先日「PC業界全体による取り組み開始 個人向けWindows XP搭載PCからの買い換えキャンペーン」で紹介したように日本マイクロソフトや業界団体では、Windows XPから最新パソコンへの買い換えキャンペーンを本格的に展開する。

その発表会では、コンシューマー市場でのWindows XP搭載PCの比率は2012年下期で全体の27%にあたる1127万台だった、これをWindows XPのサポート終了期限までに10%を切ることを目標とすることが発表された。
10%以下という、この目標は、コンシューマー市場と企業向けあわせての目標だが、これを達成することは可能だろうか。


マイクロソフトやWDLCが、Windows XPから最新パソコンへの買い換えキャンペーンの発表会で、発表したIDC Japan調査によるデータでは、家庭向けなどでWindows XPを搭載しているPCが使われている比率は2012年下期で27%の1127万台、これが2013年上期で21%の881万台へと減少し2013年下期では14%の598万台になる見込みだという。

9月にはマイクロソフトが法人向け市場への買い替え促進の取り組みについて説明しているが、9月に発表した時点で法人市場の30%に当たる1050万台でWindows XPが使われていると公表していた。これをキャンペーンによる各種施策によって、企業向けと家庭向け合わせて10%を切ることを目標にするというのである。

2013年上期の段階で法人向けが30%程度で個人向けは20%程度なので、法人向けの移行遅れが目立つ。この状況でありながら個人と法人向け合わせて10%を切るまでWindows 8/8.1/RTへ移行させることは可能なのだろうか。



マイクロソフトでは、最新のOSは構造自体が強固になっており、マルウェアなどの感染率自体が低いことから、安全性という点からも最新のOSへの移行を促進している。また、最新のパソコンは機能も強化され、生産性が上がるなどの効果もある。

しかし、特に企業向けなどでは、業務に必要なアプリとの互換性などの点でどうしても移行が困難な環境がある。このため、ゼロにするのではなく、現実的な数値として10%を切る、としているわけだが、この目標ですら簡単に達成することはできないんおではないだろうか。

全て最新環境に移行するには、単純に考えて約半年の間に個人向けで約400万台、企業向けで約700万台、合計で1100万台ほどの買い換えやOSのアップグレードが必要になる。しかし、国内のPC出荷台数は年間で1500万台ほどだ。最近ではタブレットなどの普及で、PCの出荷第数次隊も頭打ちの傾向にあるが、Windows XPからの移行促進をしなくても通常の買い換えサイクルでXP比率20%を切るのは可能だろう。

しかし、10%を切るとなると、かなり大がかりな買い換えやOSアップグレードが必要となる。なにしろ激安価格でWindows 8/8.1/RT搭載PCが買えることにでもならないと、このご時世で10万円前後の出費を簡単にしてくれるユーザーが1100万台分いるとは思えない。これまで発表された各種施策を中心とした各種キャンペーンで、達成が厳しいとなればさらなる追加施策が必要になるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

デジ通の記事をもっと見る
その狙いはどこに? NECが自社製のWindows Storeアプリ「My Time Line」を一般提供開始
PC業界全体による取り組み開始 個人向けWindows XP搭載PCからの買い換えキャンペーン
スペックや性能だけで決まるわけではないタブレットの価格
スタンド内蔵のレノボ「Yoga Tablet」で利用できるマルチモードとは
未来のエンジニアを目指せ!インテルがQuarkを搭載したGalileoの国内展開を正式発表