ダイレクトマーケティングを支援する株式会社トライステージは、同社の持つテレビ通販番組データベースである「DR-INDEX」を活用し、2012年11月から2013年10月にかけての全国5地区(関東、関西、名古屋、福岡、札幌)地上波系列局、独立U局、およびBSデジタル放送局、合計37局におけるテレビ通販番組の放送枠の調査を実施し、その結果をまとめた。




この調査結果をざっくりとまとめると、2013年の放送回数ランキング1位は、「健康食品」、2位は「コスメ」、3位は「生活家電」という定番カテゴリーが上位を占め、2013年のテレビ通販番組・商品トレンドは、年末年始、新生活に向けた時期に大きく変化。2013年の「健康食品」カテゴリーでは「青汁」が断トツのトップ。2014年の傾向予測は「消費税増税前の競争激化」と「健康食品の機能性表示制度導入による新成分登場」であるとしている。それでは各項目の調査結果を紹介して行こう。

■放送回数ランキング(商品カテゴリー別トップ10)
テレビ通販番組において年間を通してのべ14万595回商品が紹介された中、最も放送回数が多かったのは2万9254回の「健康食品」だ。続いて1万2672回の「コスメ」、また1万1913回の「生活家電」が3位という結果となった。テレビ通販で商品がおよそ14万回も紹介されているというのに驚く、またトップ商品となった「健康食品」を365日で割ってみると約80回となり、1日のテレビ放送の中で平均して80回も健康食品の紹介がされているということになる。

上位の「健康食品」や「コスメ」は、一度気に入ったら継続的に利用し続けるため、もう少しでなくなりそうになった際に再度同じ商品を通販で頼むことから、テレビ通販との親和性が高いことの証と言えるだろう。4位~6位までは、「フィットネス」、「掃除用品」、「キッチン用品」などの日常的に利用する商品が占めており、身近にある商品のほうがテレビ通販で購入されやすいということがわかる。



■テレビ通販番組・商品トレンド(放送枠・放送時間、商品カテゴリー月別推移)
2012年11月から2013年10月までのテレビ通販番組枠の合計は9万24枠、放送時間の合計は2千535万294分だった。月平均では通販番組枠は7502枠、放送時間は21万1274分となる。2013年の放送枠の月別合計では、各社の年度末である3月に最も放送枠が増加。上半期(4月~9月)と下半期(10月~翌3月)を比較すると、下半期は、枠が月により変動している傾向が見える。また、放送時間の合計は、放送枠のトレンドに連動して推移していることがわかる結果になった。

各商品カテゴリーの月別推移を見てみると、いわゆる節目12月(年末)と3月(新生活)に特徴的な動きがあることがわかる。12月は当然のように「掃除用品・掃除家電」と「食品・飲料」の放送回数が著しく増加。これは年末の大掃除に向けて、そして「食品・飲料」はお歳暮や年末年始のおせち料理を狙い、総合通販会社が放送する商材を集約した結果だろう。

同様に3月は新生活が始まる人が多いので「フィットネス」、「キッチン用品・キッチン家電」、「ホーム・生活雑貨」等が増加。なお、「生活家電」カテゴリー内では「加湿・除湿・空気清浄機」が2214回放送され1位という結果となっているがこれは、いわゆるPM2.5による空気汚染問題に関係していると思われる。





■「健康食品」カテゴリーにおける商品(成分)別放送回数ランキング
商品カテゴリーで1位の「健康食品」の商品(成分)別放送回数ランキングでは、1位の「青汁」が5720回と、2位の「コラーゲン」の3142回の約1.8倍と、最も多く放送された商品となった。また、製品別の月別推移では「青汁」は年間を通して放送回数が圧倒的に多く、「青汁」人気が際立つ結果となっている。

定番商品の強さだけでなく、たとえば5位の「グルコサミン」を見てみると、新商品の登場により4月以降から急激に放送回数が増加し、10月時点で「青汁」に次ぐ2位まで伸びている。逆に3位の「DHA・EPA」は年間では3位だったものの、減少傾向となった。



■2014年のテレビ通販市場の傾向予測
以上を踏まえ2014年のテレビ通販市場がどう動いていくのか予測してみる。3月は各社年度末のため放送回数が増加する傾向にあると思われる。さらに消費税増税前の駆け込み需要が発生することを見据えて例年以上の需要増加が見込まれる。これにより、テレビ通販番組枠の入手競争が激化する可能性が見えてきた。

商品カテゴリーでは、健康食品は引き続き年間を通して安定した放送回数を保つと予測され、さらに機能性表示制度の導入が決定した際には、これまでにない新しい成分の登場など、健康食品市場に新しい動きが見える可能性があるだろう。また、今年はランキング外であった新ジャンル・新サービス(リフォーム、不動産、塾、金融など)は新市場として、さらなる拡大が期待される。

テレビ通販番組枠の上半期(4~9月)と下半期(10月~翌3月)比較では、上半期は6月にサッカーのワールドカップが開催されることから深夜枠のテレビ通販番組枠が減少すると思われる。それ以外の月は比較的安定した枠数で推移すると予測できる。下半期は年末年始などに特別番組が増加することから、引き続き放送枠数が大きく変動するだろう。

また、季節に合わせた商材が増加する傾向があるため、テレビ通販市場へ新規参入予定の企業で、継続的に利用する商材(リピーターの確保を重視する商品)の場合は、上半期からの参入が狙い目だ。季節商材で参入する場合は、早期からの出稿計画および発注が重要になると言えるだろう。

■DR-INDEXとは?
DR-INDEXとは、トライステージが実施している通販番組オンエア情報のデータベース。全国5地区(関東、関西、名古屋、福岡、札幌)地上波系列局、独立U局、およびBSデジタル放送局、合計37局で放送された全通販番組がデータベース化されている。
※ショップチャンネル・QVCは除く。2012年8月よりデータ収集開始。

トライステージ