進法案)」を提出する動きもある。カジノの経済波及効果は7兆5000億円以上と言われる。カジノ運営の米シーザーズの対日進出計画も報じられており、ユニバーサルだけでなく、カジノ関連は目が離せない動きだ。

最近の動きとしては、居酒屋の「白木屋」などの外食チェーンを展開するモンテローザと連携し、同系列店で、エレコ製パチスロ機「緑ドン~キラメキ!炎のオーロラ伝説~」とコラボしたオリジナルメニューを提供した。大人気アニメとタイアップした新機も開発中と報じられており、若年層の開拓は着々と進んでいるようだ。

株価は8月末以降急動意し2000円の大台を回復、25日移動平均線も陽転し、今後はこれが下値支持線となろう。

■次世代リチウムイオン電池を開発、田中化研
田中化学研究所は、主に二次電池の正極材料を生産する化学工業メーカー。

3月に住友化学<4005>と資本提携したのに続き、NEC<6701>、積水化学工業<4204>などとの共同で、新規鉄マンガン系正極を使った次世代リチウムイオン電池を開発したことが発表された。同電池は、現在のマンガンスピネル系正極を使ったリチウムイオン電池の約1.7倍のエネルギー密度をもつ次世代電池。実用化は2020年頃の予定で、リチウムイオン電池をさらに低コスト化させ、蓄電システムの小型軽量化、環境対応自動車の航続距離延伸などに貢献できるものだ。

2012年3月期、2013年3月期と経常赤字が連続しているが、2014年3月期の4~6月期は経常赤字が2.3億円(前年同期は5.3億円の赤字)と縮小しており、業績面でも先々に明かりが見えはじめたのは好材料と言えるだろう。

株価はこの材料を受け連日のストップ高となり、高値警戒感も台頭するところだが、2009年には電池関連で高値3420円をつけた実績を持つ。押し目は買いと判断する。

■好調自動車関連、田中精密
田中精密工業は、本田技研工業<7267>系列の自動車部品製造メーカー。2013年3月期の経常利益が前期比約2.6倍(16.3億円)、2014年3月期予測も約32%増と順調に業績を伸ばしている。

業績好調は、インドでホンダ向けに二輪車エンジン向けのピストンピンなどの部品供給を始めたことが大きい。ホンダはインドでの二輪車生産能力を年400万台(現在の4割増)とする計画で、田中精密は第3工場(年120万台規模)で生産される二輪車向けに部品を供給。田中精密にとってインドでの部品販売は初めてで、2011年末に部品製造会社を設立した。

田中精密の海外売上高は、2012年3月期で米国が約95億円、タイが約51億円。同社はインド事業をこの両国に次ぐ第3の柱に育てる戦略である。ホンダの海外展開にともなって同社の海外での生産は増えるが、部品全体の1~2割は国内で生産する態勢を維持する。

株価はこのところ軟調な展開が続くが、為替の反転(円安)となれば、再び人気化が予想される。押し目買い好機といえそうだ。

(小沼正則)

※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。

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小沼正則
メディアバンク株式会社
2013-07-29